これはやばいっ!!。 ハンドメイド "ケンタウルス・クローン"

某オークションにて、あのケンタウルスのハンドメイドによるコピーが出品されてたので、今後の参考もかねて落札してみました。

ケンタウルスと言えばいろいろなところで大絶賛のブースター/オーバードライブでめちゃ有名ですけれども、それと一緒にお値段もかなりのものということでも評判です(笑)。
私も発売当初、10年…いやもっと前かな？、当時からあまりに良い良いと評判だったものの、その販売価格に恐れ多くてなかなか試奏をお願いする勇気もなく(笑)、たまたまどっかの楽器店で話の流れで、じゃあケンタウルスも弾いてみたら…的なことになって、念願かなって試さしてもらったことがあったんですが、正直そん時の音の印象が残ってない!!。
おそらく値段にビビってしまい思い切って試してなかったのか。
確かいい音であったのは間違いなかったんだけど…という程度でしか覚えてないんですよね～。

その後、ボスのOD-20にケンタウルスのモデリングが入ってたりで、それを使ってお茶を濁したりしてたんですが、やっぱりもう一度、今の耳で確認してみたい!、と思うようになってたところ今回の出品物の発見。
本物はさすがに試しで買える金額ではないので、ならコピーでということで買ってみました。

届いたケンタウルスのクローン。本物の回路図を参考に制作されたそうです。
今ではネットで漁れば回路図も見つかるみたいなので、これもほとんど本物と思ってもいいんじゃないでしょうか？。

早速試してみたところ、これはヤバいです(笑)。
なんというか、音のグレードが違います。出音に艶というかハリというか、コクが加わるんですよね。
今までも艶がある、ハリが良いペダルはあったんですが、これはそれらとは違う、なんといえばいいですか…、生きた音が出ますね。
みずみずしいといえばいいですか、躍動感があり、弾き手のタッチをそのまま再現してくれる生々しさもあり、それでいて全く下品さがない。
トータルでの音の印象は、はっきり言って元々のギターとアンプの出音のそのまんまなんですよ。ケンタウルスを加えたところで大きく変わらない。
しかしペダルをオンにすれば、サウンドのグレードが大きく変わります。音に深みが掛かりコクがでる。
あんまりうまくいえないんですが、こんな表現でいいのかなぁ(笑)。

今まで、なにかしらのペダルを繋いだところ、どこかそのペダルのカラーが出てくるんですよね。SD-1ならSD-1の、TS-9ならTS-9の。
別にそれらは全然悪いことじゃなくって、その音が欲しいならそれでオッケーなわけで。
でもそれらの音が邪魔な場合もある…。
このケンタクローンはそれらと全然違って、繋いでもケンタウルス(クローン)の音がしない。
全くギターとアンプのもとの音からはみださないんですよ。これがすごい!!。
ギターとアンプにプラスアルファじゃなくって、使えばギターとアンプのグレードを上げる。そんなペダルですね。
だからこれを使って元の音を変えてしまうってことは全然ありません。
繋いでみて全然歪まへん～とか、もっと低音、高音が～とかいうようなペダルじゃないです。
そういうアクティブな音の変化を求める場合は他のペダルを使うべきであって、このペダルはその隠し味的な意味合いがわかる人が最後に使う一品な気がします。

とまぁべた褒めなんですが、問題点もあるにはあって、
これはコピーからなのかわからないですが、結構ノイズが載る。
ゲインを上げていくと割とノイズを発生します。
ちょっとこれはどうかと。
ケンタウルスがオーバードライブよりブースターとしての評価が高いのは、このノイズが関係しているのかもしれませんね。
積極的に歪ます域までゲインを上げるとノイズが入ってくるんですよね。
まぁ僕の場合は10時以上の位置まで回すことがなさそうなので、関係ないっちゃあなさそうですが…。
後、矛盾しているかもしれませんが、音色（カラー）が変わらないこと。
評判を聴いて、ケンタウルスを手に入れたぞーって息巻いたものの、あ、あれ？あんま音変わらへん…？。
そう、これを繋ぐだけで劇的にサウンドが"良く"なると思い込んでしまうこと。こういう人多いと思います。そういう人に取ってケンタウルスは高いだけで意味がわからないペダルでしかありません。
あくまでもこのペダルは、"良い or 納得"のギターと、"いい or 納得"のアンプがあってから始まるペダル。
特にアンプはチューブであることが大前提だと思いますね。いくらJCがトランジスタの名器だったとしても、ケンタウルスを使ったところでお互いの良さを引き出してはくれないように思います。
何度も言いますが、これはアクティブに音を変えてくれるペダルではありません!!。
使用者がある程度まで突き詰めたサウンドを作り、最後のひと絞りを手助けしてくれる、そういうペダルなんですよ。
だから過度の期待を持って、漠然とこのペダルを繋いでも思うような効果が得られない可能性があります。
てなわけで、結構使える範囲が限定されてるのかもしれませんね。

オリジナルのケンタウルスが七万くらいの販売価格。
今回、僕が手に入れたのはコピーなんであれですけど、
正直ペダルにこの価格って狂ってるんじゃないか？って思わなくもないんですけど、これにその価値は、はっきり言ってあります。
ただ自分が実際に購入できるかどうかは別にして(笑)。

気に入ったギターがあって、いいチューブアンプがあればそれでいい。それで最高のサウンドなんですけど、
でもそこにこのケンタウルスを加えれば、より深くより上質なサウンドが手に入れることが出来る。そんなやつです、これ。
良い!!という評価に加え、あの価格設定からとても素晴らしいものと祭り上げられてる感がありますが、
実際は、わからない人には全然わからないし、はまった場合は他に代わりがないくらい最高のペダルとなる。非常に使う人間を選ぶエフェクターだと思います。若かりし日の自分はわからなかったんですねぇ…(笑)。

しかしこういう、まったく色づけをしないという発想を持ったオーバードライブの存在がすごい!!。
だってこれ、わかってもらえなかったら音の変わらないバカ高いただのハコですよ!?。
たぶんあのサウンドに持っていくのに相当試行錯誤したであろうし、また出来上がったところで理解されるかどうかわからない…。
そう思うと発売されてること自体拍手ですし、あの価格も仕方ないんだと思います。
あそこまでギターとアンプ本来のサウンドを壊さないエフェクターていうのは、発売当時はもちろん、現在でも少ないのではないでしょうか？。
だってエフェクターってのは基本"音を変えるもの"でしょ?(笑)。
結果、その後の歪み系エフェクターに衝撃とひとつの流れを生み出しましたからね。
多分、ピュアにアンプ本来の音を引き出すって考え方は、ケンタウルスから始まったんだと思うんですがどうでしょう？。

てなわけで自分に取って衝撃を受けたペダルだったんですが、購入したのはコピーという、オリジナル使ってる人からはしばかれそうですね
こいつが今後のメインとなっていくのは確実なので、またエフェクトボードの中身を変更しなければならないのが悩みの種だったりします…。

 

…今更ですが、画像を追加しました。

左の奴が僕が購入したケンタウルス・クローンですね。