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田園都市の風景から

筑後地方を中心とした情報や、昭和時代の生活の記憶、その時々に思うことなどを綴っていきます。

吉田博展を観る

2017年02月23日 | 美術館・博物館

 久留米市美術館で「生誕140年 吉田博展」が開催されています。昨秋、石橋美術館から引き継いで2回目の特別展になります。私はこの美術展で初めて彼の名前を知りました。もちろん彼の絵は初見です。

 彼は明治9年に久留米市京町で生まれました。同郷の坂本繁二郎や青木繁の6歳年上になります。生家も近くです。23歳の時に渡米。展覧会が大成功して、ヨーロッパを経由して帰国します。彼は日本ではあまり知られていませんが、欧米で人気が高いそうです。 

 

 彼は青年期は水彩画を描き、それから山を中心とした油彩、そして後半は木版画に熱中します。これまで明治、大正の画をいろいろ観てきましたが、今回は新鮮で楽しく鑑賞することが出来ました。彼の絵は明快で分かりやすく、坂本や青木とはまるで画風が違います。

 特に個人的には初期の水彩画に心惹かれました。ポストカードを買いたかったのですが、残念ながら売店には木版画しかありませんでした。先月末にNHKの日曜美術館で紹介されたのも木版画家としてでした。何点か紹介します。

 「富士拾景 朝日」 大正5年

 イギリスの故ダイアナ妃は彼の木版画が好きで、自ら買い求め執務室に飾っていました。下の木版画はその2点の内の一枚です。

「光る海 瀬戸内海集」 大正15年

 

  彼は微妙な空気感や光と影、色のグラデーションを版画で表現しようとしました。同じ瀬戸内海集の「帆船」では朝、午前、午後、霧、夕、夜と、一枚の版木から6枚の版画を摺り分けています。多い時には90もの摺りを重ねたといいます。

 「東京拾二題 亀井戸」 昭和2年

 

  「東京拾二題 神楽坂通 雨後の夜」 昭和4年

 

  「ユングフラウ山」 大正14年

 

 市の美術館になってから初めて来ました。当日は平日でしたが、テレビで紹介されたためか観覧者は思いのほか多かったです。遠方から来られた方が多かったようです。展覧会には二百数十点が出品されており、28日から展示替えがあります。

 美術館裏の池にいつもいるアオサギです。ここにはカワセミもよく来ていて、同じ枝から池にダイビングする様子を見ることが出来ます。

 

 石橋文化センターでは梅まつりが始まりました。梅林寺の梅の見頃はもう少し先のようです。近頃は梅を見に歩いています。

 

 

  

 

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2 コメント(10/1 コメント投稿終了予定)

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名古屋でも・・・ (ひろ)
2017-02-26 08:55:40
吉田博木版画展 今日まで名古屋ボストン美術館で
開催中です。
こちらはMOA美術館所蔵のもの。大好評 大盛況です。
私も日曜美術館で知ったのですが本当に素晴らしいですね。
ミモザではじめてのコメントだったのですが こちらも
感激した展覧会だったので・・・。
返信する
こんにちは (九州より)
2017-02-26 10:42:06
こちらも人出が多かったです。
初めて見る画風で、新鮮に感じました。
28日から展示替えがあるので、
もう一度足を運ぶつもりです。
返信する

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