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sugiyukumamani

ただ かぜがふいているだけ・・・。  
  

外交戦略

2011-03-02 | 

21世紀前半は地域紛争の時代になるのだろうか。
昨年9月の尖閣諸島をめぐる日中間の争いで現日本政府の外交が
厳しい批判にさらされた。以後、中国との新たな協力関係を維持する
ことも出来ない。日中間の問題だけはない。北朝鮮外交も打開できない。
日ロ関係も領土問題で後退した。

現政府は自民党前政権が米国に過剰に依存して中国を敵対視して
いるとして自主外交を掲げていたが、尖閣諸島問題や
中国の南西諸島進出で日本の米国依存はかえって高まっている。

民主党の外交は普天間飛行場問題でつまづいた。
沖縄の米軍基地負担を是正するという発言は理解できるが、
外交は国際的な規範や制約のなかできまる。沖縄県民は基地の
受け入れを拒否している。

中国の台頭や北朝鮮の挑発に直面している日米両政府は
普天間問題を切り離して「共通戦略目標の見直し」を確認し、
同盟深化に向けた協議の加速で一致している。

また、沖縄については普天間だけでなく米軍嘉手納基地に所属する
F15戦闘機の訓練の一部を米領グァム基地に移転させる合意に
ついても移転の際の費用の日本負担の特別協定の改訂についても
米側は評価するとした。

在沖縄海兵隊8千人とその家族のグァム移転ではグァムのインフラ整備
のための日本側からの低利融資の枠組みが固まったことにも米側は
謝意を表した。

だが、こうした日米間での協力を進めても従来の「対米依存」という
外交戦略なら普天間移設が進まなければ同盟深化の
実効性はおぼつかないだろう。

防衛大綱では「中国の海洋進出を念頭に南西諸島の防衛力強化」
を打ち出している。これは東アジアでの米国の影響力が低下し
多極化に向っていると認めている。ならば新しい環境を
踏まえた政策を打ち出すべきだ。


離島管理に本腰

2011-03-01 | 

中国近海には500平方㍍以上の離島が6900余り。
それより小さい離島は1万以上ある。中国が離島の生態系や
資源開発などについて定める「海洋保護法案」を
中国全国人民代表大会(全人代)常務委員会で
はじめて審議したのは2009年だ。
東シナ海や南シナ海で海洋権益を守るのが狙い。

この議論がはじめて全人代でとりあげられたの2003年春、
当時の草案には「国家海洋権益と国防安全の維持」という文言もあった。
中国が東シナ海でガス田開発を本格化させたころだ。
その後全人代では法案の実質審議を避けていた。

南シナ海の南沙(英語名・スプラトリー)諸島をめぐってフィリピン、ベトナム
など6ヵ国・地域と領有権を争うなど紛争が絶えず、北京外交筋は
「胡錦濤政権としては無用な争いは避けたかったのではないか」と指摘する。

だが、建国60周年を迎えた2009年の全人代は違った。
全人代に胡北省代表の一人が出した、日本やフィリピンを名指しした
「周辺国家によるわが国の海域や離島への占拠を図る動きが顕在化している」
という建議を中国メディアが一斉に報じた。全人代環境・資源委の一人は
「国民の海洋意識を高め、わが国を海洋大国から海洋強国として転換させねば
ならない」と語り国威昂揚の一貫として位置づけた。

 

中国で外交の基本となっていたのは小平の唱えた「能力を隠して
ひけらかさない」という意味の「韜光養晦(とうこうようかい)」という方針。
この方針に代わり台頭してきたのが「革新的利益」という考え方だ。

台湾やチベットに匹敵する最重要の国益を指し、「いかなる妥協もせず
軍事力による解決も辞さないという意味だ」と中国軍関係者は説明する。

「中国は国防政策はあくまで防衛に徹するものだ、、軍は多様な脅威に対応する
能力を強化し、情報化が進む状況下で地域戦争に勝てる力を育成する必要に
迫られているとし、軍事外交を積極的に展開する」としている。

中国国家海洋局の幹部は2011年から新たに36隻の海洋監視船を建造する
計画があると明らかにしたと伝えられる。うち、1千トン以上の大型船が22隻を
占める、同局の幹部が建造計画を公表するのは異例。

 


中国の台頭は脅威か

2011-02-28 | 

「軍事的に脅威を感じる国」として中国をあげた人が32%に激増した、と
新聞の世論調査の結果にふれたが、それよりも高い数字は
北朝鮮の49%であったことを添えておきます。が、ここでは中国に
ついてふれていきます。

昨年起きた尖閣沖の漁船衝突事件の後。10月に行った内閣府の世論調査
では中国に親しみを感じない人が77,8%のぼり、日中関係についても
88.6%の人が「良好と思わない」と答えている、
昨年より33,6%も増加しており、親しみを感じる人は20%と
過去最低だった(前年より18,5減少)。

前回の「日米同盟」のなかでふれた世論調査(新聞)の結果をみると
「日本の平和と安全に大きな影響をあたえるような事態が起きる不安」
について「感じる」と答えた人は72%であった。

7割以上の人が平和への不安を感じているのが今の日本の現状。
それは大きく変わるパワー・バランスによるものだろうか。中国の台頭
低下する米国の力。国際情勢に対する不安、あるいはある種の不信感。
脅威を感じるを数字的にみれば、中国は3割超え、
北朝鮮は5割近い数字になっている。

「脅威」とは「侵略し得る能力と侵略しようとする能力が結びついて顕在化
するもの」である。

政府は、昨年暮れ2011年以降の10年間の防衛の有り方示す
「防衛大綱」を決定したが、中国の軍事台頭について
「地域・国際社会の懸念事項」と指摘して、中国の海洋進出を
念頭に南西諸島の防衛力強化を打ち出している。


軍事力

2011-02-28 | 

「・・・・第二次世界大戦後に発生した戦争はすでに数百回を超えている
のである」(広瀬隆著『クラウゼヴィッツの暗号文』新潮文庫より) 

「1945(昭和20)年、第二次世界大戦終結から1991(平成3)年までの
47年間には、およそおよそ数十日に一度の割合で戦争の幕が切って
落とされている。だが、この数百回という合計数字も、数十日に一度という
平均値も、とくに意味をもたない」(同・『同』より)。

というのはベトナム戦争は戦争の回数としてみるならば” 一回 ”としか
数えられないが、その期間は3000日を超える歳月の大戦争であった -と
作者はいい、「他の戦争も大同小異で、さまざまな戦争や紛争が重なり合い
ながら複雑に結びつき、人類は休みなく戦争を継続してきた」とする。

さらに『戦争』については「戦闘力を養成し、維持し、使用することすべてが
軍事行動であり、前二者は手段。使用こそが軍事行動の目的である」と。
長々と引用したが、では「人は何を用いて戦争をするのか」
戦争となれば敵は夥しい数にのぼる。敵を虐殺するには兵器がいる。

太平洋軍のウィラード司令官は米議会証言で「中国軍の急速な変革は
アジア太平洋地域の軍事バランスに影響を与えている」と述べている。

そして「黄海、東シナ海、南シナ海などいわゆる『近海』に焦点を絞り、
外国軍の力を小さくするよう力を注いでいる。しかし、その範囲を超えて
全世界で活動できる軍事力を持とうとしていると思う。
開発している能力をみれば明らかだ」。

中国の上空2万6千マイルにある巨大なレンズが中国全土を監視し、
集音マイクがあらゆる通信を傍受し情報を集める。
アメリカのスパイ衛星スペースレーダーである。

アメリカは2006年にだしたQDRのなかで国防計画についてのべた
報告書で「中国はアメリカを攻撃する能力を持った」と規定している。

軍事行動の目的は兵器を使って敵を虐殺することである。つまり戦争という
ことだが、内戦のつづいたカンボジアでは1975年以来のボル・ポト政権下で
4年間で300万人から400万人の人が虐殺されたと伝えられる。

 


日米同盟

2011-02-27 | 

中国の経済発展、発展とともに強まるナショナリズムを背景に、
中国当局にとって主権や領土もおろそかにできぬ国益となった。
経済優先が中国に自信をよみがえらせたようだ。

中国の台頭は脅威か。懸念されるのは中国の強固な海洋政策だ。
既報の通り中国軍は南シナ海の離島の占拠計画を策定している。
その計画の内容は防衛力の排除と最新鋭の大型揚陸艦を使った
上陸が柱で、すでに計画に沿った大規模軍事演習を始めている。

中国による南シナ海の実効支配が完成すれば、南シナ海と東シナ海は
中国軍が「内海」と定める「第1列島線内にある尖閣諸島を含めた
東シナ海に重点が移ると日本外交筋はみている。

利害の衝突をどう抑え、調整していくのか外交経験の乏しい現日本政府は
果たして大国中国を相手に渡り合っていけるのか不安がないわけではない。
が、日米同盟関係を基軸としつつも、日本をめぐるこの海域の地政学が大きく
変貌していくのはまちがいないだろう。

国民は台頭する中国、そして米国との3ヵ国の関係について昨年末の
新聞の世論調査では、中国について「軍事的に脅威を感じる」人が
8%(2001年調査)、13%(2005年調査)から32%に激増している。

安保条約の維持については「賛成」が95年の64%、2005年の74%から
今回は78%になった。また、「安保条約は日本のためになっているか」という
質問では「なっている」が42%から70%になった。

安保条約に多くの人が賛同しているのは確かだが、「米国に何でも従う」とは
限らない有権者の意識が表れたのが自衛隊の海外活動だ。

国連の活動に限って認めるが59%を占めているが、国連の活動以外でも
米国の要請があれば認めるは15%しかなかった。

しかし、米国が自衛隊の海外派遣を求め、日本がそれに応じなかった
場合「日米関係に大きな影響がでる」の答えも65%に達する。

 

 


情報機能の強化

2011-02-26 | 

                            (画像はイメージです)
 長期的な防衛のあり方や規模の基本方針を示す「防衛計画の大綱」が
昨年12月に閣議決定され、その大綱の方針を踏まえ防衛装備品の
5年間の整備計画を定めた中期防衛力整備計画(中期防)も制定された。

中期防のなかの<情報機能の強化>にはこうある。「安全環境保障の変化
に伴うニーズに柔軟に対応できるよう、宇宙分野や無人機を含む新たな
各種の技術動向を踏まえ、広域における総合的な警戒監視態勢の在り方に
ついて検討、情報収集施設・機材・装置の整備・更新と機能向上に努める」。

安全保障上の変化とそれに伴うニーズとは、はもちろん、中国の海洋進出や北朝鮮
の弾道ミサイル発射などの動きであり、東アジアの安定に関心をもつ中朝監視強化
を要請している米国のことだが、菅政権は、昨年末から防衛省内で戦闘機や無人機
を使った偵察機能の強化の検討に入っているといわれる。

時期戦闘機(FX)については、中期防衛整備計画(2011から2015年)に12機を
調達すると明記された。機種選定のための総合プロジェクトチームを立ち上げ、
メーカーに求める性能や選定の基準を検討する。今秋にも機種を決め、
2012年度予算に契約費用を盛り込むことを目指す。

FXはF4戦闘機の後継機。F4は1973年に配備され現在、二つの飛行隊の
70機が防衛任務についているが老朽化が進んでおり選定は喫緊の課題とされる。
時期戦闘機の候補はすべて国外メーカーの6機種。

有力視されているのは米英などのF35,米国のFA18、欧州のユーロファイターなど
でいずれも高性能のセンサーが搭載されて「優れた偵察能力が備わっている」と
いわれる。


ISR強化を要請

2011-02-25 | 


完璧な兵器システムはない。指揮・統制、通信能力、ISR能力など
どれも欠かせない。

日米両政府は、中国や北朝鮮の軍事活動をにらみ、共通戦略を見直し
同盟深化を優先させることにしたようだ。現行の共通戦略目標が制定された
のは2005年2月。その後も中国は海軍力を増強し、南シナ海や東シナ海への
進出を拡大し、北朝鮮が核実験とミサイル発射をくり返してきた。

今回の戦略目標の見直しでは安全保障の変化に対応し日米が
共同で対処する方針を改めて示す。

米国が日本に対して「ISR(情報、監視、偵察)」の強化を求めていたことが
わかった。昨年秋から本格化した「同盟深化」協議で米側が要求したもの。
同盟における日本側の重要な役割と位置づけられる。

これまで日本には弾道ミサイル防衛に加え、巡航ミサイル防衛、ISRなどを
考える必要があるといわれてきた。特に、日本は長時間にわたって運用可能な
ISRの機材を持っていない。具体的には無人機による偵察・監視だ。偵察衛星の
足りない部分を補完するもの。

日本側の複数の外務・防衛当局者の話として米側は、特に中国海軍の
潜水艦を想定した「対潜(アンチサブマリン)」能力のの強化」を求め、
海自のP3C哨戒機について「もっと利用すべき」と指摘したという。

また、中国だけでなく北朝鮮の潜水艦に対しても自衛隊と米軍が監視を
強めることを確認した。菅内閣が決定した防衛計画の大綱でも
海自の潜水艦を16隻から22隻に増やすことが盛り込まれる。


戦略見直しで合意

2011-02-25 | 

国際政治も波乱含みとなった。「強兵抜きの富国」を達成した戦後の
日本文明は、今行き詰まり、迷走の危機を迎えている。日本再生
のための総合戦略が求められているだが・・・・・。

余談だが、政権の危機がいわれる。野党は解散を求め、予算成立のメド
もたたない状況を呈している。民主党と自民党のどちらの政権がよいか
などとそういったいったことを論ずるつもりはまったくない。民主制度に基
づいて選ばれた政権であるならば、それに国民のためによい仕事をさせ
る智恵を社会はもたなければならない。一年たたずに変わる政権では
未来を切り開く仕事などできないのではないだろうか。

日本は米国にとってアジア太平洋の不動の同盟国であった。しかし、
前鳩山内閣が普天間移転をめぐる日米合意を反古にした結果、米国の
対日信頼が低下した。

「この1年間、普天間のことばかりが云われてきたが、日米同盟はより深く
豊かなものだ」、ゲーツ米国防長官は防衛相会談後の記者会見で同盟の
重要性をくり返したと伝えられる。

中国の海洋進出や北朝鮮情勢など安全保障環境の変化を受け、日米両政府は
「共通戦略目標の見直し、再確認の作業をすすめていく」ことで一致。沖縄の
普天間飛行場移設問題を含む日米間のトゲを抜く作業も始まった。

日米が親密に協議してアジア太平洋の諸問題に対応する関係を築かなければ
ならない。日本の安全のために必要ならアメリカの力をアジアから撤退させない
日本の努力が必要ではないだろうか。


相互監視

2011-02-24 | 

「我々は中国が経済成長とともに増す責任にあわせ、国際的な舞台でより
大きな役割を果たすことを歓迎する」これは2年前のオバマ政権発足時の
大統領演説のなかの一節である。

オバマ政権は中国と戦略的な関係を築けると考えていた。
米政府のアジア担当者による協議や首脳会談を繰り返し中国との隔たり
を埋めようとしてきたが、これまでの首脳会談はその方針が楽観的である
ということを学ぶ場であったようだ。

米中関係が21世紀の世界の中心軸であるという考えは維持しつつ、中国
との期待値は下げてしまったようだ。協力可能と考えられた経済の分野では
中国は人民元問題などで米国の指示は受けず、要求に見合った注文もつ
けるという態度をみせた。

大延坪島発砲事件では中国は事態を静観し、アジアの安定よりも北朝鮮
への影響力を自国の利益と考えていることを示した。

将来の米中関係と世界秩序について「米中激突」といえば過激すぎるだろ
うが中国のパワー増大は止めようがない。米中の経済面での相互依存は
深まっているし今後も続くだろう。

だが、軍事面では相互不信は強まっている。米中の国防予算規模にはまだ
開きはあるものの、中国の軍事費は公表額の2から3倍ともいわれる。また
中国は近海への米軍のアクセスを拒む、対艦弾道ミサイルの配備や空母の
建造をすすめている。

将来的にかかれるシナリオはアジア太平洋地域で米中が不信と対立を
膨らませ不安定化していくシナリオなのだろうか、同海域での相互監視は
現在も今後も続いていくのは間違いないだろう。


軍拡スパイラル

2011-02-23 | 


                  (画像はイメージです)

中国は不確実性と不透明性が高い国である。
一方的な軍拡や海洋進出などで周辺諸国に大きな懸念を与えている。

中国の軍事力増強と中国の意図の不透明さに不安を抱く周辺諸国が
軍事力を強化している。特に潜水艦と先進型航空機の
調達ぶりに表れている。

中国海洋発展報告(2010年)によると、2009年に国産空母の建造計画を
策定し、国産の一番艦は2014年に完成する予定。
潜水艦建造も活発で現在の65隻から2025年には78隻になり、
日本、米国、オーストラリアの合計保有隻数を上回るとの予測もある。

インドネシアは2024年までに潜水艦12隻、ロシア製戦闘機180機の
調達を計画している。同様にベトナムは潜水艦6隻、戦闘機24機、
シンガポールは戦闘機35機、
オーストリアは潜水艦12隻、戦闘機100機、早期警戒機6機など
と水面下の軍拡競争が起きている。

・・・・・・・・(以下、加筆しました、2/24)・・・・・・・・・

南シナ海を管轄する中国・広州軍関係者が明らかにしたところによると
東南アジア諸国連合(SEAN)の国々と領有権をめぐって対立する南シ
ナ海で他国が実効支配している離島を奪取する作戦計画を内部で立て
ているーと伝えられる。国家海洋局ホームページでは「中国とほかの小
国との領土問題であり、十分な軍事力を見せつけて、領土問題を有利
にすすめなければならない」と主張している。