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sugiyukumamani

ただ かぜがふいているだけ・・・。  
  

エコモビリティ <10>

2010-02-15 | 暮らし
 環境にやさしい車でも普及しなければ意味がない。普及のカギはユーザー
に受け売れられる価格なのだろうか。

日野自動車は2008年度に前年度比45%増、HVのトラック・バス合わせて1400台
を販売した。小型トラックは通常のディーゼルトラックより約100万円高い、
しかし価格を50万円縮めれば燃費の節約効果で3年ほどで元が取れるーという。

いすゞ自動車は2008年には前年度比6倍のHVトラック400台以上を販売、
三菱ふそうでは、07年からHVトラックを600台以上販売している。

エンジンとモーターを併用するハイブリッド技術が作業車の分野にも広がり
はじめた。ハイブリッドシャベルの開発
コベルト建機の油圧シャベルは通常より燃費が4割以上よくなるという。
宅地造成などに使う重さ8トン級。
ニッケル水素電池の電気も動力に使うため、エンジンを低燃費の小型のもの
にできた。ただ、価格が通常機の2.5倍の2530万円。量産化できれば1500万円
まで価格を抑えられる見込みという。

 08年に初めてハイブリッド油圧シャベルを発売したコマツは、中国でも販売
をはじめ欧米市場にも投入している。価格は通常機より5割高い約1600万円だが
平均稼動時間が日本の約2倍の中国では燃料節約効果が大きく、数年で元が
とれるーという。
KOMATSU <建設機械 ハイブリッド計画>

ハイブリッド技術は、ほかにも日立建機や住友建機も油圧シャベルで採用し、
三菱重工はフォークリフトで導入している。

環境変化 (11)

2010-02-14 | 暮らし
 無条件の自由貿易は曲がり角を迎えている。環境によくない製品や活動を
制限する対策がとられているとはいえ、国境を越える問題に国家単位で対応
するには問題がある。地球規模の問題に責任を負う新しい国際社会の仕組み
が必要になってきた。

地球環境の保全のため、自由貿易に足かせをはめる多国間の環境協定も増え
てはきている。有害廃棄物の越境移動を規制するバーゼル条約、オゾン層破
壊物質を制限するモントリオール協定書、地質保全のラムール条約、野生動
物保全のワシントン条約、生物多様性条約、京都議定書などである。

関税および貿易に関する一般協定(GATT)を引き継ぐ形で95年に誕生した世
界貿易機関(WTO)では貿易の自由化と環境協定の調整を図ろうとしているも
のの議論は進んでいない。だが「加盟希望国に関税引き下げは求めても環境
配慮を問わないWTOでは自由貿易より環境が大事ということにはならない」と
限界を指摘する声もある。


環境変化 (10)

2010-02-13 | 暮らし
南米チリの首都サンディゴから南に約800㌔余り、林業の盛んな
第8州あたりで沿道に、みごとに背丈のそろったユーカリの植林
が現れる。

チリは73年に社会主義政権をクーデターで倒した、ピノチェスト軍事
独裁政権以来、公営企業の民営化や貿易自由化など経済のグローバル化
に合わせた政策を強力に進め、めざましい経済成長を遂げてきた。

40年前、わずかだった植林は、政府による植林奨励金の支払いや農産業
への優遇税制などのため200万ヘクタールに激増した。ほとんどが生育の
早い外来種ユーカリとラジアータ松。木製品や紙の原料パルプなどとし
て、米国、中国、日本に輸出されている。

米国の環境NGO「ワールド・リソース・インスティュート」によると、
チリには世界の温帯原生林の3分1があり、樹齢3千年を越えるカラマツ
など固有品種を含め130種が生育している。

外来の2種が支配的になるにつれ、環境への影響が問題になってきた。
第9州の州都テムコの北西にある人口1万1千人の村、ルマコ。
以前は10メートルほどの川幅だったが、上流の植林で流量が減り、
1メートルに満たないせせらぎになっている。小麦や牛に与えるだけの
水量はなく農業を拡大できないという。

いまや、村の面積の70%は民間企業による植林が占める。残りも林業関係者
の敷地や農地がほとんどで、人が暮らす土地は2%になった。植林による
地下水の枯渇で農業はできなくなり、この10年ほどで若者1万人が仕事を
求めて村から出て行った。

エコモビリティ <9>

2010-02-12 | 暮らし
<アメリカでは路面電車が復活>

 首都ワシントンでは市南部のボリング空軍基地と地下鉄アナコスチア駅の
間約2㌔で開通した。チェコ製の新型車両は両面ドア、低床で2,4mのスリムな
車体。2030年にかけて市内に路線網を広げる。
 
 オハヨウ州のシンシナティやコロンバスでも路面電車の導入を検討している。
自動車王国のアメリカで路面電車が見直されているのは、すでに導入済みの市で
その利点が証明されたため。

路線に接近して、住、職、商が接近した街づくりができ、人々が郊外から戻り
荒廃した都市が生き返る、自動車が減って渋滞も改善される。

なかでも、注目されるのがオレゴン州ポートランド市、かっては巨大ショッピング
センターの郊外出店で住民が郊外へ流出、市街地は荒廃し、犯罪が多発した。
2004年、市は全米に先駆けて路面電車を導入し、市街地を生き返らせることに成功
した。ワシントンの路面電車もこれに倣ったもの。

<パーク&ライドの取組み>

 都心部の渋滞の緩和や、CO2排出の削減を狙う「パーク&ライド」の取組み
が各地で広がっている。パーク&ライドとは自宅から駅などに車で出かけ、
そこからは電車やバスを使うこと。

 富山県富山市の路面電車「富山ライトレール」では、蓮町駅の専用駐車場に
ICカード「passca(パスカ)」を使って入り、このカードで路面電車に乗車、
駐車場を出る際にこのカードを使えば駐車料金が無料になる。2人以上で利用
すれば、2人目以降の富山ライトレールの往復運賃相当分をパスカのポイント
に還元。2人目以降の運賃は実質無料とするなどの実験を行った。

 また、九州自動車道の基山(きやま)PAでは、高速バスのパーク&ライドが
はじまった。専用駐車場に車を止め、福岡や鹿児島、長崎などに向かう高速バス
に乗車。乗務員からサービス券を受け取ると、駐車場の料金は48時間以内なら
200円になる。

環境変化 (9)

2010-02-11 | 暮らし
 経済成長とエネルギー消費はほとんど平行する。経済が成長したということは
より多くエネルギーを消費したということである。20世紀の経済は、原油が必要
なら供給を増やすということで対応してきた。

 だが、石油のピークアウトである。現代は情報化時代、情報のうえではすでに
ピークアウトははじまっている。しかし、問題はもっと深いところある。エネルギー
なしに経済の成長はない。今日使えば明日の分がない。20世紀とはそれを無視した
「その日暮らし」だった。だから、世間の常識を変えなければならない。

 多くの石油エネルギーが必要なハウス栽培の野菜ではなく地元産の旬のものを
選ぶようにする、ということだけでもそう簡単なことではない。車を使わない歩
いて買い物が出来るコンパクトな街づくりができるのだろうか。しかし、エネルギ
ー消費を抑制することは重要なことだ。

 前にもふれたが、わらわれの日常に影響する石油問題とは、ピークアウトである。
たえず増大していく石油需要に、供給が追いつかなくなる日のことである。その時期
はいつか?重複するが、情報のうえではピークアウトは始まっているーと書いた。
多くの専門家はその時期について予想をだしているし、その関係の本も多くでている。
だが、メデイァはほとんどそれにふれることはない。

 化石燃料に頼らない暮らし―「低炭素社会」と呼ばれる未来像―低炭素社会づくり
は国際的な流れになっているが、日本政府もまだ模索中だ。
 ただ、これらはあくまで「こうなればいい」という社会像であって「こうすれば
できる」という道筋を示したものではない。政府がどんな政策を実行するかによって
大きく左右されることはいうまでもない。

環境変化 (8)

2010-02-10 | 暮らし
<CO2の排出量を減らしながら、その間に使うエネルギーを探さねばならない>

 20世紀の経済は、原油が必要なら供給を増やす、ということで対応して
きた。それが経済成長の原理だった。ではこれ以上原油が供給できなくな
ったら成長を諦めるしかない。石油の枯渇は当然なことだが、そうした主張
には、これまでなぜか説得力がなかった。

理由ははっきりしている。考えたくないことを、人はきちんと考えないからで
ある。しかも「なくなる」という表現はよくない。一滴でも残っていればそれは
なくなったとはいえないからである。

 われわれの日常に影響する石油問題とは、石油のピークアウトである。では
その時期はいつか。多くの専門家は10年前後という予想をだしている。メディア
はほとんどそれに触れていない。

 エネルギー消費を抑制することは重要なことだ。しかし、現在言われている
クリーンなエネルギー源だが、いずれもその任は果たせそうもない。少なくとも
当面は無理だろう。

 バイオ燃料を作るだけの充分な耕作地はない。地熱エネルギーを得られるホット
スポットも限られているし、水力発電用のダムが建設できて、気候問題に対する
ささやかな緩和策をあげられる川もたくさんあるわけではない。

 反原発の環境保護者のなかにも、長年貫いてきた反原発の立場を再検討しようと
する人がでてきていることはCO2問題がそれだけ切迫してきた表れではないだろうか>

CO2の排出量は加速・・⑧

2010-02-09 | 暮らし
 <運輸部門のCO2排出は増大・・> 
2010年には普通免許保持者の4分1は60歳以上のドライバーになるという。
また、2020年にはクルマの購入者の33%が60歳以上になると推計。

「少子高齢化が産業に与える影響」のレポートによると、2010年以降は人口
減少のあおりをうけ、2010年をピークに車の市場も縮小するーとある。車の
台数は減少するのだろうか。

話を変える。運輸部門(車や飛行機から)のCO2(二酸化炭素)の排出量が、
地球全体の化石燃料による排出量の4分1近くを排出し、さらに急速に増大し
ているーといわれる。

 世界の車の燃費をリッター13㌔弱から倍の25㌔まで引き上げられるのか、
または、1年間の走行距離を1万6000㌔ではなく、8000㌔程度に抑えるように
人々を説得できるのか・・・?だが、「これまでどうりの暮らし」というシナ
リオのもとでは、今後の排出量は増えてしまうだろう。

日本のように社会全体における高齢化の比率が高まり、運転できなかったり
運転したくない人が増えてくればマイカー利用も減少するだろうが、これは
あくまで個々の国の事情。中国やインドでは今後、車はますます増えること
だろう。

 だが、まだ、誰も実用的な原子力自動車や風力自動車、あるいはソーラー
カーは発明していない。飛行機にいたってはなおさらだ。

 この問題を環境を考慮しつつ解決するには、水素を燃料とすることになる。
水素をエンジンで燃やそうが、燃料電池の中で酸化させて電気を起こそうが
そこからはCO2は発生しない。

出てくるのは水(H2O)だけだが、500km近くを走行するのに必要な水素の量を
―マイナス252度の液体にしろ、1000気圧の気体にしろ―格納できるようなタン
クを設計するのがきわめて難しいということもわかってきているのだ。


エコモビリティ <8>

2010-02-07 | 暮らし
マイカーが社会全体のなかでどの移動を担うべきかーという視点が
必要になってくるだろう。

フランスの首都パリ市はCO2削減対策をつぎつぎと打ち出している。
まずは、短時間のレンタカー、カーシェアリングの推奨だ。
カーシェアリング用の車は、コンパクトカーやEVのため多くの
自家用車よりCO2排出が減らせる。また、路面電車の復活、や
大規模なレンタルサイクル「ヴェリブ」を開始し自動車の利用削減
を狙う。自転車を積極的に活用できる背景には市内に300km以上整備
された自転車道の存在が大きい。

 米国、ワシントンDCでは、自転車の共同利用がはじまった。
市内10ヶ所にコンピュータ制御された駐輪ラックが設置され、
120台の自転車が配備されている。利用者は年会費40$の会費を
払ってカードを入手し、駐輪ラックの自転車にこのカードをかざす
と自転車が借り出せる。1回3時間までは無料、どこのラックに返却
してもよい。DCでは市民の反応をみながら最終的には自転車を
1000台に増やす予定ーという。

パリやバルセロナで始まった自転車共同利用が米国にも普及、
サンフランシスコ、シカゴ、ポートランドも検討中とか。

ちなみにモビリティとは・・・?

ドイツ、フライブルク市外・ヴォーバン地区の人口5500人の小さな町の
クルマ不要の町づくりが注目されている。この町の大半の住民はクルマ
を手放して引越しして来ており、全世帯の70%はクルマを所有していない。
クルマに代わる市民の足は、路面電車か自転車、徒歩だ。
レジャーや遠出には共同購入したクルマかカーシェアリングのクルマを
利用する。

環境変化 (7)

2010-02-05 | 暮らし
 地球が温暖化あるいは寒冷化するとき、変わるのは気温だけでなく、
海水面だけでもない。地球の水の循環全体もやはり変化し、降水範囲も
変わる。

日本は水に恵まれた国だ。雲が湧き、雨となって山に降り、雨は樹木を
育て、岩清水がコケを生む。小さな流れを集めて山肌を流れ落ちて里山
を養う。海に下った水がまた雲をつくるという循環。この循環はこの先
も続くのだろうか。

地球環境が壊れてしまった。そういう声はあちこちで耳にする。中国では
90年代の気温上昇と降水量減少で土地の乾燥化が続く。草原の退化、砂漠
化が拡大、黄河流域では30年間で70%の草原の退化が見られるという。

2007年、コロラド州ボルドーにある国立大気研究所のテヴィン・トレバース
とその共同研究者たちは「毎年、海からは473兆トンの水蒸気が蒸発している」
と計算した(『CO2と温暖化の正体』より)。

そのうち、40兆トンは陸地に移動し、そこで蒸発した73兆トンの水蒸気と合体
して113兆トンの雪や雨となる。それが、地球上のすべての陸地に均等に降るな
らおよそ、762ミリの雨になる。しかし、雨は均等に降りはしない。

環境変化 (6)

2010-02-04 | 暮らし
日本は比較的水に恵まれた国である。しかし、世界の事情はそうでもない。
オーストリアの干ばつが、日本の讃岐うどんの値段を上げた。うどんだけ
ではない、麺製品、カップ麺などのインスタントラーメンも上がった。

2006年に「100年に一度」という大干ばつがオーストラリアを襲った。その
後も干ばつが続く、そして小麦が不作になった。オーストラリアから食糧
や木材を輸入している日本にとってはひとごとではない。

IPCC(国連の気候変動に関する政府間パネル)がまとめた2007年の報告書に
よれば、オーストリアの南部・東部の大半の地域で干ばつと火災が増加し、
2030年までは農林業の生産性が下がると予測されている。

オーストラリア南部の都市、メルボルンから車で約1時間半、半世紀前にメ
ルボルン・オリンピックでボート競技が行われたウェンドリー湖。周囲6㌔、
最深部で2メートルだったという湖がひび割れ乾ききっている。

降水が少なく、植物の育成が困難な土地という切り口でとらえると、「砂漠
化」は私たちに無縁なものでなくなってくる。春になるとまもなく日本に飛
んでくる黄砂も中国北西部における砂漠化に深くかかわっているらしい。

広大なアラル湖がほとんど消失しかけていたり、アフリカで砂漠が広がって
いるーとつたえられる。