あさねぼう

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系外惑星KELT-9bでは9時間ごとに「夏」と「冬」が繰り返される

2020-07-03 09:26:06 | 日記
4000個以上が見つかっている太陽系外惑星のなかには、主星の近くを公転しているために表面温度が高温に熱せられているホットジュピターのように、太陽系の惑星とはかなり異なった環境を持つものがあります。そんなホットジュピターのひとつ「KELT-9b」について、季節のように周期的な温度変化が存在する可能性を示した研究成果が発表されています。
■高速で自転する主星&ほとんど垂直の公転軌道が周期的な変化をもたらしている

系外惑星「KELT-9b」(手前)を描いた想像図(Credit: NASA’s Goddard Space Flight Center)© sorae 系外惑星「KELT-9b」(手前)を描いた想像図(Credit: NASA’s Goddard Space Flight Center)
はくちょう座の方向およそ670光年先にあるKELT-9bは、木星と比べて直径は約1.8倍、質量は約2.9倍のホットジュピターです。KELT-9bの公転軌道は主星の「KELT-9」をおよそ36時間で1周してしまうほど小さく、主星から受け取るエネルギーは地球が太陽から受け取るエネルギーの4万倍以上に達するため、KELT-9bの昼側の温度は一部の恒星よりも高い摂氏およそ4300度まで加熱されているとみられています。

KELT-9bは主星に対してほとんど垂直に近い軌道を描いていることが以前から知られており、NASAの系外惑星探査衛星「TESS」による観測データを分析したJohn Ahlers氏(アメリカ大学宇宙研究協会/ゴダード宇宙飛行センター)らの研究グループによると、その傾きは87度前後に達するとされています。研究グループでは、この垂直に近い公転軌道と主星であるKELT-9の特徴が、KELT-9bに周期的な温度変化をもたらしていると考えています。

短い周期で自転する恒星は遠心力によって扁平な形になり、膨らんだ赤道付近は極付近よりも温度が下がって暗くなる重力減光(gravity darkening)と呼ばれる現象が生じるとされています。KELT-9の自転周期も16時間ほどと短く、極付近の温度は摂氏約1万度とみられているものの、重力減光によって赤道付近の温度は極付近と比べて摂氏800度ほど低くなっており、明るさにも約38パーセントの違いがあるといいます。

ホットジュピターのKELT-9bは主星のKELT-9に対してほぼ垂直に約36時間周期で公転しているため、温度が異なる極付近と赤道付近の上空を1回公転するあいだに2回ずつ、9時間ごとに交互に通過することになります。そのため、高温の極付近の上空にいるときは「夏」、低温の赤道付近では「冬」といったように、KELT-9から受け取るエネルギーが周期的に変化していると考えられています。

KELT-9bの受け取るエネルギーが変化する様子を示した模式図。中央にある主星の「KELT-9」(横倒しに描かれている)は極付近のほうが赤道付近よりも高温であるため、KELT-9bでは1回公転するあいだに「夏」と「冬」が2回ずつ交互に繰り返される(Credit: NASA’s Goddard Space Flight Center)© soraeKELT-9bの受け取るエネルギーが変化する様子を示した模式図。中央にある主星の「KELT-9」(横倒しに描かれている)は極付近のほうが赤道付近よりも高温であるため、KELT-9bでは1回公転するあいだに「夏」と「冬」が2回ずつ交互に繰り返される(Credit: NASA’s Goddard Space Flight Center)
研究グループによると、重力減光が生じている恒星を系外惑星が横切ったときに恒星の明るさが変化する様子を詳しく調べることで、系外惑星の公転軌道がどれくらい傾いているのかを知ることができるといいます。研究に参加したJason Barnes氏(アイダホ大学)は、この手法を利用することで「最終的には大質量星における惑星の形成と進化の歴史を解き明かしたいです」とコメントしています。

5月の有効求人倍率1・20倍…0・12ポイント低下、過去2番目の下げ幅

2020-07-03 08:09:54 | 日記
 厚生労働省が30日に発表した5月の有効求人倍率は1・20倍で、前月から0・12ポイント低下した。下げ幅は、第1次石油危機に見舞われた1974年1月(0・20ポイント)に次ぐ過去2番目の大きさとなった。新型コロナウイルスの感染拡大が雇用情勢に影響している。

 低下は5か月連続で、2015年7月以来の低水準となった。新規求人数は前年同月比32・1%減で、「宿泊業、飲食サービス業」が同55・9%減、理美容業や映画館などを含む「生活関連サービス業、娯楽業」が同44・2%減と目立った。求人票を受け付けた「受理地別」の有効求人倍率は、沖縄県の0・78倍をはじめ、計7道県で1倍を下回った。

 一方、総務省が30日に発表した労働力調査によると、5月の完全失業率(季節調整値)は2・9%で前月から0・3ポイント上昇し、3か月連続で悪化した。2017年5月以来、3年ぶりの水準となった。

 完全失業者数(同)は197万人で、前月より19万人(10・7%)増加した。休業者数は前年同月比274万人増の423万人で、営業自粛や経営が悪化した企業の従業員による休業が引き続き多いとみられる。

超大質量ブラックホール

2020-07-03 07:39:12 | 日記
観測史上2番目に遠く、超大質量ブラックホールを有するクエーサーを発見

銀河全体よりも明るく輝く活発な銀河中心核「クエーサー」は、ビッグバンから10億年ほどしか経っていない初期の宇宙にも数多く見つかっています。今回、観測史上2番目に遠いクエーサーが見つかったとする研究成果が発表されています。
■地球に光が届くまで130億2000万年、太陽の15億倍の質量があるブラックホールを持つとみられる

Jinyi Yang氏(スチュワード天文台)らの研究グループは、2019年5月に確認されたクエーサー「J1007+2115」が、太陽のおよそ15億倍の質量がある超大質量ブラックホールを持つとする研究結果を発表しました。

J1007+2115の赤方偏移(※)は7.515(光が地球に届くまでの時間はおよそ130億2000万年)とされており、研究グループでは2018年に報告された別のクエーサー「J1342+0928」(赤方偏移7.54)に次いで観測史上2番目に遠いクエーサーだとしています。また、J1342+0928に存在するとみられる超大質量ブラックホールの質量は太陽の8億倍ほどとされていることから、Yang氏はJ1007+2115について「太陽の10億倍以上のブラックホールを持つ既知の天体としては最も遠い」とコメントしています。

※…宇宙の膨張にともなって光の波長が伸びた量。遠くの天体ほど数値が大きい

研究グループによると、ビッグバンから7億年ほどしか経っていない時代に太陽の15億倍という質量にまでブラックホールが成長するためには、ビッグバンから1億年ほどの段階ですでに太陽の1万倍の質量を持った、いわば「種」となるブラックホールが存在しなければならないといいます。研究に参加したXiaohui Fan氏(アリゾナ大学)は「初期の宇宙におけるブラックホールの形成および成長について、今回の発見は改めて課題を提示するものとなりました」と語ります。

なお、J1007+2115の観測にはハワイのマウナケア山にあるW.M.ケック天文台やジェミニ天文台の望遠鏡が用いられたことから、J1007+2115はハワイ語で「unseen spinning source of creation, surrounded with brilliance(輝きに囲まれた、見えざる回転する創造の源)」を意味する「Pōniuāʻena(ポーニウアエナ)」と名付けられています。