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甘いものと政治の話

世論調査は正しいのか?

2021-02-11 08:19:05 | 日記

2019年5月から2020年5月までにフジテレビと産経新聞が合同で計14回実施された内閣支持率などの世論調査。委託先の会社が架空の調査結果を計上していたことがわかった。まあ捏造というやつだよね。

そもそも世論調査というのはあまりあてにならないなーと個人的には思っている。

なぜかと言うと、調査会社が用意する答えの選択肢によって、結果に与える印象は変わってくるからだ。例えば、ある設問に対して「はい」と「いいえ」しか用意されていなかったら、どっちかを答えなければならない。ひとの考えは多種多様。それを二択に収めようとしてしまうのは危険なことだと思う。

世論は操作されやすいものでもある。テレビやインターネットの情報があふれ拡散される今は、特に「多数の声」に目がいく。するとどうしても「多数」の方へ引きずられていってしまう。しかし多数が正しいとは限らない。

さて奇しくも、森喜朗東京オリンピック・パラリンピック組織委員会会長の女性蔑視発言が国内外で批判を浴び、共同通信の調査では、森会長が「会長に適任か」との質問に「適任と思う」と答えたのは6.8%。「適任とは思わない」は59.9%と過半数を超えた。別の世論調査では8割近くの人が「会長を辞任するべき」との結果もでている。

この世論調査は「正しい」のか

個人的には森さんは辞めるべきだと思うけど、このことは森さんだけの問題ではないというのもわかってきた。

日本の経済界のトップである中西宏明経団連会長(日立制作所会長)は「日本社会にはそういう本音が正直あるような気もしますし、こういうのをわっと取り上げるSNSっていうのは恐ろしいですね。炎上しますから」と笑いながら述べたことも報道されている。自民党からは依然として森さんを擁護する声が多い。権力をもっている人たちがこういったことを容認しいている。

国際オリンピック委員会(IOC)は当初「森氏は謝罪した。解決した」としていたが、批判が止まない国際的な「世論」を受け、森氏の発言は「完全に不適切」と軌道修正をしてきた。東京オリンピック・パラリンピックのスポンサー企業からも「批判の声」がでてきている。現役のアスリートからも勇気ある「批判の声」がでてきている。

「世論」は物事を変える力がある。それだけにそれを数字で表す「世論調査」は注意してみないといけない。そしてひとつの問題や数字以外にも隠れているものがあるということもみていかないといけない。

数字に振り回されずに、「真実と正義」を見つけ出すのはやはり自分自身なんだよね。