理想の家

母に寂しい思いをさせると

きまって

「私そろそろ家に帰るわ。」

と言って玄関から出ていこうとする。

（玄関には徘徊防止のための鍵がかかっている）

今日も僕がオーディオルームでジャズを聴いた後

リビングルームに降りると

もう家に帰ると言い出した。


母を一人にしておいた僕が悪いのだけれど、

そのあと、ここは自分の家だからどこにも行かなくていいよ、

と言い聞かせるのに難儀した。




こういうことがあるたんびに、

母が一番幸せだったのは、

三重県の山奥の村で、

家におじいさんとおばあさんと

お父さんとお母さんと

兄ちゃん、姉ちゃん、

妹、弟がいて

（母は五人兄弟の真ん中だった）

みんな仲良く楽しく暮らしていた

少女時代だったのだと痛感する。



夫は酒飲みだったし、

息子は親不孝ばかりしていたし、

その後の人生と比較して、

思い出の中の自分が生まれ育った家が

いかに母の心の中で光り輝いていることか。





そんな心の中の理想の家と競争して、

現実の家の中で

母を支え、励まし

生きていかなければならない。


しっかりしなきゃ。









今日は真面目なこと書いたな～～～～～。