あ ど れ な り ん

主にブルベを中心に趣味と日頃の鬱憤を晴らすために書こうと思います。

COBBサドル 超短期レビュー

2018-01-15 22:26:01 | 自転車
最近はどのサドルに乗っても違和感を感じてしまう。
自分はロールスのようなクラシックな形状でかつ後ろが幅広の形状が合うと思っていたが、
接地面積が大きいのはどうにも不快だ。
特に座骨付近の座面が広いと動きを妨げられている気がしてならない。
更にサドルを購入する前にいろいろ試してみようと思い、
東京は武蔵小山にあるハイロードさんでCOBBのサドルをレンタルした。
超簡単にレビューする。

JOF FiftyFive

店主おすすめ(多分)。ノーズレス、二股、ノーズ断面が逆台形と、とても個性的。
パッドは相当腰が強いが厚めなので底付き感はない。

最初は全く合わず、トライアスリートはこんなの使っているのかと驚いた。
JOFとは、Just Off Frontの略で、ω(たまたま)がサドルの先に出た状態で座れることを意味するらしく、
最初は必死にその位置で座ろうと努力した。
ノーズの二股のところは坐骨と恥骨結合の間で乗る感じになると書いてあったので、それに合わせて骨盤の傾きなどを調節するが、
ノーズの形状が微妙で、デリケートエリアこそ痛みはないものの違和感が強く、これで長距離はとても考えられなかった。
また、普通のサドルのように座ると座面全体がすり鉢状にへこんでいるように感じられる。
こんなふうに感じられるサドルは初めてで、これも違和感が有った。
さらに一般的なサドルは足を踏み込んだ時に太腿の邪魔をしないよう"えぐれ"が有るため、
サドルの後方が大きく膨らんだ形をしているのが普通だが、このサドルにはそれが無いので
後ろの方に座ると腿の裏が当たってペダリングに支障が出てしまう。
借りてきて数日はどこに座っても違和感が有るという状態だった。

どうしたものかと思っていたが、唯一前後の真ん中ら辺に座ると丁度竿とωが納まる箇所が有りこれが突破口になった。
全体がすり鉢に感じられるが、そこに裏筋近辺の肉を力を抜いて入れる感じにする。
その場所で深いTTポジションを取るとどこも痛くない。
さすがトライアスロン向けのサドル。
最初はサドルを下げないとダメなのかと思っていたら、実は逆で、今までのサドルよりも上げたほうが良かった。
そして骨盤は前に寝かせる。
前の方に座ると言っても、今までのサドル位置に比べたら少し前程度で良かった。
この様な特性が分かる(体で感じる)と不思議とお尻がサドルと合ってきて、
回しやすく、痛みも出にくいところで乗れるようになってきた。
普通は慣れないサドルに乗るとどこかしら痛くなるものだけど、このサドルはそれが殆どなかった。
(もちろん、全くゼロという訳では無い)
特に足を止めている時は、fizikのAlianteVSの様な収まりの良さ、気持ち良さがある。
この様に気持ちの良い箇所が有るということは、セッティングが合えば快適に乗り続けられる前兆だ。
後方が少しせり上がっているのでこのような快適性が有るものと思う。
一方、ノーズに掛けてはフラットなので前後に動くゆとりも有るというところはAlianteVSと大きな違い。

パッドは先に書いたように厚めだけれど、実は微妙な形に整形されており、
そのことによって恥骨から坐骨にかけての骨とその周りの筋肉や皮膚の圧迫を避けて痛みが出にくくなっているようだ。

うーん実に良く出来たサドルだ。
かなり時間を掛けたので結構良いポジションを見つけることが出来た。
その中で唯一気になるのがノーズの形と太さ。
特に太さはとても微妙で、ωの付け根と腿の付け根に有る柔らかい皮膚を時々挟んでしまい不快だった。
これはさらなるポジション調整を行うとともに、クリームを塗ることである程度回避できるかもしれない。

重さと値段は残念だが、このサドルなら、サドルが前に行き過ぎてポジションが出ない問題や、
サドルが低過ぎてシートチューブにアタッチメントが付けられない問題が解決出来る。
これは次期サドルの有力候補だ。

JOF Randee

名前の由来はランドナーから。
FiftyFiveの後発製品。
見た通り、だいぶ普通のサドルに寄った形になっている。
この製品は実はバージョンが有り、Ver1はパッドが硬く、Ver2はパッドが柔らかい。
触った感じは全く違うと言って良い。
借りたのは硬い方。
ベースが撓るようにできているが、パッドが硬すぎたのかもしれない。

乗り方、ポジションはFiftyFiveと同じだったので直ぐに良いポジションで乗ることができた。
しかし、座ってみると穴の大きさ以上に便座に座っている感じが強い。
すり鉢状の物に収まる感じといえば良いだろうか。
穴が巨大なためデリケート部分全体はリラックスできるが、
溝と穴の形状に沿って線状に体重が掛かり、体重が乗る位置も外側過ぎるのでそこが不快だった。
ノーズは溝の両壁のトップの形状が若干尖り気味なので、そこに体重を乗せると裏筋の両脇に刺さる感じがあり、
裏筋こそ痛くならないものの、長時間の登りでは痛くなってしまうかもしれない。
溝のないサドルよりは遥かにマシだとは思うが、微妙と絶妙の中間くらいの印象。
ノーズ幅はFiftyFiveより若干狭い設定だがノーズの根本付近で皮膚を巻き込んでしまう現象も変わらなかった。
今回のテストサドルは硬いパッドなので、パッドが柔らかければノーズの刺さる感じはかなり解消されると思う。
全体的な形状は伝統的なサドルとほとんど変わらないので、ペダリングには全く支障がなかったが、
総合的にはFiftyFiveが有るならこれは必要ないという結論に達してしまい、早々にテストを止めてしまった。

ちょっと困ったのは2つのサドルともサドルトップ(座面)とレールが並行で有ること。
TT&トライ系のサドルはそういうものというのは知らなかった。
特殊な使い方をするシートポストでは対応しない物もあった(詳細は割愛)。

FuftyFiveとRandeeはもちろん個別のサドルだけど、元のコンセプトや成り立ちは近いもののはず。
実際、乗車ポジションもほぼ同じだった。
にも関わらず、快適性は大きく異なっていた。
溝と穴開きでは大きな隔たりが有るということを改めて実感した。

最初は異様に見えて拒否反が強かった二股サドルも見慣れてきたし、
乗りこなせそうと思うと、サドルを見ただけでテンションが上がるんだから
自分も現金な人間だ。


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