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sugiyukumamani

ただ かぜがふいているだけ・・・。  
  

低炭素時代 - 4 -

2010-04-02 | 暮らし
経済産業省のおこなっている実験は、既存の送電網の
改良という印象が強い。欧米はさらに踏み込んだ
次世代送電網も模索している。

ITと送電網、再生可能エネルギーを組み合わせ、
双方向で効率的な電力需要を狙う「スマートグリッド」
である。オバマ大統領は、グリーン・ニューデイル政策の
柱にすえているのが
この「スマート・グリッド」(賢い送電網)だ。

情報技術を活用して末端の電気機器までも効率的に制御し、
電力消費を抑える。その時々に応じて、
家電を自動的にオン・オフする。地域内で電気を
融通しあって無駄なく使う,全体の需要状況に応じて、
電力会社が家庭やビルの空調の設定温度を遠隔操作で
上げ下げする。

新型計器のスマートメーターを家庭やオフィスに置き、
電気の使用状況などを電力会社とリアルタイムで
やりとりしこうした制御を実現する。

経産省や電力業界は「日本の送電網はすでにスマート」
だとして開発には消極的といわれている。


                           

低炭素時代 - 3 -

2010-04-02 | 暮らし
中東・北アフリカ(MENA)では、
石油・天然ガス資源温存と工業化のために
長い日照時間を利用した太陽発電などが
計画されている。

中東では石油化学を中心とした産業育成・
インフラ整備に伴う電力需要を賄うため、
石炭火力発電、太陽熱発電、原子力発電などが
計画されている。

電力を相互融通すべく送電網も整備中で、
クウェートからサウジャアラビア、バーレンを
経由してカタールまでの
送電網が09年に完成、今後アブダビへの
延長が計画されている。

発電部門と送電部門を分離する制度を導入
している国もあるし、統一的なオペレーターを
置いている国もある。ヨーロッパ全体としては、
共通エネルギー市場を作る方向に向かっている。

さらに、EU主導で検討されているのが、MENA
気候と地理的有利性を活用した総工費52兆円の
太陽光発電を中心とした大規模事業だ。
50年を目標にMENA域内の電力需要を賄うとともに、
その一部をEUへ送電し欧州の電力需要の15%を満たす
壮大な計画である。

低炭素時代 - 2 -

2010-04-01 | 暮らし

太陽光や風力による発電は日光や風力の強さに左右され、
安定しない。自然エネルギーを拡大するには、補助金や
促進政策だけでなく、送電網の進化が必要といわれる。

つまり、インフラ整備だ。これまで電力業界は
「太陽光や風力などの電気は日照や風の強さに左右されて、
質が不安定だ」と大量の受け入れに及び腰だった。

自然エネルギーが増えても電気の安定供給を脅かされない
次世代送電システムづくりが急務である。

経済産業省は次世代送電網づくりための実験を
はじめたという、政府が送電網づくりに一歩を
踏み出すのは意味があるが、九州と沖縄の離島10ヶ所
ある送電網を利用し、課題を洗い出すことだという。

実験では送電網に蓄電池を組み込んで電気の質を
保てるかどうか確かめるが、既存の送電網の改良と
いう印象が強い。
自然エネルギーを飛躍的に増やすには、既存の枠に
とらわれずに、さまざまな可能性を
探らなければならない。



低炭素時代-序ー

2010-04-01 | 暮らし
「太陽は美しく輝き 或いは太陽の美しく輝くことを
希(こいねが)ひ、手をかたくくみあわせ しづかに
私たちは歩いて行った(伊藤静雄)。

太陽はいつの時代も美しく輝き、いつの時代も
ゆたかな光を注いでくれている。低炭素時代、あるいは
低炭素革命、化石燃料から自然エネルギーへの転換は
低炭素時代の柱の一つである。

世界でも広がりつつある太陽光発電と風力発電。だが、
困るのはその気まぐれだ。なかでも太陽は、雪の日、
曇りの日、太陽が姿を隠すともう頼れなくなる。

欧州連合(EU)は低炭素時代に向け再生エネルギーによる
発電比率引き上げを計画しているといわれる。
EUは05年に温室効果ガスの排出取引制度を導入して以来、
低炭素経済を推進している。

07年には新欧州エネルギー政策が発表され、09年には
気候変動・エネルギー政策パッケージがEU閣僚理事会で
採択された。最終エネルギー消費の20%を再生可能エネルギー
とする目標が織り込まれた。

それによる電力供給は水力発電を除くと20年時点での
風力発電比率が54%と過半数を占めると予測されている。

環境変化 (18)

2010-03-07 | 暮らし
COP15では、包括的かつ拘束力のある政治的合意を目指した
先進国だったが、結果はこれまでふれた通り、重複はさけ
たいと思います。COP15をどう評価するのか・・・以下は
「産経ニュース」から引用しました。

岡田克也外相は17日、メキシコのエスピノサ外相と都内
で会談し、地球温暖化問題をめぐりメキシコで11月に開
催される気候変動枠組み条約第16回締約国会議(COP
16)の成功に向け、緊密に連携していくことで一致した。

 岡田氏は昨年12月のCOP15でのコペンハーゲン合
意を「一つの成果であり賛同国を増やしたい」と強調。
COP16で「新たな法的文書を採択したい」と述べ、
京都議定書に続く法的強制力がある枠組みづくりに意欲を
示した。

エスピノサ氏は「途上国と先進国の対立ではなく、さまざ
まな利害を有するグループが参加して調整するのが重要だ」
と協力を求めた。(「 産経ニュース」より引用)

京都議定書後の各国の削減枠を決めるべくのCOP16ですが、
<概要文>に書きましたように、議長国のメキシコ環境・天
然資源省のトゥデラ次官は、はNHKのインタビューに「新た
な合意をめざすことになっていたが、現実的でない」と
答えています。つまり、合意のメドはたたない見通しーの
ようです。(了)


 *お詫びー長い休みをいただいております。
このテーマは今回で了にさせていただきます。





 

環境変化 (17)

2010-03-05 | 暮らし
<高レベル廃棄物処分場候補地>
 スエーデンは10基の原発が稼動している。使用済み核燃料を高レベル
放射性廃棄物として直接処分する方式で、その量は1万2千トンに上ると
いわれている。

日本では02年から処分事業を行う原子力発電環境整備機構(NUMO)や国が
候補地の文献調査の公募をしているがなかなか手があがらず、国からの
申し込みも実現していない。

 国内に53基ある原発からは毎年900~1000トンの使用済み核燃料がでる。
これまで約360トンが青森県六ヶ所村にある貯蔵施設に運ばれ、残りは
各原発の敷地内の使用済み核燃料置き場にためているーそうだ。

六ヶ所村の施設には、使用済み核燃料に含まれるウランの量にして3千トン分
を貯蔵できる。98年から入れ始め08年3月までに2500万トンが埋まった。09年
年度には330トンガ運び込まれるという。10年度には170トン分の余地しかない
といわれる。

スエーデン、処分の実施主体としてスエーデン核燃料・廃棄物管理会社(SKB)
が1970年に設立された。30年にわたる立地作業では、10の現地調査と8ヶ所の
事業可能性調査が必要だった。


環境変化 (16)

2010-03-04 | 暮らし
資源大国のオーストリアでウラン開発が活発化しているーと伝えられる。
世界のウラン埋蔵量の39%を占めるといわれる豪州だが、同国は原子力
発電所は持たない。国内での原子力発電所の建設についても「クリーン
で再生可能な領域で利用できる他のエネルギー選択肢があることを信じ
ている」とし、原発建設を促進しない意向を明らかにしている。

豪州で採掘されたウランは、輸出に回され、環境問題などへの配慮でこ
れまで新たな開発に歯止めがかかっていた。現在操業中のウラン鉱山は
世界最大級の規模を誇るオリンピックダムとビバリー(いずれも南オース
ラリア州)、レンジャー(北部準州)の3ヶ所。

これに加えて、南オーストラリア州のハネムーン鉱山、フォーマオル鉱山
が今年生産をはじめるーと伝えられる。さらに4~5ヶ所で操業中の鉱山の
大規模な拡張や新たな開発が相次ぎ、連邦政府の環境審査などを受けている
といわれる。

新たな鉱山開発が進む現状をめぐり、豪州国内でも様々な議論がでている。
中国やインド、ロシアでの原発建設ラッシュや温室効果ガス削減への意識
の高まりも指摘される。中国企業の「中国広東核電集団」が北部準州のウ
ラン鉱床の権益を持つ豪州の深鉱会社を買収すると発表したという。

豪州はウランの輸出相手国を核不拡散条約(NPT)加盟国に限る方針は堅持
している。中国には07年に軍事転用しないなどの二国間協定を結んだ上で
08年から輸出を始めたが、インドに対してはNPT未加盟を理由に輸出しない
姿勢を貫く。


環境変化 (15)

2010-03-01 | 暮らし
 中国は、07年に世界最多のCO2排出国になり、鉄鋼業界の排出割合も多い。
日本の先端技術で中国の排出量の増加抑制につながる可能性がある。

中国の07年のCO2排出量は60億トンとなり、初めて米国を抜き、世界一とな
った。鉄鋼部門では7億トン(06年)と中国全体の約13%を占める。中国は
10年までに国内総生産(GDP)あたりのエネルギー消費量を05年比20%削減
する目標を掲げている。

三菱化成が供与するのは、石炭をコークスに焼き上げる炉の運転制御技術。
日中政府間の省エネ環境対策の協力促進の一環で新エネルギー・産業技術
開発機構(NEDO)から受託した。

NEDOは、この技術で、中国の削減した排出枠を自国の削減分にカウントできる
というCDM(クリーン開発メカニズム)による排出枠の取得も視野に入れている
といわれる。

三菱化成の技術は、炭素室ごとのガスの温度を検知し、温度変化でコークスに
焼き上がる時間を炭素室ごとに自動判定し焼きすぎるのを防ぐ。また、炉の温度
も生産状況に合わせて調整し、燃料消費量を抑えることができるという。

CO2の排出量は加速・・⑯

2010-02-27 | 暮らし
 化石燃料が燃やされる時、発生するCO2を回収する実用的な方法は
まだ、ありません。また、大気からCO2を取り戻すこともできません。

1キログラムのCO2を回収するのに必要なエネルギーの量はそもそもこの
CO2を発生させて得たエネルギーに匹敵する量となるだろうーといわれて
います。したがって、これほどエネルギーに依存している限り、人類は
大気中のCO2の量を増加させる運命にあるのでしょうか。

化石燃料の一部をそれなりに代替しうる可能性の科学技術に原子力発電
があります。原発をCO2削減の柱に置く国は多い。国際エネルギー機関が
発表したエネルギー白書には2050年に世界のCO2を半減するには「世界で
毎年20基の原発が必要」という提案もあります。

だからといって、原子発電が問題ないとする正当な理由があるわけでは
ない。地球上にはいまでも放射性廃棄物の最終処分場はない。その、
廃棄物は何千年も危険な放射性物質でありつづけるのです。

CO2削減問題には、原子力発電を大規模に拡大する必要があると思われる
が、そうした事態はおこりそうにもありません。

CO2の排出量は加速・・⑮

2010-02-26 | 暮らし
 「未来の子供たち―我々の子孫―になにを残すか」ということが人類の
テーマになってきました。残すのは地球です。人間の生命が維持できて、
それぞれが快適に生涯を終えうる生態系をもった地球を次代に残すーと
いうことです。

 20世紀後半の文明は、大気や水の汚染ということも含めて、生存の限界
などおかまいなしに地球を食い続けようという方向で進んできました。

21世紀も10年目です。しかし、21世紀になっても人類のことのみ考えると
いうと多少の嘘がまじります。人類とはまだまだ抽象概念の域をでないか
らです。

近代国家というものは、自国の国民の幸福をもたらす機関として成立し、
20世紀後半になって多くの国家が誕生しました。大小無数の国家が、自国民
の利益を守るために地球上を横行しています。

 話を変えます。人類は化石燃料から手を引けるようになるのでしょうか。
地球温暖化を阻止するためには、化石燃料を抑制せねばなりません。地球
温暖化を防ごうというと皆、賛成するのですが、では、どこの国がどれだけ
削減というとなかなかまとまりません。

「抑制すると、わが国は国民を食わせてゆけなくなる」という意見がでてくる
のです。しかし、中国やインドなど人口の多い国が、先進国並の生活をするよ
うになったら、もう一つの地球が必要になるといわれますが、現在の科学や技術
ではそうすることは不可能なのです。