あさねぼう

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『ごんぎつね』

2020-03-20 11:53:56 | 日記
『ごんぎつね』など傑作を生み出した短命の童話作家、新美南吉とは

新美南吉は1913年に愛知県で生まれました。本名は正八(しょうはち)。生後まもなく亡くなった兄の名でした。4歳で母が病没し、養子に出されるなど寂しい子ども時代を過ごしました。

中学2年の頃から童謡や童話を作り始め、16歳では童謡や童話を雑誌に多数投稿し同人誌も発行。

19歳で東京外国語学校(現・東京外国語大学)英語部文科に入学、雑誌『赤い鳥』に『ごん狐』が掲載されます。その後『手袋を買いに』を創作するなど才能を発揮しますが、幼い頃から健康に恵まれず、21歳の時喀血。

22歳で『でんでんむしのかなしみ』などの幼年童話を多数創作し、23歳で東京外国語学校を無事卒業しますが、再び喀血。24歳の時には病気と孤独の中、ドストエフスキーの『カラマーゾフの兄弟』で人間のエゴイズムと愛について洞察する日々を送ります。25歳で恩師のはからいで安城高等女学校(現・安城高校)の教諭として勤務。

27歳の時結婚を考えていた女性が死去。その後腎臓を患い、初めての童話集『おじいさんのランプ』を出した直後の29歳喉頭結核のため永眠。

教師だった童話作家として宮沢賢治と比べられることもある新美南吉。感情を超えた真理を追求し続けた賢治とは対照的に、人間の内面世界を深めようとした南吉。しかし、苦難の中においても真の人の道とは何かということを、諦めること無く模索し続けた姿勢には、同じ魂を感じられるでしょう。