あさねぼう

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労働生産性

2020-02-27 09:43:23 | 日記
OECD諸外国と日本の労働生産性に大きな開きがある理由とは?

日本の労働生産性があまり高くないことは、労働市場やワークスタイルを考える上で大きな問題と言われています。国際比較の数値は目安として重要である一方で、明確な評価材料とはいえない部分もあります。

国際社会における労働生産性はGDPを元に算出されており、日本企業が算出する労働生産性の計算式とは異なります。

国際社会における労働生産性は「国民経済生産性(GDP/1年間の平均就業者数×労働時間)」で算出されており、労働者一人当たりの労働生産性とは異なります。国際社会において、日本の労働生産性が低いと指摘されている数値の根拠は「国民経済生産性」であり、労働者一人あたりの労働生産性を指摘されていないという点も理解しておかなければいけません。

国民経済生産性は国ごとに事情が異なるため、実際の生産性と比較すると、算出結果が前後します。計算式に使用されている就業者数は、その国独自の雇用体制・慣習によっても影響されます。日本においては、終身雇用などメンバーシップ型雇用が前提となっており、失業者(完全失業者)や求職者が出にくい労働環境にあるため失業率が低く、国民経済生産性の数値は低く算出されがちです。

各国の経済状況、為替変動の影響、法人税や所得税のルールの違い、雇用についての法律や個人の働き方などが異なります。さらに国民性やその国のさまざまな事情を背景に、得意産業も異なってくるでしょう。これらの点は、上記の統計には反映されにくいという点は認識しておくべきでしょう。

つまり、日本と国際社会の労働生産性の違いを語る場合は、
•国ごとの経済構造によって1人あたりGDP換算は異なる
•地方ごとの経済発展格差を考慮できていない
•企業労働生産性の代表値ではなく、全体の平均としてのマクロ的数値

といった点で検討の余地があります。

独立行政法人・労働政策研究・研修機構の調査による「国民1人あたりの年間総労働時間の推移表」を見てみると直近の数値では、日本は年間総労働時は1,735時間まで減少しています。出典元『公共財団法人 日本生産性本部』労働生産性の国際比較 2017 年版

しかし、1人あたりの就業時間が減少した背景には
•非正規(パートタイマー・アルバイト)が労働力人口の4割を占めるまでに増加している
•上記総労働時間はパート・アルバイトの非正規も含んでいる

という2点があることを留意しておく必要があります。

フルタイムの正社員に限定すると、日本の1人あたり年間総労働時間は20年以上「2000時間前後」で横ばいなのです。つまり、極端な言い方をすれば、「フルタイム社員の時間あたり生産性は1980年代から変わっていない」という表現もできてしまうのです。


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