泡盛なかゆくい

第一期・泡盛マイスターがお届けする、沖縄やアルコールに関する日々雑感。

忠孝の南蛮荒焼甕

2010年05月02日 | 泡盛
久しぶりに昔の沖縄旅行のデジカメ写真を眺めていたら、2007年12月に沖縄本島を訪れたときの写真たちに遭遇しました。勤めていた会社を退職することになって、有給休暇の消化で2週間ほど沖縄に滞在したときの写真たちです。このときは泡盛周辺学の住職さんと、カラカラとちぶぐわ~の長嶺哲成さんが、私をあちこちの酒造所見学に連れていってくださって、泡盛マイスターとして非常に有意義な旅をすることができたのでした。

この写真は忠孝酒造を訪れたときのもの。ご存じの方も多いと思うのですが、忠孝酒造さんは泡盛だけではなく、甕も自前で製造しているという希有な酒造所です。当時のメモには、酒造所のある豊見城の土を使っている、と書き残されていました。収縮性が高い土で、焼く前後で大きさがかなり違ってしまう、という解説を聞きながら、シャッターを押した1枚です。左が成形したもの、右が焼いたものです。まるで五升甕と三升甕の差ぐらいありそうな感じですが、焼きの時点でどれほど縮むのか、というのが非常によくわかる写真です。しっかりと収縮することで、長期保存が可能な漏れない甕が焼き上がるというわけです。

忠孝酒造の甕は、ガス窯で焼かれていました。焼物の窯は、登り窯みたいな壮大なものもあれば、電気窯みたいな個人宅でも扱えるものまであります。見学時のメモによると、泡盛の甕の場合、かなりの高温で焼き締める必要があり、強いては温度の微妙なコントロールが肝要であるため、忠孝酒造ではガス窯を採用している、と書いてありました。

忠孝酒造の南蛮荒焼甕は見た目にも非常に美しく、五升甕などをお店で見かける度に「欲しいなぁ」と羨望の眼差しを向けてしまいます。43度の5年古酒が詰まって、銀座のわしたショップなどで6~7万円で売られているのを見かけます。手に入れるのは、夢のまた夢ですね。

実は、忠孝の一升甕は3つ前に辞めた会社で送別の品でいただいて、そのまま寝かせています。考えてみれば、いただいた当時(2005年)で5年古酒だったので、2010年の今年、とうとう10年古酒になってしまいました。こいつは、まだまだ寝かせておきましょう。


さて、ちょっとした近況になりますが、この写真を撮ったときに辞めた会社に今年の4月1日から帰任いたしました。いわゆる「出戻り」というヤツです。一度は辞めた私を、再び温かく迎えてくれた仲間たちへの感謝はもちろんですが、まさかの不思議な巡り合わせをもたらしてくれる「縁」にも感謝しています。どの会社で働くかではなく、誰と一緒に働くか。その大切さを気づかせてくれた仲間たちに、仕事で恩返ししていきたいと思いながら毎日を過ごしています。

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2010-05-17 17:18:39
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