介護保険政策の究極目標 ~ 現役労働力世代を救うのは『介護休業ゼロ化』

2014-05-06 21:54:39 | 日記
今朝の朝日新聞ネット記事によると、朝日新聞が全国の主要100社を対象に実施したアンケートでは、9割が介護休業期間を法定日数より延長しているとのこと。


<記事要旨>
○育児・介護休業法は、要介護状態の家族1人につき通算93日の介護休業と年5日の介護休暇を認めている。短時間・フレックス勤務なども企業に義務。
○アンケートの結果、介護休業期間について、独自に延長している企業が84社(90%)。最長は3年でサントリーホールディングス、コマツ、三菱地所、東京ガス。2年以上3年未満も7社。最多は休業期間1年とする企業で、3分の2を占める62社。


先のブログ記事でも掲載したが、「過去5年間に介護・看護のため前職を離職した者は48万7千人」であることから、『介護離職は年間10万人』と最近しばしば言われる。親の介護は子どもが行うべきと考える現役世代の人が多いからか、要介護者の親を抱えていると職場で不利になるからか、幾つかの要因が指摘されている。

介護保険制度の趣旨は、いわば『介護の外部委託化(アウトソーシング)』を社会的に浸透させていくことだ。施行されて既に14年が経過しようとしているが、自分の周囲のことを考えても、介護保険制度の利用方法や相談窓口は案外知られていないのではないだろうか。

介護保険制度の周知も含めて、職場において介護保険制度に関するコンシェルジェのような存在を内製化するか外部委託するか、何らかの制度化が必要だろう。労働力不足社会の日本は、『介護離職ゼロ化』、更には『介護休業ゼロ化』を目指すべきだ。企業にとって必要な人材の介護離職や介護休業をゼロ化することは、産業競争力の維持と介護サービス産業の発展に資する。

もっとも、介護保険財政を慮れば、介護保険サービスの費用対効果を極力高いものにしていく改革を大胆に進めていくことも必要だ。そのためには介護保険財政の持続可能性を重視する必要がある。具体策としては、既設の設備・施設の活用を原則化することや、高校・大学の履修単位化、現役・退役を問わず介護労働ポイント制度化など、でき得る全ての仕組みを用意しておくべきである。



<資料>

(出所:総務省統計局資料

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