泡盛なかゆくい

第一期・泡盛マイスターがお届けする、沖縄やアルコールに関する日々雑感。

泡盛のちょっとした楽しみ方

2005年09月29日 | 泡盛
2004年に泡盛マイスターという資格をいただいた。授与式があるので沖縄まで来てくださいとの誘いを受け、そのときは有給休暇を使って那覇へ独り旅。授与式の前日に沖縄入りしたので、その夜に泡盛マイスター協会の会長のお店(Bar Dick)へふらりと寄ってみました。開店直後の時間帯だったので、きっとお客さんはいないだろうと思っていたのですが、そこにはひとり先客がいました。「きっと来ると思っていたよ」。そう言って迎えてくれたのは、泡盛マイスターで大変お世話になった先生でした。第一号泡盛マイスター誕生となる授与式を前に「ささやかにお祝いをしましょう」と、先生と二人で乾杯をすることに。

そこで教わったのが、泡盛のちょっとした楽しみ方。

シェーカーに氷を入れ、泡盛を注ぐ。あとはただハードシェイクするだけ。グラスにあけると、透明だった泡盛がたっぷりの空気を含んで乳白色のキレイなカクテルに早変わり。細氷が浮いていれば、より幻想的な感じになります。口にしてみれば、氷でよく冷やされ、かつ空気をたっぷり含んでいるせいか甘い風味が広がります。泡盛は水割りやロックで飲むことが多いですが、時間と共にどちらも氷が溶けて薄まっていきます。シェーカーを使ったこの飲み方は、シェイク時に氷が溶けてほどほどに薄まりますが、飲んでいる間にそれ以上に度数が落ちていかないのが特長です。

それ以来、ときどき家でもシェーカーを振って、このように楽しむようになりました。
このときは生のシークワーサーを絞ってみました。泡盛は「かりゆし 30度」、新酒です。家にはカクテルグラスがないのでワイングラスを代用していますが、それでもちょっと特別な気分になります。

ぜひみなさんもお試しください。
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若かりし頃のビール

2005年09月28日 | ビール
お茶の水駅から明治大学を抜け、三省堂書店の信号の手前に「エチオピア」というカレーライス専門店があります。ここは前々職時代に、私が風邪をひいたときに先輩が「風邪が一発で治るようなカレーをおごってやる」と連れていかれ、以来ずっと通っているお店です。まあ、実際には風邪が治るわけではないのでしょうが、たっぷりの香辛料で辛い料理に強い私も汗だくになって食べた記憶があります。ごろっとしたチキンがたっぷり入って、香辛料がざくざく入った辛口のチキンカレーが私の大好物です。通う度に辛さの数字があがっていきましたが、辛さ10倍にしたときに急にすべての香辛料のバランスが均衡した感じになり、私の定番は「チキンカレー辛さ10倍」です。

さて、そのエチオピアで飲めるビールが、このハートランドビールです。キリンが発売する麦芽とホップと水だけで作る素材にこだわったビールです。ハートランドビールは、明日は大学の入学式という独り暮らしの新生活の初日の夜に、アパートの近所の酒屋で買って飲んだ記憶があります。このキレイなグリーンのボトルに惹かれて手にしたのでした。入学前でまだ友達もいなくて独りでの酒盛り。まだお酒も弱くぜんぜん飲めなくて、瓶半分を過ぎたところでギブアップしてしまった記憶があります。今ではカレーのお供に軽く一瓶あけてしまうほどになりました。若かりし頃に飲んだハートランドビールの味は憶えていませんが、ドライな切れ味があるわけでもなく、ただゆるゆると喉を潤してくれるステキなビールです。週末にふらっと古書めぐりをしたりして、疲れたあたりでエチオピアでカレー食べるついでにぜひハートランドビールも味わってみてください。
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泡盛で漬けた梅酒

2005年09月26日 | 泡盛
実家に梅の木があって、季節が来ると小粒ですが梅の実が採れます。ちょうど1年おきに豊作で、思いがけず大量の梅に囲まれてしまうようなことがあります。採れた梅の実は梅干しにするというテもあるのですが、作り方が面倒だということもあり、我が家では全部の梅を梅酒にしてしまいます。

昔は「ホワイトリカー+氷砂糖」を使っていましたが、ここ数年は泡盛を使っています。この写真の梅酒は2004年に漬けたもの。昨年は過去まれにみる豊作で、一般的なレシピを無視してご覧のとおり瓶の半分は梅が埋まっているという状況です。しかもこの年は全部で3瓶になりました。泡盛は「時雨 30度」で、氷砂糖といっしょに漬けました。
1年ぶりに保管していたものを引っ張りだして、休日のお昼ご飯のときにちょっと飲んでみました。梅酒はたいてい甘くてべったりしていることが多く、水やソーダで割ったりしていたのですが、泡盛で漬けた梅酒はさっぱりとまろやかさが前面に感じられ、ストレートやロックで飲んでちょうどいい感じです。次に梅酒を作るときは、泡盛+黒糖にチャレンジしてみようと思っています。

沖縄では泡盛に果実や薬草を漬けて果実酒を作ることは珍しくなく、民間療法のひとつとして昔から親しまれているようです。梅酒の効用は有名ですが、疲労回復/風邪予防/食欲増進などですね。私が沖縄で飲んだことがあるのは、パイナップル酒とクミスクチン酒、そしてウッチン酒です。ウッチン酒は「うこん」が浸かってて、これ飲んでれば肝臓にいいなんて言われたのですが、とはいえ泡盛ですからね。効果のほどは!?
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松藤/崎山酒造廠

2005年09月25日 | 泡盛
よく行く近所の沖縄料理屋さん「沖縄料理と泡盛の店 波のうえ」で、今ボトルキープしている私の泡盛は「松藤」です。このお店のボトルは基本「八重泉」なのですが、オーナーのいっちゃんのチョイスでときどき違う銘柄がキープできます。

この「松藤」を作る崎山酒造廠は、今でこそ沖縄本島北部の金武(きん)町にありますが、創業時は首里赤田にありました。このボトルのラベルにもありますが、老麹(ひねこうじ)を使って仕込みをしているのが特徴です(老麹を使うと麹菌の酵素力が高くなります)。その深みとまろやかさと甘みは、新酒であっても古酒のような味わいです。もともとこうした風味を残すべく濾過をあまりしないようにしているそうですが、いつか無濾過の新酒を手にいれて何十年も寝かしてみたいものです。ちなみに「松藤」という名前は、初代社長の「崎山起松」氏と奥様の「藤子」のお名前から一文字ずつ取って名付けたものだそうです。

松藤を飲むときは、ロックか水割りのどちらかがおすすめです。30度の松藤を水割りをする場合、松藤と水の割合は4:1ぐらいで濃いめにすることをおすすめします。ぜひ、松藤の酒質の良さを感じながら、お米の甘みと水の旨味を堪能してみてください。
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買ってきた泡盛を開栓するとき

2005年09月24日 | 泡盛
泡盛に限らず、お酒を買って帰るときの気分は何とも言えないものです。すでに何度も飲んだことのあるお酒だと、ちょっといい気分なだけなのですが、例えば未知の泡盛を買ったときは「どんな香りがするのだろう」「最初はストレートでテイスティングしないとな」などとワクワクするものです。特に訪問したことのある酒造所の銘柄だと、想像がさらにふくらみます。

以前、何かのTV番組でBEGINのみなさんが出演されたときに、トークの途中で泡盛を出されたことがあります。銘柄は忘れましたが、新酒のようでした。未開封の瓶とグラスがそのまま出されて、BEGINのどなたかが封を開けたときにちょっとした解説がありました。「沖縄では新しく泡盛を開けるときは、最初の一杯は神様のために注ぐんです」と言いながら、瓶の蓋をさかさにしておちょこ代わりにして、最初のほんのちょっとを注いだのです。「神様、今日も美味しいお酒が飲めてありがとう」と小さく手を合わせて、それからみんなで飲むグラスに泡盛を注ぎ始めたのでした。

沖縄に住んでいる方と飲む機会はこれまでも何度かありましたが、この風習(?)を初めて見たものですから、それがどれぐらい浸透しているかは判りません。でも、私はそれを見たときに「なんてステキなことをするのだろう」と感動しました。母を突然に亡くして以来、「いってらっしゃい」と「ただいま」が必ずしも「対」でないこと、「おやすみ」と「おはよう」も必ずしも「対」でないことを日々考えるようになりました。自分がいろんなものに守られて「生かされている」のだと考えて、仕事を終えて無事に帰宅できたら「ありがとう」、寝るときも「ありがとう」と心の中でお祈りする癖がついてしまいました。BEGINのみなさんに教わってから、私の癖に泡盛を飲むときも「ありがとう」が加わることになりました。今日まで生きてこそ、このすばらしいお酒に出会えたわけですし、泡盛をきっかけにして多くのステキな人たちと知り合うことができました。

ということで、今日も美味しい泡盛が飲めて神様ありがとうございます。
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壺屋探検

2005年09月23日 | 沖縄
泡盛を水割りで飲むときに手頃な大きさの陶器のカップが欲しいと思って、壺屋を散策しました。
前夜に安里にある「うりずん」さんで泡盛を飲んだときに、いい色の陶器のカップがだされて非常に飲み口がよかったことを思い出したりして、理想の陶器を求めて壺屋をてくてく。ちょっと大ぶりのロックアイスがすっぽり入って、手になじむ程度の直径で……手頃な値段でないものかなーと。そこに現れたのが、乾燥中の陶器。頭上に板を渡されてしまったシーサーの表情がなんともいえない愛嬌でたまりません。

「ありゃ、俺たちどーする?」なんて声が聞こえてきそうです。

この日、いくつかのお店をまわりましたが途中でくたびれてしまい、理想のカップは見つけられませんでした。
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ドラゴンフルーツ

2005年09月22日 | 沖縄
少し前のことですが、沖縄のスーパーでドラゴンフルーツを初めて見たときは、ちょっと気味悪い果物があるなぁと思ったものです。何も知らずに切って食べてみれば、酸味と甘さを抜いたキウイのようでがっかりした記憶があります。
最近になって、ドラゴンフルーツにシークワーサーを軽く絞って食べると美味しいということを教わりました。そして白果肉と赤果肉の2種類があるということも(見分けかたまではわかりませんでした)。ドラゴンフルーツは生命力が強いので育てるのが比較的ラクチンなんだそうで、暑さにも干ばつにも強くて水だけしっかりあげていればどんどん生育するのだとか。これなら水やりを忘れがちな私とかでも、ひょっとしたら育てられるかも?なんて思ってしまいました。

美味しいお酒を飲みながら、美味しいおつまみを食べていると、高血圧/肥満などが忍び寄ってきます。
ドラゴンフルーツは多くのビタミンとミネラルを含んでいる低カロリー果実で、成分の効能は植物繊維で便秘の改善、カルシュウム・リン・鉄で貧血予防に、ビタミンB1・B2・B3で食欲増進、コレステロールを下げたり、血糖値を下げる効果と免疫を高める効果があるそうです。美味しいお酒をいつまでも飲めるように健康維持を考えたら、ドラゴンフルーツはどんどん食べるべき果物と言えるでしょう。

もちろんシークワーサーを軽く絞るのも忘れずに。
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日本最南端にあるビールサーバー

2005年09月21日 | ビール
ちょっぴり「なかゆくい」して泡盛以外のお話を。沖縄でビールといえばオリオンビール。個人的にはエール系のビールが大好きなので、もともとオリオンビールはそれほど……という感じでした。しかし、沖縄で飲むオリオンビールは間違いなく旨い。一度、家に買って帰って飲んでみたら、やはりそれほど……でした。お酒は、その土地の気候で飲むのがやはり旨いということの現れでしょうか。しかし、そんなことを書いてしまうと、本土に住む私が泡盛についてあれこれ書くのもどうか?というオチになってしまうので、それはさておき。

この写真は日本最南端にあるビールサーバーです。波照間島にある「パナヌファ」という店に立ち寄ったときに見かけたものです。じっと汗をかいてオリオンビールをひたすら飲み頃に冷やしてくれているビールサーバー。なんだかとても愛おしく見えるではありませんか。ニシ浜からてくてく炎天下を歩いてこの店にたどり着き、まっさきに頼んだのはオリオンビールだったことは言うまでもありません。ジョッキを持ち上げてゴクリと小さいコップなら1杯分は軽く一気に飲んで、ひと息つく。まるで沖縄の空気を一緒に飲んでいるかのような気分です。その透明感からマイルドなビールを連想するのですが、しっかりとコクが感じられます。鼻腔をくすぐるようなホップの香りが余韻として感じられ、心地よさが増してきます。

きっと今この時間も波照間島では、このビールサーバーが多くの人の喉を潤して幸せな島時間をプレゼントしてくれていることでしょう。
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久米島の久米仙

2005年09月20日 | 泡盛
泡盛酒造メーカーの中では、おそらく最大規模になる「久米島の久米仙」は、もっともポピュラーなのでご存じの方も多いと思います。他酒造所に比べて圧倒的な生産量を誇りつつも、クオリティが安定しているあたり、泡盛づくりも工業化が進んでいるということでしょうか。とはいえ、甘い穀物香がこれほどピュアに感じられる泡盛もあまり多くなく、名水の旨さがなせる技であることも忘れてはなりません。

この写真は、久米島に行ったときにスーパーで買ったカップ泡盛とつまみ、あとおまけで買ってみたヤギミルクです。
この久米島の久米仙は、最初から13度に割ってあるので実にお手軽です。また180mlで飲みきりなのも都合がいいです。頭ではわかっていても、これを飲んで初めて、割る水の旨さがとても重要なファクターであることを実感しました。旨い泡盛はのびが効くと言いますが、13度でもしっかりと感じる風味と香りに久米島の久米仙の実力を見たような気がします。いわゆるカップ酒ですが、私個人的にはかなり感動しました。外でバーベキューすることがあったら、これをクーラーバックにいれて持っていけば手軽に美味しい泡盛が楽しめますね。そろそろアウトドアシーズンですから、重宝することでしょう。
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刺身とコーレーグース

2005年09月19日 | 泡盛
泡盛と一緒にお刺身を食べることも多いと思います。本土にいると沖縄のお魚を刺身で食べられる機会は少ないのですが、お刺身は割とどんなお魚でも泡盛に合います。普通、お刺身を食べる時は、わさびと醤油が定番アイテムだと思います。私はわさびを使わずに、醤油にコーレーグースを少量たらして、それを刺身につけて食べるようにしています。これが実に旨いんです。ピリリと辛みが加わった醤油とお刺身、もちろん沖縄のお魚だったらもっと最高です。泡盛好きな人は、きっとこれをやりだすとやみつきになりますので、ぜひ試してみてください。

ちなみにコーレーグースというのは、泡盛に島とうがらしを漬込んだもので、沖縄すばとか、ちゃんぷるーとかに振りかけて食べます。漢字で書いたら、高麗胡椒。沖縄料理屋さんでは常備品です。蕎麦とかうどんたべるときに七味を振ったり、スープに胡椒を振ったりするのと同じ感覚で使うのですが、とにかく尋常じゃなく辛いのが特徴です。ほんのちょっと垂らすだけで十分な辛みになるので醤油に入れるのであれば、ほんの数滴ぐらいにしておくのが良いでしょう。

ちなみに写真のお刺身は私がよく行く沖縄料理屋さんで食べた、座間味で捕れる「琉球スギ(黒かんぱち)」。脂がのっていて、醤油+コーレーグースで実にさっぱりと美味しくいただけます。このお店は、埼玉県の大宮駅東口から徒歩8分(ぐらい?)のところにある「沖縄料理と泡盛の店 波のうえ」というお店です。泡盛の揃えも良いですし、料理もはずれなく美味しいのでオススメです。
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