川越だより

妻と二人あちこちに出かけであった自然や人々のこと。日々の生活の中で嬉しかったこと・感じたこと。

最上川と鳥海山 羽州花の旅(下)

2009-05-09 03:43:49 | 出会いの旅
 今朝はこれから近所のバス会社に行きます。妻と二人、大型の観光バスに乗って日暮里へ向かいます。皆さんと合流して北信濃・飯山の菜の花公園を目指します。
第9回きいちご移動教室です。もう子どもたちの元気な声が聞こえてきそうです。

 
   羽州の旅のメモの最終回です。

 4月29日(水)晴れ

 ◎真山公園から払田(ほった)の柵(大仙市仙北町)

 宿から見える桜の美しさに惹かれて真山という丘に行く。高梨神社を中心としたこの辺りの鎮守の森。この丘に並ぶような形で長森の丘があり、付近を含む広大な地域が「払田の柵」跡の史跡公園となっている。ここに来たのは03年10月以来だ。大きな変化はないが大仙市が運営する払田柵総合案内所でVTRを上映するようになっている。
 その後の発掘で胆沢城などに並ぶ大規模な「城」であることがわかってきたが文献資料に記述はなく、きちんとした名前もわからないと言う。
 http://www.pref.akita.jp/hotta/

 仙北平野を一望したあと眺めの良い政庁跡付近で仰向けになってみた。青空が果てもなく広がっている。こんな広大な平野である。都にいる権力を持つもの達が見捨てて置くわけがないだろう。蝦夷を征服する拠点を築いたのもむべなるかな、である。


 ◎星の宮遺跡と竹村武繁さん

 総合案内所の職員の方が近くの星の宮というところで縄文と弥生の複合遺跡が発掘されたと教えてくれた。もう埋め戻されて田圃になっているというがともかく行ってみることにする。
 この辺りかと目星をつけて畑にいる人に聞いてみると発掘調査が行われた田圃はこの方の家の直ぐ後ろだった。

 家に入って発掘された土偶の模造品や99年に仙北町教育委員会が出した発掘調査報告書を持ってこられて、当時の様子を話してくださる。
 縄文後期の遺跡の上に水田跡も出てきた。秋田・山形地方で弥生期の水田跡が発掘されたのは初めてだという。(「秋田さきがけ」99年7月16日)

 これも持って行けと庭先に並んでいる石群から一つ二つと選んでくれる。これは遠い遠い昔に出来た何かの木の化石だ。ずっしりと重い。由里本庄市の東由里の山中で測量中に見つけたという。

 お名前を伺うと竹村武繁さん。今は美郷町となっている旧仙南村天神堂生出郷(おいでむら)の出生でこちらに養子に来られたという。

 貴重なものをあれもこれも貰うわけには行かないので小さめの木の化石を二つお土産にいただいた。これを見てぼくは感動した。高校生なども喜ぶのではないか。
 
 (竹村さん、物好きな通りがかりの者に貴重な資料とお話をありがとうございました。竹村さんが生まれた辺りでお弁当を広げ、風光を楽しみましたよ)。

 午後は国道13号(羽州街道)をひたすら南下、湯沢・新庄を経て「保養センター・もがみ」へ。
 この宿の露天風呂からの眺めは天下一品。神室連山・水田・そして小国川…。料理も酒もおいしい。満ち足りた気持になる。

 
  4月30日(木)晴れ

 ◎舟形町堀内
 堀内橋の袂で車を止めしばし最上川の風光を楽しむ。橋の向こうに学校なども見えたのでぼくは歩いて渡ってみる。「これが最上川なのだ」。
 小学生と大人達が一緒に街のゴミ拾いをしている。急な石段の上に荒神さまがあった。珍しいので登ってみると街を一望でき、遠くに最上川の流れがある。こんな風景を見たくてはるばる来たのではないかと思う。
 妻の帰りが遅いので心配していたら、土地の老夫婦がわざわざ祭りの屋台の収納庫をあけてみせてくれたという。

 ◎本合海(もとあいかい) 芭蕉乗船の地http://tocky66.hp.infoseek.co.jp/hosomichi/sokuseki/motoaikai.htm
 ◎戸沢村 高麗館http://samidare.jp/m-mogami/note?p=log&lid=78665

 展望台まで登ってみるとゆったりとうねる流れの眺めが最高。
 
 ◎戸沢村 日本一の大柳http://web01.joetsu.ne.jp/~stein/tsuya-yanagi.html

 巨樹だというので訪ねてみた。
 

 

 ◎戸沢村 幻想の森http://www3.ic-net.or.jp/~nya-ju/green/gensou/gensou.htm

 立ち寄ったそば屋のJR東日本の吉永小百合のポスターにこの森が此処にあると墨書してあった。主人に道を聞いて訪ねて見た。高知・魚梁瀬の千本杉には及ばないが雪国のせいか様々に変形した杉の巨木が林立している。


 ◎酒田市 眺海の森http://yamagata-np.jp/feature/mogami_toto_12/kj_2008120800110.php
 


 旅の最後に寄ったところ。展望台に立つと目の前に「鳥海山」。感激する。
 目を転ずれば庄内平野を流れ海に入る「最上」。

 阿部次郎の記念碑があった。高校時代に繰り返し読んだ「三太郎の日記」の著者。この人はこの風景を見ながら育ったのか。
 来ることが出来てほんとうに良かった。