今日の日本経済新聞ネット記事によると、厚生労働省が高齢者向けの施設・集合住宅への訪問診療の報酬を4月から従来に比べ約7割引き下げたところ、155カ所で医師の撤退や交代が起きたとのこと。これは、一般社団法人全国特定施設事業者協議会(特定協)、一般社団法人認知症介護事業者連絡協議会(認介協)、一般財団法人サービス付き高齢者向け住宅協会(サ住協)、公益社団法人全国有料老人ホーム協会(有老協)の4団体によるもの。下の資料はその報道発表の全文。
<記事要旨>
・患者1人あたりで月に最大5万円程度だった訪問診療料を、同じ日に同じ建物で複数の患者を診察した場合は7割減額。
・多くの患者を短時間で手早く診察するといった不適切な例を改めるねらいだが、報酬減で医師の撤退が続出。
・月2回の訪問診療のうち、同じ日に患者をまとめて診るのを1回に抑え、残りは患者ごとに診察の日をずらせば、報酬を従来並みにできるとの例外措置もある。
・「医師の訪問が不規則で連携が難しい」「緊急時の往診が減った」などの使い勝手の悪さを訴える施設・住宅が3~6割。
『施設から在宅へ』というのは、政府が進める医療・介護政策の基軸になっている。そういう中での訪問診療料の引下げは政府の方針に逆行するとの批判もあるようだが、医療・介護財政全体の健全性を維持していくには許容せざるを得ない部分もある。こうした制度変更によって生じる必要な安全網の欠損は、実際の制度施行後しばらくしてからでないと表面化してこない。
赤字事業からは撤退するというのは、どの業種にも共通の、しかも当たり前の市場原理である。医療・介護とて例外ではない。そこを補填する医療・介護財政を持続可能なものにしていくには、医療・介護サービスの供給側にも需要側にも一定の合理化努力が必須だ。今まで過剰感のあった一部のサービス慣行を是正していかないと、全体が迷惑する。これも、医療・介護とて例外ではない。
<資料>
(出所:http://www.tokuteikyo.jp/images/register/news1106_1.pdf)
<記事要旨>
・患者1人あたりで月に最大5万円程度だった訪問診療料を、同じ日に同じ建物で複数の患者を診察した場合は7割減額。
・多くの患者を短時間で手早く診察するといった不適切な例を改めるねらいだが、報酬減で医師の撤退が続出。
・月2回の訪問診療のうち、同じ日に患者をまとめて診るのを1回に抑え、残りは患者ごとに診察の日をずらせば、報酬を従来並みにできるとの例外措置もある。
・「医師の訪問が不規則で連携が難しい」「緊急時の往診が減った」などの使い勝手の悪さを訴える施設・住宅が3~6割。
『施設から在宅へ』というのは、政府が進める医療・介護政策の基軸になっている。そういう中での訪問診療料の引下げは政府の方針に逆行するとの批判もあるようだが、医療・介護財政全体の健全性を維持していくには許容せざるを得ない部分もある。こうした制度変更によって生じる必要な安全網の欠損は、実際の制度施行後しばらくしてからでないと表面化してこない。
赤字事業からは撤退するというのは、どの業種にも共通の、しかも当たり前の市場原理である。医療・介護とて例外ではない。そこを補填する医療・介護財政を持続可能なものにしていくには、医療・介護サービスの供給側にも需要側にも一定の合理化努力が必須だ。今まで過剰感のあった一部のサービス慣行を是正していかないと、全体が迷惑する。これも、医療・介護とて例外ではない。
<資料>
(出所:http://www.tokuteikyo.jp/images/register/news1106_1.pdf)