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sugiyukumamani

ただ かぜがふいているだけ・・・。  
  

中国の戦略的課題

2011-02-22 | 

対艦弾道ミサイル(ASBM)の開発に着手する契機となったのは
1996年の台湾海峡危機だったとみられる。
(台湾総統選挙時、独立勢力への牽制を狙って中国は台湾近海に
ミサイルを打ち込む演習を強行したが、当時のクリントン政権は、
二隻の空母を台湾近海に派遣し力で押し返した)。

これに危機をいだき、潜水艦の増強とABSMの開発を始めたみられる。
つまり、この海域で影響を拡大するにはミサイルを増やせということだろう。

米軍は2009年5月、米海軍協会が発行する月刊誌「PROCEEDINGS」の
表紙に米軍のミニッツ級空母が爆発・炎上するイラストを載せた。
その号の特集は中国が開発する対艦弾道ミサイルABSM。
説明はなかったが中国のABSMの攻撃を受けた状況を
描いたのは明らかだった。

今回の同ミサイルの配備についても「設計された飛行パターンは達成したが
なお、今後数年間はテストは続けられるのではないか」と比較的冷静だ。

米軍にとってわかっていることは中国の軍事力の能力の現状だ。
現在は、黄海、東シナ海、南シナ海などいわゆる「近海」に焦点を絞り、
外国軍の影響をできるだけ小さくするように力を注いでいる。

しかし、「その範囲を超えて全世界で活動できる軍事力を持とうとしている、
開発している能力をみれば明らかだ」。


「アクセス拒否」能力

2011-02-22 | 

中国の対艦弾道ミサイルASBM(空母キラーと呼ばれる東国(DF21D)が
第2砲兵(戦略ミサイル部隊)に本格配備と中国共産党機関紙「人民日報」系の
国際問題紙「環球時報」のなかで軍事専門家の話として伝えているという。

空母キラー(DF21D)によって米空母の東シナ海へのアクセスが阻止される
事態に「日米の安全保障の再構築が必要」とメデァは論評している。
そのことを否定するわけではないが、注目されるのは
中国が中国筋の情報として伝えたことである。

このことは何を示しているのだろうか。中国共産党の基盤は経済の発展に
よって80年代、90年代より強化されているなずである。
空母やステルス戦闘機を「秘密裏」に開発できる国内体制、
経済格差や社会問題を押さえ込んで邁進する一党独裁の支配体制なはず
である。党になにかがおきているのだろうか。

と、また本題からはずれそうですが、中国のアクセス拒否能力で
米国の戦力投射能力は低下しているのだろうか。

という、質問に対し、太平洋からインド洋までを指揮下におく
米太平洋軍のウィラード司令官(海軍大将)は

報道によると「太平洋軍の作戦行動に影響を与えていることは
まったくない」としている。

空母搭載機ステルス無人戦闘攻撃機X-47Bの初試験飛行成功と
米軍は伝える。同機は空母キラーの射程外から中国沿岸を攻撃できる。


空母キラー

2011-02-20 | 


 (画像はイメージです・本文との関連はありません)

 

中国解放軍は保有する兵器や兵力を公表しておらず、正確な実体を
把握することは困難である。核ミサイルや、対艦弾道ミサイルなどの開発
を担う第2砲兵(戦略ミサイル部隊)も秘密のベールに包まれている。

同軍の近代化のペースは規模も広範囲で徹底的なものといわれる。
中国の近代化された軍隊はいまだ実戦の機会を得ていない。

「空母キラー」と呼ばれるのは、既存の中距離弾道ミサイル(DF21)
をベースにはるかかなたの洋上の米国の空母を狙うために開発された
新兵器、ASBMのこと。

ASBMについては伝えられるように、通常の弾道ミサイルに比べ
動く標的を追尾するように軌道を帰ることができるのが特徴といわれる。
目標に到達すると多数の子弾をばらまき、被害が広範囲に及ぶように設計
されているらしい。

空母の飛行甲板に当たればたとえ沈没は免れても飛行機のり発着は
できなくなり強大な戦力投射能力が失われるといわれる。

マッハ10というスピードでしかも軌道を変えながら落下してくるため、迎撃は
非常に難しいとされ、米国防省の報告書によると射程は「1500キロを超える」。

日本列島から台湾を通って東シナ海に至る、中国が防衛の目安にしている
ラインである。  (つづく)


海自 米空母と共同訓練

2011-02-19 | 


                         (画像はイメージです)

海上自衛隊の護衛艦「くらま」は先ごろ米海軍の原子力空母カールビンソンと
共同訓練を行い、その一部を米海軍が公表したと伝えられる。
訓練の場所は中国や朝鮮半島に近い海域で五島列島の
南西約160キロの東シナ海上。

同海域で日米間の緊密な連携を示すのが目的。米海軍から空母と
随伴艦3隻が参加。護衛官「くらま」は船団を組んで航行したり、
互いに艦上にヘリコプターを発着させたりした。

空母ではFA―18ホーネット戦闘攻撃機や
FA6Bプラウラー電子戦機などが飛行看板上のカタパルト(推進装置)を使い、
1分おきに離着陸を繰り返すタッタ・アンド・ゴーの訓練が行われた。

 

「アクセス拒否」とは、海や空などでの米軍の戦力投入を阻む能力のことだが
米軍の軍事関係者の間では一般的に、空軍・海軍力やミサイル攻撃能力を
増強させている中国の動きを指す用語とされる。

 

米海軍はこの海域での訓練について「朝鮮半島の緊張や中国の動きを受けた
ものではない」としているが「アクセス拒否」能力を高める中国への
意識もありそうだ。


中国の意図

2011-02-17 | 

アジア太平洋地域での中国の軍事力の増強はこの地域で
より大きな影響力を持ちたいとの表明だろう。尖閣事件以後の中国の
姿は領土問題で国際協調より利益、権益を同国が極めて強く自己主張
することを明確に示した。

尖閣だけではない、昨年6月,マレー半島とカリマンタン(ボルネオ島)に
挟まれた南シナ海のインドネシア嶺ナトゥナ諸島の北西沖で
中国とインドネシアの艦艇がにらみ合った。

中国の艦艇は全長100mもある白い鋼鉄製の2隻の船。船上には
大口径の複数の機銃が装備されていた。もう一方は
インドネシアの海洋警備艇。全長28mで小さな機銃1門のみ。
違法操業をしていた中国漁船に絡む事件。

南シナ海ではパラセル(西沙)、スプラトリー(南沙)両諸島でも
領有権を廻り、中国と東南アジアの一部の国が長年対立し中国の
漁船監視船が絡む事件が相次いで伝えられているという。

中国は共産党体制で独裁国家である。政策の決定過程は不透明。
「内政にはいかなる者の干渉も決して許すことはできないし、
中国は一切譲歩できない」。
中国を解放経済に導いた小平氏の言葉だ。

また、氏は「発展すればするほど謙虚であるべきで、
無思慮に他人を批判してはならない。分を超えたことをいわず、
分をこえたことをしてはならない」ともいっているが、

胡錦涛国家主席はオバマ大統領との先の会談で、
いまだ途上国であることを盾に為替問題や人権問題に一切妥協をみせなかった。
このような米中会談の姿、南シナ海の領土問題の姿、昨年の地球温暖化の
交渉会議(COP16)で途上国を従え期待された合意をつぶした姿からは
中国の意図が完全に平和だと信じられるのだろうか。

 


米軍の作戦行動に制約か

2011-02-17 | 

中国の著しい経済成長はこの10年をみるだけでも如実だ。
名目国内総生産(GDP)でみると2000年には米国の
ほぼ8分1だった中国のGDP規模は2008年には3分1までになった。

新しい時代 ― 西側の支配は終わったのか。
長く世界経済の中心にいた欧米先進諸国がアジアを中心とする
新興国にその地位を明け渡しつつあるからだ。もっとも早い交替を
予想する英銀スタンダード・チャータードのリポートは経済規模で2020年に
中国がアメリカを抜くとしている。ちなみに日本はインドに抜かれて4位とある。

この経済力を背景に中国が軍事大国への道を歩もうとしていると
いう懸念が広がっている。
中国は過去40年間でミサイル、戦闘機、海軍力、宇宙サイバー間で
戦闘能力を高めたきた。その多くは過去5年間でなされたものである。

さらに中国軍は「空母キラー」という対艦弾道ミサイルや
次世代ステルス戦闘機を開発している。

米国で4年毎に発表される国防政策の見直し(QDR)は
米軍が接近したり戦力を投入したりすることを妨げる
いわゆる「アクセス拒否」があらたな課題として浮上してきた、
としている。中国がアクセス拒否能力をを身につけつつあるというのだ。

中国の「アクセス拒否」能力が急速に伸びていることは米軍の
作戦行動に深刻な影響を与えているといわれる。

 


中東は今後どうなるのか。

2011-02-17 | 

チェニジアに続いて、中東地域大国のエジプトの体制が市民デモに
よって崩壊したことは周辺諸国に大きな影響をあたえる可能性がある。

エジプトのスレイマン副大統領はこのほどムバラク大統領が辞任し、
軍最高評議会に全権を移譲したと発表した。
では、ムバラク氏の退陣でエジプトは一件落着となるのだろうか?

オバマ米政権はムバラク政権崩壊に伴いエジプト並びにこの地域の安定化に
向けて矢継ぎ早に動いているといわれる。
米政府はこの地域が「民主化ドミノ」で混乱したり、
反米政権が誕生することを強く警戒している。

今後の展開は不透明だ。最悪のシナリオは親米だったムバラク政権に対する
反発から反米・反イスラエルというイスラム色の強い政権が出来、
イスラエルとの緊張が高まることだろう。

エジプトの混乱が深まれば米国は中東にかかりっきりなり
朝鮮半島情勢や台頭する中国への対応に十分な時間と人手を避けなくなる。
日本外交にとっては困った状況になる。
エジプトの出来事はけっして遠い国のひとごとではない。
中東は今後どうなるのだろう。

てこでも動かないといわれたムバラク政権が倒れた影響は大きい。
強権的な政治の下、国民が高失業率や食糧の不足・高騰に
苦しんでいるのは中東だけではない。

アフリカ諸国や中央アジアの旧ソ連諸国、
中国や北朝鮮も同様である。

「空母キラー」と呼ばれる中国軍の対艦弾道ミサイルに
ついて続けるつもりが回り道をしました。
「危機は世界にわが国に居座っている」がテーマと考えています。
一応そのライン上にはあるのではないかと思います。御了承下さい。


中国海軍の脅威

2011-02-06 | 

中国初となる国産空母の建造に世界の関心が集まっている。
が、中国が空母体空母で米軍と正面から渡り合おうとしているとの
見方は少ない。

米国は中国の空母保有は軍事的合理性に乏しいという
見方をしている。空母は図体が大きい分敵の攻撃にもさらされやすい。
米軍は、攻撃型原潜やイージス駆逐艦などを含めた6-10隻で
部隊を編成し、空母を守りながら作戦行動する。

効率的で迅速な指揮、統制、通信情報伝達の能力も必要だ。
今の中国にはそうした能力はまだないとみられる。
艦載機の発着技術の習得など課題も多い。

米軍が問題にするのは空母がどのように運用されるか
ということだろう。中国の著しい経済成長にともない軍事費も
2ケタ増を続け「実態は公表額の2~3倍」といわれる。
英国際戦略研究所の「ミニタリー・バランス」2010年版などに
よると中国軍の兵力228万5千人、潜水艦65隻
核弾頭4百から5百発、空母2隻予定(2014年)となっている。
中国海軍がより広域な海域を行き来できる力を
つけてきていることは間違いない。

米軍にとっての中国海軍の脅威は対艦弾道ミサイル(ASBM)だ。
ASBMははるかかなたの洋上を航海する空母を攻撃できる新兵器。
既存の中距離弾道ミサイルをベースに開発されており、
米国の空母をねらうための兵器という見方がされており
「空母キラー」と呼ばれる。

 


アジアの海で現在(いま)

2011-02-05 | 

海へ張り出す中国を象徴する事件が2006年に起きた。
中国の潜水艦が米空母の前へ浮上したが、
その距離は魚雷の射程内だった。
中国の潜水艦が活動範囲を広げれば米空母の機動部隊は
西太平洋に近づきにくくなる。

中国近海では2009年3月に南シナ海で米軍調査船インペッカブル号を
中国艦船5隻が妨害する事件が起きた。そこに、黄海では
昨年3月北朝鮮による韓国哨戒艦沈没事件。
同9年9月には尖閣諸島沖で日本の海保巡視船と中国漁船の
衝突事件が起き、南シナ海を巡る米中の確執も表面化した。

また、昨年11月、北朝鮮による韓国大延坪島発砲事件が発生。
米軍は中国の反発を押し切って黄海などに
原子力空母ジョウージ・ワシントンを派遣、中国軍も対抗するように
大規模軍事演習を繰り返し、双方が軍事力を誇示する
緊張含みの状況が常態化した。


南シナ海波高し

2011-02-04 | 

各国から「透明性」の欠如を批判される中国軍。中国の国防費は
09年まで21年連続2けた増を続けている。

ストックホルム国際平和研究所(SIPRI)は08年の中国の軍事支出を
約849億ドル(約5800億元)、米国に次いで世界2位とみている。
米国防省も08年度の実際の支出は1050億~1500億ドルとみて、
中国公表数字(600億ドル)の2倍以上と見積もっている。

かつて領土防衛のため結成された人民解放軍は海へと守備範囲を
広げている。陸地2万キロの国境線を有する中国は建国以来
陸軍重視が続いた。だが、旧ソ連が崩壊し「北」の脅威がなくなると
「東進」「南進」の余裕が出た。

04年の国防白書では海・空軍と第2砲兵(戦略ミサイル部隊)の
拡充が明記された。特に海軍の増強は著しい。
海軍の主力戦艦は80年代に比べ約5倍に、
04年から08年の4年間で水上艦艇16隻、潜水艦18隻が
新たに導入された。

空母建設の公式発表はないが、国産空母の建造計画が
進んでいるの公然の秘密だ。揚子江河口のかつてミカンの島と
呼ばれた長興島を地元の人達は「空母島」とひそかに呼ぶ。

米軍が中国の空母建造に対し、年を追うごとに関心を
深めているのは確かだ。

長期的な戦略では、海に張り出す中国軍を懸念する米軍と、
米軍を近海から締め出して「接近拒否」を進め中国軍との利害は
真っ向から食い違う。