いよいよ我が家の甕で寝かされている泡盛「萬座」は、二十歳になりました。
朝食を終えてから風呂に入って身体を清潔にしてから、いそいそと甕を持ち出して一年ぶりに蓋を開けてみました。
蓋部分の密閉は昨年もうまくできていたようです。やや下がった液面を確認しながら、変わらず芳ばしい「萬座」の香りが立ち上ります。さっそくテイスティンググラスに抜いてみたところ、昨年よりも粘度が増した様子。香りは決して強くないのですが、ちょっと放置してみると、甘いバニラとココア系の香りが強く感じられるようになりました。まずは香りから、最初の20年目の変化を楽しみます。
驚いたのは口に含んだ瞬間でした。衝撃的な甘みがねっとりと舌に絡み付きます。泡盛ってこんなに甘かったっけ?と自分の味覚を一瞬疑うほどの甘み。黒糖とも花蜜とも違う、ウイスキーにもない優しい甘さです。ゆるゆると喉を伝って降りていく「萬座」は、飲みくちにアルコールをほとんど感じることはありません。後からかすかに舌にアルコールがもたらす収れんを感じる程度です。口腔がぽかぽかと温まる感じを楽しみながら「この感動をしばらく楽しめるように」と、例年よりも少し多めに甕から抜くことにしました。
せっかくの20年目を大胆に(といっても、200ml程度ですが)甕から抜いたのには訳があります。
例年悩み続けたこの甕の「仕次ぎ」問題。
今年、20年目にとうとう「仕次ぎ」を行うことにしました。
甕の形状は上の方が口に向かって窄まっているわけですが、上の方まで液体が満たされていれば上下の対流が期待できると言います。区切りのよい20年目で甕の上部に残された空間を、仕次ぎで埋めることができればと考えていました。住職さんのブログ「泡盛周辺学」でも解説されていますが、定期的な仕次ぎはバニリン量増加という効果があると言いますし、次の10年を意識して仕次ぎを決意した次第です。
仕次ぎに用意したのは、萬座43度。カーミヤさんが扱っている○平(まるへい)ラベルの古酒造り用の萬座です。
今日からまた10年仕次ぎなしで泡盛を維持することを考えると、同じ萬座でも枯れた感じのものより、若く力のあるものをと思っていたわけですが、「道の駅おんな」で萬座の品揃えがよかったカーミヤさんであれこれ相談したときに勧められたことで決めました。
20年目の萬座を抜いたあとに、仕次ぎの萬座を注ぎ足し、厳重に封をしたあと私の甕は再び眠りにつきました。
このブログもゆったりと続いて6年目に突入していますが、今日から再び30年目の萬座を目指して、また毎年10月にテイスティングしていきたいと思います。
2009年10月12日のエントリー「十九年めの萬座」
2008年10月12日のエントリー「十八年めの萬座」
2007年10月8日のエントリー「十七年めの萬座」
2006年10月8日のエントリー「十六年めの萬座」
2005年10月8日のエントリー「十五年めの萬座」
朝食を終えてから風呂に入って身体を清潔にしてから、いそいそと甕を持ち出して一年ぶりに蓋を開けてみました。
蓋部分の密閉は昨年もうまくできていたようです。やや下がった液面を確認しながら、変わらず芳ばしい「萬座」の香りが立ち上ります。さっそくテイスティンググラスに抜いてみたところ、昨年よりも粘度が増した様子。香りは決して強くないのですが、ちょっと放置してみると、甘いバニラとココア系の香りが強く感じられるようになりました。まずは香りから、最初の20年目の変化を楽しみます。
驚いたのは口に含んだ瞬間でした。衝撃的な甘みがねっとりと舌に絡み付きます。泡盛ってこんなに甘かったっけ?と自分の味覚を一瞬疑うほどの甘み。黒糖とも花蜜とも違う、ウイスキーにもない優しい甘さです。ゆるゆると喉を伝って降りていく「萬座」は、飲みくちにアルコールをほとんど感じることはありません。後からかすかに舌にアルコールがもたらす収れんを感じる程度です。口腔がぽかぽかと温まる感じを楽しみながら「この感動をしばらく楽しめるように」と、例年よりも少し多めに甕から抜くことにしました。
せっかくの20年目を大胆に(といっても、200ml程度ですが)甕から抜いたのには訳があります。
例年悩み続けたこの甕の「仕次ぎ」問題。
今年、20年目にとうとう「仕次ぎ」を行うことにしました。
甕の形状は上の方が口に向かって窄まっているわけですが、上の方まで液体が満たされていれば上下の対流が期待できると言います。区切りのよい20年目で甕の上部に残された空間を、仕次ぎで埋めることができればと考えていました。住職さんのブログ「泡盛周辺学」でも解説されていますが、定期的な仕次ぎはバニリン量増加という効果があると言いますし、次の10年を意識して仕次ぎを決意した次第です。
仕次ぎに用意したのは、萬座43度。カーミヤさんが扱っている○平(まるへい)ラベルの古酒造り用の萬座です。
今日からまた10年仕次ぎなしで泡盛を維持することを考えると、同じ萬座でも枯れた感じのものより、若く力のあるものをと思っていたわけですが、「道の駅おんな」で萬座の品揃えがよかったカーミヤさんであれこれ相談したときに勧められたことで決めました。
20年目の萬座を抜いたあとに、仕次ぎの萬座を注ぎ足し、厳重に封をしたあと私の甕は再び眠りにつきました。
このブログもゆったりと続いて6年目に突入していますが、今日から再び30年目の萬座を目指して、また毎年10月にテイスティングしていきたいと思います。
2009年10月12日のエントリー「十九年めの萬座」
2008年10月12日のエントリー「十八年めの萬座」
2007年10月8日のエントリー「十七年めの萬座」
2006年10月8日のエントリー「十六年めの萬座」
2005年10月8日のエントリー「十五年めの萬座」