泡盛なかゆくい

第一期・泡盛マイスターがお届けする、沖縄やアルコールに関する日々雑感。

古酒のための甕の選び方

2005年12月29日 | 泡盛
瓶詰めでも甕貯蔵でも、保存しておくだけで熟成が進んで確実に「古酒」になる泡盛ですが、瓶と甕では特徴がまるで違ってきます。密封性の高い瓶よりも、甕のほうがより熟成が進むのはすでにご紹介しましたが、同じ泡盛でも甕の質次第でまるで違う結果になってしまうのが、甕貯蔵の面白いところ。さて、その甕はどのように選べばいいのでしょうか。これからお伝えする甕の選び方とは、私がこれまでに見聞きしたことや実際に自分が甕を選ぶときに勉強したことの「まとめ」に過ぎません。あくまでも参考程度にとどめておいてください。

まず甕は「荒焼き」である南蛮甕を選びましょう。陶器というのは、土の特性で吸水が若干ですが行われます。上焼きの土だと約5~7%の吸水率だそうですが、荒焼きだと0.2~0.4%と吸水率が極端に低いのが特徴です。しっかりと焼き締められた荒焼きの甕であれば、長期間に渡って甕が泡盛を吸いきってしまうことなく、かつ泡盛の呼吸をさまたげずにゆったりと泡盛が熟成される状態を作ることができるというわけです。荒焼きの甕でも泡盛は揮発しますので、厳密には少しずつ減ってしまいます。よい甕を見つけてお気に入りの泡盛を詰めた後、体重計に載せて重量を確認しておきましょう。毎年、体重計に載せて計れば、減っているかどうかが判ります。例えば、1年で500g以上減っているようであれば、それは問題のある甕ですので替えの甕を探したほうがいいでしょう。

甕を選ぶときに次に重要になるのが「蓋」です。よくシリコンキャップの甕が売られていますが、密閉こそ十分にできるものの、長い熟成の間に与える泡盛への影響を考えると避けるべきです。特に老化の起こりやすいビニールだとプラスチック臭が泡盛に移ってしまうことがあります。売られているシリコンの蓋の成分は見ためではわかりませんから、蓋は甕と同じ荒焼きのものを選ぶとよいでしょう。陶器の蓋を使う場合、甕との接合部分を密着させる必要があります。甕の口の部分にラップを巻いて、その口があたる蓋の部分にもラップをまいて、蓋を閉めたあとに、その上からさらにラップをぐるぐる巻いて密閉してしまえば問題ありません。私はもうさらにその上にビニールをかぶせ、紐できっちりと結わいてしまいます。かなり原始的なやり方ですが、紅型などの布をかぶせてしまうので見た目には問題ありません。密閉に使ったラップは1年おきに交換しましょう。

骨董市などでよさげな南蛮甕を見かけることがありますが、履歴の判らない甕を古酒用に使うのは怖いです。昔は、味噌や漬け物の貯蔵に南蛮甕を使っていたことがあるらしく、甕が油や塩分を吸っている可能性があります。泡盛にしか使ってなかったという野ざらしの古い甕を手に入れた人の話を聞いたことがあります。ちゃんと洗ったそうですが泡盛を入れたとたんになんとボウフラがわいたそうです。ああ、恐ろしや。やはり新品の甕を探すべきでしょう。

さて、ここで店頭で見つけた甕が、古酒向けに適切に焼き締められているかどうかを見分ける方法をば。
陶器の蓋を甕本体に軽くぶつけてみましょう。カンカンと音がするものは焼き締めが十分ではありません。十分に焼き締められた甕は、キンキンと高い金属音がします。これはひとつの目安となるでしょう。

甕から泡盛が漏れているかどうかを確認するのは簡単です。前にも書きましたが、甕ごと大きなビニール袋に入れて封をして2週間ぐらい置いてみると良いです。ビニールを開けたときに、泡盛のいい香りが袋に充満しているようであれば漏れている可能性があります。結局は寝かせ始める前に、甕に泡盛を入れて漏れるか確かめられればいいのですが、そういうことはなかなかできません。結果としては酒造所で甕に詰めて売っているものを手に入れたほうが、品質的な不安は軽減するかもしれませんね。

ちなみに古酒にする泡盛は、長期間の貯蔵に向いている43度のものを選びましょう。それだけ酒の力もあり、変質、劣化にも強いということを意味します。よい甕とよい泡盛を見つけ、時間をたっぷりかけてあなただけの古酒を育てましょう。
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香りのサンプル

2005年12月28日 | その他
泡盛マイスター取得に際し、テイスティングに真剣に取り組み始めたばかりの頃、自分が持っている「香りの引き出し」の貧弱さに、ほとほと自信を失ってしまったことがあります。例えば、テイスティング講座の途中である泡盛の香りについて「蒸れたパインの香りがしますね」と先生がコメントしたのですが、お恥ずかしながら「パインの香りはなんとなくわかるけど、蒸れたパインって、どんなんだっけ?」とか、そんな戸惑いがありました。そういう訓練をしたことがなかったのだから、あたりまえのことです。思わず帰りに近所のスーパーで、パインの香りをクンクンしてしまいました。

パインを手に香りをかいで「ああ、これはパインの香りだ」と理解することは簡単ですが、目隠しをして何かをかがされて「ああ、これはパインの香りだ」と自分の持っている香りの記憶からほじくりだすのは、慣れないとすぐにはできないものです。ワインをテーマにした「神の雫」というコミックに登場する主人公は、ものすごい嗅覚の才能を持った若者なのですが、彼は小さい頃から鉛筆とか消しゴムとか、ありとあらゆるものの香りをかいで記憶するという訓練を父親にしこまれていました。食べたことがないものの味がわからないのと同じで、かいだことがないものの匂いはわかりません。香りの勉強というものは、ひたすら訓練なのだと思います。

そんな香りの訓練をするための「香りのサンプル」が販売されています。基本的にワインの香りを訓練するためのもので「ルネデュヴァン」や「ワイナロマ」という商品があります。いずれも数十種類のワインの香りに含まれる香料を小さいボトルに詰めたもので、まさに香りの教科書です。ルネデュヴァンは、フランスの有名なワイン鑑定家「ジャン・ルノワール」が研究開発したとあり、価格もかなり高めです。ワインの香りに関するしっかりした教科書が付属していることからも、その充実度は確かなものでしょう。その一方で、ワイナロマは、日本の食品香料調合メーカーが開発したもので、ルネデュヴァンよりもお手頃なお値段で手に入ります。教科書らしきものは付属しておりませんが、試香紙に香りを移し、複数の香りを鼻の前で振ることで複雑な香りを自分で生み出しては確認することができます。つまり、アレとアレの香りが混ざったらどういう香りになるのか?というのをすぐに確認できるというわけで、ワイナロマのほうが私の目的に合致してると考えるに至りました。

そこで、自分へのクリスマスプレゼントと称して「ワイナロマ」を楽天経由で買ってしまいました。いささか自分でもやり過ぎかと思ったこのお買い物ですが、実際に手にするとますます散財感は増してきています。しかし、名称だけで香りの知らないものがこれまでにも多数あり、それがすぐに実際に確認できるというのは非常に心強い。例えば、そのうちブログでご紹介しようと思っている「アブサン」というお酒がありますが、その独特の香りは「アニスの香りが...」という表現で紹介されています。しかし、アニスそのものを知らない私には、それが理解できませんでした。ワイナロマに付属していたアニスの香りを確認して、やっとアブサンの複雑な香りのどれがアニスと呼ばれるものなのかがやっと理解できました。

香りの引き出しが増えればもっと多彩な表現を駆使して、泡盛をはじめとするお酒の香りをお伝えできることでしょう。
クリスマスプレゼントとは都合のよい理由を見つけたものだと自分でもあきれてしまいますが、うーむ、やっぱりやり過ぎたかもしれませんねぇ。
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電気ブラン

2005年12月24日 | スピリッツ/リキュール/ウイスキー/焼酎
近所のスーパーに電気ブランの復刻ボトルが売られていたので、ほとんど衝動買いで手にしてしまいました。

電気ブランは浅草にある老舗の「神谷バー」で数年前に飲んで以来です。お年を召した方々が黒ビールをチェイサーにしながら電気ブランを片手に盛り上がっていたのが印象的でした。一番最初にその名前を知ったのは、大学時代に所属していたサークルの合宿で、べろべろに酔った仲間を見た先輩が「あいつ、こないだ電気ブラン飲んだときよりも酔ってるな」とぼやいたのが最初。「電気ブランって何ですか?」と聞いた私に「うーん、なんだか整髪料みたいな匂いがする酒なんだよなー」と先輩は答えたのでした。まあ、ひどい表現ですよね。

電気ブランは、フランスから日本にワインの製造技術を初めて持ち込んだ神谷殿兵衛氏が明治15年に作ったカクテルです。お名前からご察しのとおり、神谷バーの創業者です。電気ブランは、当時は「電気ブランデー」と呼ばれていました。ハイカラなものがもてはやされるのはいつの時代も一緒で、何でも名前に「電気」がをつければハイカラなものに見えたそうです。それで「電気ブランデー」と名付けたのだとか。

ラベルを見ても材料がはっきりと明記されておらず、調べたところによれば、ブランデー、ジン、ドライベルモット、ホワイトキュラソー、ワインなどが使われているとのこと。製法は今でも秘密なのだそうです。甘い香りのブランデーと言われれば、頷くような風味です。

冷凍庫でキンキンに冷やした電気ブランを、おちょこをちょっと大きくした程度の小ぶりのグラスに注いで、私はそこにタンカレーを少量足します。電気ブランだけだとちょっと甘みが気になるのですが、タンカレーをちょっと足すだけで輪郭がはっきりしたカクテルに化けてしまいます。夜は日に日に寒くなってきましたが、風呂からあがって布団に入るまでのわずかな時間に軽く喉と胃を温めるのに最適です。
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沖縄すば

2005年12月18日 | 沖縄
住んでいる埼玉から会社のある東京あたりで美味しい沖縄すばに出会えることは、かなり低い確率だと思うことが多くなりました。昨年に比べて今年は沖縄に行った回数が少なかったので、美味しい沖縄すばを食べる機会が少なかったことも、そんな気持ちに拍車をかけているのかもしれません(滞在日数で言えば、昨年並みなんですけれどね)。

そんな沖縄すばに恋い焦れるような寒い季節になりましたが、真っ先に「ああ食べたいなぁ」と思い浮かべるのは、名護市にある「むかしむかし」のソーキすばです。私が沖縄本島だけで行った沖縄すば屋はたぶん30件以上。まだまだたくさん美味しいすば屋があるのだろうと思いつつも、ここは私のイチオシのお店です。まず麺が自家製手打ち麺で、非常に特徴的。香りがよいコシのある平麺に、鰹と豚骨ベースの出汁がよくマッチングしています。人によっては麺の湯で加減が硬すぎると思われるかもしれません。ラーメンでもパスタでも、硬ゆで麺を希望するような私にはちょうどいい硬さです。実は国際通りの裏手にある「大東そば」も麺が硬めで好きなのですが、香りも硬さも「むかしむかし」のほうがはっきり主張があって好みです。

「むかしむかし」は、名護から本部に抜ける県道81号線沿いにあります。美ら海水族館に向かう途中にあるので、機会がありましたらぜひお立ち寄りください。

沖縄伝統木灰そば「むかしむかし」http://www7.ocn.ne.jp/~mukashi/
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限定醸造第2弾「東京ブラック」

2005年12月17日 | ビール
10月にご紹介したヤッホー・ブルーイングの「18世紀のインディア・ペールエール」に引き続き、限定醸造第2弾で発売された「東京ブラック」。実は発売してすぐ11月に手に入れていたのですが、じっくりと味わっていたら12月になってしまいました。

その名のとおり、いわゆる黒ビールなのですが、国産の黒ビールの中では異彩を放っていると言っても過言ではないでしょう。一言で言えば「濃厚」。ロースト麦芽による香ばしさは、上品な口当たりと一緒に押し寄せてきます。ホップは割と控えめですが、しっかり主張が感じられるのは「よなよなエール」の系統ならではでしょうか。やわらかい苦みと甘みが絶品です。これだけ気温が低い季節になると、このような濃厚な黒ビールを常温で味わうのが楽しみになります。ギネス好きな私でも濃さ/度数ともにまったく物足りなさを感じない黒ビールを自宅で楽しめるようになったというのは喜ばしい限りです。例によって、このビールも限定醸造で550ケースのみとのこと。まだ楽天市場でオーダーできますので、興味がある方は注文なさってはいかがでしょうか。

しかしながら、ヤッホーは軽井沢にあるのですが、なぜ「東京ブラック」なのでしょうね。お月さまを見上げる力士のデザインは、個人的にかなりステキだと思いました。
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泡盛で試すデキャンタージュ

2005年12月11日 | 泡盛
お酒って楽しむために飲むものでしょう。だから、自分が好きなように飲むのが一番です。ただ、せっかく美味しく飲むのなら、いろいろ知っていたほうがもっと美味しく楽しく飲めるかなぁと、それが泡盛マイスターを目指したきっかけでした。

お酒にはいろいろありますが、ワインという世界はかなり奥深そうです。ワインについては浅い知識しかない私ですが、それでも好みのワインはしっかり選べるぐらいのことはできます。コルク栓を抜いて空気に触れるとワインの味や香りは、変化を始めます。最初の一杯と最後の一杯で、まるで違うワインになっていることもしばしば。そんなワインの世界に「デキャンタージュ」という行為があります。コルクを抜いたばかりのワインが、香りも風味がいまいちなことがあります。ワイン通に言わせると「まだ開いてないワイン」というやつです(知り合いのワイン通は「閉じかけている」という言葉も使っていました)。そんな開いていないワインをデキャンターという容器に移して、空気との接触を促進してワインを開花させることを「デキャンタージュ」と言います。「あれ?」と首をかしげたワインも、デキャンタージュの魔法で「うんうん」と頷きたくなる芳醇な香りのワインに化けたりするわけです。

そんなデキャンタージュ。私は泡盛にもしてしまいます。
この日、デキャンタージュした泡盛は、石垣島の高嶺酒造さんの「於茂登」です。だいたいは泡盛名酒会会員店舗で「高嶺」という銘柄を買うのですが、つい近所で買った「於茂登」の封を切ってみたところ、香りも風味もやや尖っているように感じました。「於茂登って、こんなに辛口だったかなぁ」と思いつつ、デキャンタージュをしてみることに。私が泡盛に使うデキャンタは、酒裡庵(シュリアン)のガラスボトルです。酒裡庵のボトルは、綿貫宏介氏と泡盛のマリアージュとも言われ、この独特のブルーは実に神秘的。那覇にある「くーすBarカラカラ」のカウンターに並んでいたボトル(中身なし)を一目で気に入って譲ってもらったものです(本当は中身入りが欲しかったんですが、お財布がかなり厳しいときだったのでボトルだけ……)。このお気に入りのガラスボトルにワインと同様「於茂登」を移し、しばらく置いてみたら、さわやかな柑橘系の香りに米を蒸したような甘い香りが加わって、まさに「開いた」感じになりました。きっとカラカラに注ぐのと対した差はないのでしょうが、1本そのまま移せてしまうという点ではまさに「デキャンタージュ」でしょう。

買ってきた泡盛の瓶そのままにラベルを眺めながら飲むのもいいですが、多少は雰囲気を変えて飲むのもいいものですよ。
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琉球泡盛「察度王(さっとおう)」

2005年12月05日 | 泡盛
少し前に泡盛卸の有限会社沖縄サンドリンクが驚くような泡盛を発売すると知って興味津々だったのですが、家には飲みきれない量の泡盛の在庫があることもあり、ちょっと様子見をしていました。いつか飲む機会が来るだろうと思っていたところ、実家の父親が手みやげで驚きの泡盛を持ってきてくれたのです。その名も琉球泡盛「察度王(さっとおう)」30度。43度の商品もあるのですが、値段がはるということで30度の方を泡盛名酒会の酒販店で買ってきたとのこと。父親は「ちょっと高い新商品」ぐらいの気持ちで持ってきてくれたのでした。

「察度王」は、新技術を使って30度の泡盛(古酒表示なし)が、10年古酒と同等もしくはそれ以上に旨く感じるとのこと。43度の方は15年古酒と同等もしくはそれ以上らしい。にわかに信じがたいのだけれど、古酒表示のない泡盛で古酒っぽい風味が感じられる銘柄もあるので、まあそういうこともあるかもしれない、などと思っていました。さっそく封を切って飲んでみることに。

まず香り。確かに古酒独特のバニリンの香りが強く感じられます。ストレートで一口。まったくアタックを感じず、すっかり角の取れた丸さに旨みが広がります。若干の苦みが感じられるものの、このひたすらまろやかな風味は、何も言われなければ8~10年の古酒だと思うかもしれません。一般酒に古酒を混ぜたのだろうか?と思いましたが、ラベル類にはそうした記載はありません。泡盛の「いい香り」はだいぶ判るようになったもののほとんど飲めない妻が、一口飲んで「これは美味しい」と少量ながらくいっと飲みきってしまうほど。みんなで「旨い」を連発しながら、ストレートの次は、ロック、お湯割りと試していたのだが、父親が「お湯とかで割るのなら、こんなに高くない一般酒で十分だね」と言うので、そうだねと頷きつつ、久しぶりに「旨い新酒に出会った」と思ったのでした。飲みきってしばらく放置したグラスの残り香を確認すると、チョコレートのような濃い甘い香りがさらに強く漂っていました。ついつい「泡盛革命」という言葉が頭に浮かびます。

サンドリンクのWebサイトによると、「察度王」は、瓶詰めのまま新酒を特殊技術により熟成を早めたとあります。この熟成技術は、株式会社リュミエリーナによるものらしく、簡単に言えばこれまで「時間経過によって進んでいた熟成」を一気に進める技術のようです。詳しい手法はわからないものの、リュミエリーナのWebサイトでワインの熟成の例を見つけたので参考にすると、

・熟成が既に進んでいるワインから「熟成目標ワイン」を決める
・リュミエリーナの特殊技術で、目標ワインの熟成データを解読。全データを完全分析し、数値化する
・この熟成情報を、新しいワインに書き込む

「ワイン」をそのまま「泡盛」に置き換えてみてもいいのかもしれませんが、何かちょっと想像を超えてしまっています。

さらにリュミエリーナのWebサイトを見ていたところ、素粒子と「成長ー老化」の関係に関する記述が見受けられます。そこには素粒子が持ついくつかの情報系から1種類を、リュミエリーナの技術で生命力を強化する働きを備えた水「理水」を開発したとあります。この理水を、泡盛の仕込み水や度数を調整するときの割り水として使用していたとしたら!?  想像は膨らみます。

こうして謎がわいてくるばかりですが、短期間で熟成が進むと言われる泡盛「察度王」が実際に目の前にあるのは事実。熟成のスピードは速いまま変わらないらしく、置いておくだけで熟成速度を落とさずにどんどん進むのだとか。しばらく定期的にテイスティングをして、熟成の変化を確認しつつ、この泡盛の秘密も追いかけていこうかと考えています(もともと理系出身なので実はこういうの大好き)。

ちなみに30度の察度王は、名護市にある龍泉酒造の名前がラベルにありました。
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沖縄県泡盛PR・普及委員会

2005年12月04日 | 泡盛
久しぶりに沖縄県酒造連合組合のホームページを見ていたら、「泡盛PR・普及委員会」なるサイトがあがっていました。
まだすべてのコンテンツが公開されているわけではないので、こんな風に紹介していいのか判りませんが、泡盛を最近知った人やこれからもっと普及させていくのに必要な基本的なことが非常にうまくまとまっている気がします。

「沖縄市場データ」などは、非常に興味深く見ることができます。生産量が右肩上がりだというのは聞いていましたが、県外出荷がここ2年で2倍にはねあがっているということには驚きました。以前は沖縄に行かないと手に入らない銘柄などがありましたが、最近は本土の酒屋で普通に買える銘柄が沖縄では見つけられないなんていう現象もこれと関係があるのかもしれません。好きな銘柄が、本土に居ながら気軽に手に入れて飲めるというのは実は喜ばしいことなのでしょうが、同じ銘柄でも家で飲むのと沖縄で飲むのとでは全然違うんだ、という意見をよく耳にしますし(私も同意)、希少性高く旨い泡盛はやっぱり沖縄に行かないと飲めない方が嬉しいような気がします。単に沖縄へ出かける理由を減らしたくないだけなのですが(笑)

2007年には酒税軽減措置が撤廃されてしまいます。また、本土大手焼酎メーカーの進出という噂もあります。泡盛酒造所は零細・小規模なところが非常に多く、実際のところ生産量の増加は大手メーカーによる寡占化の結果ではないかと見ることもできます。この数年のうちに、酒造所の垣根を越えた協業や共同化などの動きがあるかもしれませんが、酒造所ごとの個性がうまく生き残っていけるよう、酒造協同組合や連合会がこういうサイトを活用して積極的にPRしていく時期にあるのかもしれません。

もし、本土での共同貯蔵とかが始まったら、なんだか寂しい気もしますね。
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泡盛が血栓を溶かす?!

2005年12月03日 | 泡盛
泡盛や本格焼酎が血栓を溶かす効果が大きいというのは、泡盛マイスターの勉強をしているときにも習ったことがあります。
最近の焼酎ブームでにわかに注目されているこのことが、実はここ最近わかったことではなく、10年以上も前に発表した研究成果が海外で注目されたことがきっかけで、今ごろになって再び注目されているというのは意外ですね。

血栓とは何か? 簡単に言えば、血管の中で出血した部分を固めて止血し、その間に血管を修復するという役割。なので血栓がないと、止血できずに死んでしまうわけです。しかし、その役割を終えた血栓がいつまでもそのままだと血管が詰まって、心筋梗塞や脳梗塞などを引き起こしてしまいます。一長一短のこの血栓を正しく活かすためには、血栓溶解酵素の活性を高めなければなりません。もともと必要な血栓ですから、血栓を溶かす力を適正にしておく必要があるというわけです。

もともとアルコールは、血栓溶解酵素の活性を高める効果があることは世界的に知られていたのですが、泡盛/本格焼酎を飲んだ人は、ワインを飲んだ人の1.5倍、酒を飲まない人の2.4倍もの血中の血栓溶解酵素の分量になったそうです。これは香気成分の影響だという説もありますが、アルコール以外の微量な成分であるフーゼル油などが原因らしいとのこと。つまり、がっちり濾過してしまう銘柄や、甲類焼酎(連続式蒸留)は、こうした成分は失われてしまうわけですから、単式蒸留の泡盛であっても濾過をあまりしていない銘柄のほうが効果が高いということになります。フーゼル油などは、テイスティングをすると比較的わかりやすいので、より血栓溶解酵素の活性の高い銘柄を分類することは比較的容易いかもしれません。アルコール以外の成分にこの効果があるということは、アルコールを飛ばしたあとに残る成分に効果があるとも言えます。ですので、泡盛などを料理に使っても同じ効果が得られるということになりますか。我が家では、海老のフリッターなどに合わせるオーロラソースに泡盛を使います。こういうのも効果があるのかもしれません。

血栓は大事。だから、血栓を作らないということではなくて、血栓を溶かす作用を維持しなければなりません。血管が詰まる病気のいくつかはストレスが原因だと言われることが多いので、泡盛を飲んでリラックスして血栓溶解酵素を活性化させるのは実に理にかなっていると考えてしまうのは、ノンベだけでしょか。

しかし、飲めば飲むほど効果があるわけではないでしょうし、あての料理が高カロリー/高脂質だとまた別の病気になりそうですので、やはり何事も適量であることが肝要なのでしょう。やっぱり1日1合ぐらいにしておきましょう。
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