十七年めの萬座

ついにこの日がやってきました。過去にも10月8日になるとご紹介してきましたが、本日は我が家の甕熟成泡盛をチェックする日です。今日で我が家の「萬座」三升甕は17年ものになりました！　1年が過ぎるのなんてあっという間ですね。さてさて、さらに1年が経過した今年の「萬座」は、どんな感じになったのでしょうか。

1年ぶりに甕を開けると、以前ほどではないにしろ、昨年同様に蒸れたパインを思わせる清々しい香りがすっと立ち上ります。カビ臭さはまったくありません。ちょっとホッとしつつ、甕の口を巻いてあるラップを交換します。そして、ここのところお気に入りの「てぃぬひら工房のカラカラ」に約100cc弱を移して、再びラップをぐるぐるに巻いて密閉し、年に1度の儀式はおしまいです。

このあとクルマを運転する用事がないことを確認して、ちっちゃなおちょこに注いでテイスティングしてみました。

アルコールの尖った香りはほとんど感じることなく、萬座らしい甘く芳ばしい香りは17年目でも健在。口に含むと「ああ、古酒ってすごいな」と思わせるお米のニュアンスを含んだまろやかさが広がり、長い長い余韻が特徴的。これは昨年にも書いた表現ですが、常温ストレートでちびりちびり味わうと相変わらずの甘みと苦みの一体感が押し寄せてきます。

毎年、こうやってテイスティングしてきましたが、確実に変化の速度がゆっくりになってきているようです。我が家の萬座は、熟成S字曲線の最後のカーブを曲がり終えたあたりに位置しているかの熟成感です。おそらく1年後もほとんど変化なく同じような味わいが予想されます。来年あたりは、少しでも仕次ぎをしようかなと思い始めています。いきなり一般酒を注ぎ足すわけにもいかないので、差分少なめの10年ものあたりを少しだけ仕入れることになるのでしょうか。今回抜いた分は、あと小さいおちょこで2杯ぶんぐらいありますので、ちびちび舐めながらもうちょっと真剣に検討しようかな、と。

また来年のこの日を楽しみにしつつ。家族全員が、健やかに来年の今日を迎えられますように！

2006年10月8日のエントリー「十六年めの萬座」
2005年10月8日のエントリー「十五年めの萬座」



＜新書版「泡盛なかゆくい」。「泡盛の楽しみ方がわかりました」と評判です。ぜひお手元に1冊どうぞ＞