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川越だより

妻と二人あちこちに出かけであった自然や人々のこと。日々の生活の中で嬉しかったこと・感じたこと。

なぜ、患者をくるしめるのか

2007-12-24 21:27:39 | 政治・社会
 薬害肝炎の問題に対する政府の対応を見ていると人ごととは思えません。
 製薬会社や政府がしなければならないことは、自分たちのせいで薬害肝炎に罹った方々が治療に専念できるように条件を整えることです。責任を100%認め謝罪すること、治療費や慰謝料を払い、最高の治療が安心して受けられるようにすることなどです。それでも病気と闘う患者さんの苦しみや不安が解消されるわけではありません。
 カネがいくらかかろうが自ら招いた事態に責任を取ることは当然です。日本国政府の高官は全員とりあえず、ボーナスカットぐらいしたらどうですか。厚生労働省については課長級以上年末手当なしとか。自らがすこしは痛まないと、責任感覚は生まれません。
 僕が受けた医療過誤事件について。僕は2回(2年間)にわたって健康診断(間接撮影)で肺ガンの大きな病巣を見逃され、「異常なし」と通告を受けました。2年目に至ってはアヒルの卵ぐらいもあるものです。そのため、3年目に発見されたときにはガンはソフトボール大に育ってさらに肺門リンパに転移しており、手術はできたものの5年生存率は30%と診断されたのです。
 少なくとも二人の医師で読影するという規則を無視していただけではなく、2年目はフィルムを見ることさえしていません。それでいて「異常なし」と知らせてきたのです。こちらには手の打ちようもありません。
 その後の公立学校共済組合関東中央病院の対応がまた、信じられないものでした。手術直後の正月に、望んでもいないのに病院長や事務方などが川越の僕の自宅まで謝りに来ました。そして、抗ガン剤治療が終結し、僕が学校に復帰した直後に、補償について病院側の考えを提案すると言うので話し合いの席に出向きました。ところが、病院側は関係者がただ頭を下げるだけで、提案どころか、なぜこういう医療事故が起きたかについても何一つ説明しないのです。
 都教委の担当者もこれにはびっくりし、後日改めて提案すると病院側が約束しただけで、この日は終わりました。しかし、そのような動きは全くなく、病院はすべてを弁護士同士のやりとりに閉じこめてしまいました。僕は、約束と違うので、前川和彦関東中央病院長宛、面会を求める手紙を書いたのですが、いまだになしのつぶてです。僕との約束を反故にし、僕が会ったこともない弁護士にすべてを取り仕切らせているようです。
 病院長は僕の主治医の同門でもあったので、自宅まで来てくれたとき、僕は自分の思いを率直に述べ、院長のリーダーシップで解決に当たるようにお願いしました。僕は今すこし生きて、僕を育ててくれたひとびとに役立ちたいのです。今となってはできる限りの治療を受け、病と闘っていくほかはありません。病院長はわかりましたと言いました。
 それなのになぜ、こんなことになるのでしょう。なぜ、手紙に返事を出すことすらできないのでしょう。
 僕は闘病を余儀なくされて以来、たくさんのひとびとの励ましに支えられて生きてきました。励まさないで、痛めつけているのは前川和彦関東中央病院長とその一団だけです。医者だけが患者を深く傷つけて知らん振りをしているのです。
 普段はのんきにしていても、僕とて不安から解放されたわけではありません。ましてや薬害で患者とされてしまったひとびとの苦しみと不安は、計り知れないものです。福田首相はもちろんですが厚生労働省の幹部とミドリ十字社の幹部たちは、患者さんの前に出てその責任を告白し、全面的な補償を誓わなければなりません。皆さん人間の顔をしているからには、それが当たり前だと思います。

 

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3 コメント(10/1 コメント投稿終了予定)

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反応の鈍さについて (h.matsumoto)
2007-12-26 01:19:26
 医師が職業起因的に抱えている反民主性については、私の親がどうして病院から足を洗えなくなったかに関しても、いいたいことが山ほどあります。
 それはさておき、二点ほど。
 先方が弁護士を通じて事件処理をしようとしていることは分りますが、けいすけ先生側は、大丈夫ですか? 読影懈怠が発覚してから、そろそろ3年になりませんか? 病院と教組と健康診断の正確な法律関係が分りませんが、不法行為に基づく請求であれば、3年で時効にかかりますから、注意が必要です。あれこれ当座の対応は「誠意」を見せておきながら、何もしないで時間を稼ぎ、いざ提訴すると「時効だ」と主張するのは、一つの古典的な作戦だと思います。
 もう一つは、先生は「読影懈怠」を先方も認めていると書かれていますが、健康診断のカルテ現物(あるいは少なくともそのコピー)、先生の名前と日付入X線写真の現物(あるいは少なくともそのコピー)は、実際に先生の手元にあるのでしょうか? また、先方との会談の録音は録ってあるのでしょうか。
 そこら辺が、とても心配です。
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ご心配をかけ申し訳ありません。 (けいすけ)
2007-12-26 06:39:53
 病院側の話し合いの時から、知り合いの弁護士に立ち会ってもらい、その後は代理人として交渉してもらっています。時効対策で裁判所に調停申請をしました。録音、その他の資料類は当初から確保してあります。ご心配を賭けて申し訳ありません。今後もよろしく。
 僕は病院側が顧問弁護士に任せて知らんぷりをする姿勢が許せません。直接、話し合って解決すると約束していたのです。なぜ、信じられないミスを繰り返したのか。当事者との話し合いを通じて知りたいのです。話し合いに読影を担当した医師も来たのですが弁護士の指示とかで、一言も言わず、ただただ、頭を下げるだけでした。
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鈍さについて (カツヨシ)
2007-12-27 22:33:19
 驚きました、病院側の対応には。

 あの日(手術後の正月)、けいすけさんの家に、病院側関係者が「謝罪」に現れた場面を鮮明に思い出します。テレビでよく見かける謝罪会見さながら、一同深々と頭を下げたものの、「過誤の経緯」「責任の所在」などの肝心な点については曖昧な態度に終始しました。業を煮やして時に声を荒げるぼくらの中で、けいすけさんは一貫して静かな声音で語りました。自分は健康にはいつも留意してきた、とりわけ「癌」には神経を使ってきた、学校の健康診断で関東中央病院から「異常なし」の報告が来ると素直に喜んでいた、
それだけに「見落とし」「見てもいない」状態で放置されて「癌」に気づくことが遅れてしまったことは本当に悔しい、どういう経緯でこういうことになったのか、システムのどこに欠陥があるのか、あとに続く人のためにもしっかりと検証し再発防止に全力を挙げてほしい……諄々と諭すように(時に込み上げてくるものを抑えながら)けいすけさんは語りました。「本当に悔しい」と腹の底から絞り出すように発した声が耳に残っています。その「魂の叫び」に対して真剣(そう)に聴き入っていた病院長らは「よくわかりました」と改めて頭を下げました。今にして思えば、「地方の病院ならすぐに潰れてしまうような重大な医療ミス」(四国のT先生の弁)の被害者当人が声高な糾弾調で怒りを露わにしなかったことに内心ホッとしてくみし易しとでも思っていたのでしょうか。まさかこんな(ブログに書かれたような)不誠実な対応でこれまできたとは、思っていませんでした。順調に行っているようでもありそうでもないようでもあり、何となく触れずじまいで来た自分の鈍さに気づかされます。

 相手はなめてかかっていますね。天下に公表して、社会的に問題化しないと埒があかないのでは、とさえ見えます。どういう一手からやるのかわかりませんが、弁護士同士が抱え込んでいる今の状態は、相手の思うつぼだと思います。
 
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