瓶詰めでも甕貯蔵でも、保存しておくだけで熟成が進んで確実に「古酒」になる泡盛ですが、瓶と甕では特徴がまるで違ってきます。密封性の高い瓶よりも、甕のほうがより熟成が進むのはすでにご紹介しましたが、同じ泡盛でも甕の質次第でまるで違う結果になってしまうのが、甕貯蔵の面白いところ。さて、その甕はどのように選べばいいのでしょうか。これからお伝えする甕の選び方とは、私がこれまでに見聞きしたことや実際に自分が甕を選ぶときに勉強したことの「まとめ」に過ぎません。あくまでも参考程度にとどめておいてください。
まず甕は「荒焼き」である南蛮甕を選びましょう。陶器というのは、土の特性で吸水が若干ですが行われます。上焼きの土だと約5~7%の吸水率だそうですが、荒焼きだと0.2~0.4%と吸水率が極端に低いのが特徴です。しっかりと焼き締められた荒焼きの甕であれば、長期間に渡って甕が泡盛を吸いきってしまうことなく、かつ泡盛の呼吸をさまたげずにゆったりと泡盛が熟成される状態を作ることができるというわけです。荒焼きの甕でも泡盛は揮発しますので、厳密には少しずつ減ってしまいます。よい甕を見つけてお気に入りの泡盛を詰めた後、体重計に載せて重量を確認しておきましょう。毎年、体重計に載せて計れば、減っているかどうかが判ります。例えば、1年で500g以上減っているようであれば、それは問題のある甕ですので替えの甕を探したほうがいいでしょう。
甕を選ぶときに次に重要になるのが「蓋」です。よくシリコンキャップの甕が売られていますが、密閉こそ十分にできるものの、長い熟成の間に与える泡盛への影響を考えると避けるべきです。特に老化の起こりやすいビニールだとプラスチック臭が泡盛に移ってしまうことがあります。売られているシリコンの蓋の成分は見ためではわかりませんから、蓋は甕と同じ荒焼きのものを選ぶとよいでしょう。陶器の蓋を使う場合、甕との接合部分を密着させる必要があります。甕の口の部分にラップを巻いて、その口があたる蓋の部分にもラップをまいて、蓋を閉めたあとに、その上からさらにラップをぐるぐる巻いて密閉してしまえば問題ありません。私はもうさらにその上にビニールをかぶせ、紐できっちりと結わいてしまいます。かなり原始的なやり方ですが、紅型などの布をかぶせてしまうので見た目には問題ありません。密閉に使ったラップは1年おきに交換しましょう。
骨董市などでよさげな南蛮甕を見かけることがありますが、履歴の判らない甕を古酒用に使うのは怖いです。昔は、味噌や漬け物の貯蔵に南蛮甕を使っていたことがあるらしく、甕が油や塩分を吸っている可能性があります。泡盛にしか使ってなかったという野ざらしの古い甕を手に入れた人の話を聞いたことがあります。ちゃんと洗ったそうですが泡盛を入れたとたんになんとボウフラがわいたそうです。ああ、恐ろしや。やはり新品の甕を探すべきでしょう。
さて、ここで店頭で見つけた甕が、古酒向けに適切に焼き締められているかどうかを見分ける方法をば。
陶器の蓋を甕本体に軽くぶつけてみましょう。カンカンと音がするものは焼き締めが十分ではありません。十分に焼き締められた甕は、キンキンと高い金属音がします。これはひとつの目安となるでしょう。
甕から泡盛が漏れているかどうかを確認するのは簡単です。前にも書きましたが、甕ごと大きなビニール袋に入れて封をして2週間ぐらい置いてみると良いです。ビニールを開けたときに、泡盛のいい香りが袋に充満しているようであれば漏れている可能性があります。結局は寝かせ始める前に、甕に泡盛を入れて漏れるか確かめられればいいのですが、そういうことはなかなかできません。結果としては酒造所で甕に詰めて売っているものを手に入れたほうが、品質的な不安は軽減するかもしれませんね。
ちなみに古酒にする泡盛は、長期間の貯蔵に向いている43度のものを選びましょう。それだけ酒の力もあり、変質、劣化にも強いということを意味します。よい甕とよい泡盛を見つけ、時間をたっぷりかけてあなただけの古酒を育てましょう。
まず甕は「荒焼き」である南蛮甕を選びましょう。陶器というのは、土の特性で吸水が若干ですが行われます。上焼きの土だと約5~7%の吸水率だそうですが、荒焼きだと0.2~0.4%と吸水率が極端に低いのが特徴です。しっかりと焼き締められた荒焼きの甕であれば、長期間に渡って甕が泡盛を吸いきってしまうことなく、かつ泡盛の呼吸をさまたげずにゆったりと泡盛が熟成される状態を作ることができるというわけです。荒焼きの甕でも泡盛は揮発しますので、厳密には少しずつ減ってしまいます。よい甕を見つけてお気に入りの泡盛を詰めた後、体重計に載せて重量を確認しておきましょう。毎年、体重計に載せて計れば、減っているかどうかが判ります。例えば、1年で500g以上減っているようであれば、それは問題のある甕ですので替えの甕を探したほうがいいでしょう。
甕を選ぶときに次に重要になるのが「蓋」です。よくシリコンキャップの甕が売られていますが、密閉こそ十分にできるものの、長い熟成の間に与える泡盛への影響を考えると避けるべきです。特に老化の起こりやすいビニールだとプラスチック臭が泡盛に移ってしまうことがあります。売られているシリコンの蓋の成分は見ためではわかりませんから、蓋は甕と同じ荒焼きのものを選ぶとよいでしょう。陶器の蓋を使う場合、甕との接合部分を密着させる必要があります。甕の口の部分にラップを巻いて、その口があたる蓋の部分にもラップをまいて、蓋を閉めたあとに、その上からさらにラップをぐるぐる巻いて密閉してしまえば問題ありません。私はもうさらにその上にビニールをかぶせ、紐できっちりと結わいてしまいます。かなり原始的なやり方ですが、紅型などの布をかぶせてしまうので見た目には問題ありません。密閉に使ったラップは1年おきに交換しましょう。
骨董市などでよさげな南蛮甕を見かけることがありますが、履歴の判らない甕を古酒用に使うのは怖いです。昔は、味噌や漬け物の貯蔵に南蛮甕を使っていたことがあるらしく、甕が油や塩分を吸っている可能性があります。泡盛にしか使ってなかったという野ざらしの古い甕を手に入れた人の話を聞いたことがあります。ちゃんと洗ったそうですが泡盛を入れたとたんになんとボウフラがわいたそうです。ああ、恐ろしや。やはり新品の甕を探すべきでしょう。
さて、ここで店頭で見つけた甕が、古酒向けに適切に焼き締められているかどうかを見分ける方法をば。
陶器の蓋を甕本体に軽くぶつけてみましょう。カンカンと音がするものは焼き締めが十分ではありません。十分に焼き締められた甕は、キンキンと高い金属音がします。これはひとつの目安となるでしょう。
甕から泡盛が漏れているかどうかを確認するのは簡単です。前にも書きましたが、甕ごと大きなビニール袋に入れて封をして2週間ぐらい置いてみると良いです。ビニールを開けたときに、泡盛のいい香りが袋に充満しているようであれば漏れている可能性があります。結局は寝かせ始める前に、甕に泡盛を入れて漏れるか確かめられればいいのですが、そういうことはなかなかできません。結果としては酒造所で甕に詰めて売っているものを手に入れたほうが、品質的な不安は軽減するかもしれませんね。
ちなみに古酒にする泡盛は、長期間の貯蔵に向いている43度のものを選びましょう。それだけ酒の力もあり、変質、劣化にも強いということを意味します。よい甕とよい泡盛を見つけ、時間をたっぷりかけてあなただけの古酒を育てましょう。