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5月3日(火)のつぶやき

2016-05-04 05:04:17 | 日記

キルメン・ウリベ『ムシェ 小さな英雄の物語』読了。原書はバスク語で書かれた第二次世界大戦下の語られざる英雄の物語。語るべき理由が希薄な我らの世代にも、いまがこうしてある理由を探る試みは絶えず必要で、その行いは弔いとなり未来へ通ずる。葬送こそが作家の仕事。訳行もまたしかり。


私たちは死者たちによってつながっている。死者たちが本当は何を思って死んでいったのかはずっと解けない謎でありつつ他者を理解する道筋ともなる。文学は生と死の間でこそ輝くもので、その境界を踏み越えるものなんですよね。