くつろぎ日記

ストーリーとセリフに注目したドラマレビューです。

弁護士のくず 第10話

2006-06-16 18:03:53 | 弁護士のくず

加藤先生のセリフが光りました。

  「罪は罪として被告人が罪に合った刑に処せられるように力をつくしたと

   自信を持っています。その自信を持てるように弁護するのが弁護士として

   被告人が犯した罪に向き合うことだと思っています。」

女性としてレイプした犯人を弁護することは本来ならやりたくない仕事でしょう。

けれど依頼された以上、依頼人に添うのが鉄則。やみくもに減刑嘆願ではなく罪は

罪として、被告人の犯した罪に向き合うことが被害者に対する姿勢だという加藤。

*****************************
オープニングは安名場埠頭での乱闘。車を壊されるシーン。

通報する人。逮捕された岡部省吾。


くずと美月は正当防衛について話しています。掃除をしている時に男の子が箒で殴

りかかってきた。けれど殴られる前に美月が殴った。正当防衛が成立するのに

先に手をだした美月が不利な扱いを受けているという話でした。

この前ふりがそっくり今回のストーリーへと展開されていきます。


本日の依頼者。逮捕された岡部省吾の恋人、赤地杏理。カップルで、安名場埠頭

にて夜景をみていたところに大学生三人に絡まれた。岡部は先手攻撃をしかけ

三人をつぎつぎ殴打し、鍵を出せというのに出さないので車を壊したという。

しかし、正当防衛が成立するはずだという強い主張で訪れたのでした。

 

状況は岡部に不利で、絡んできた3人は名門と呼ばれる大学の学生。ただ勘違いし

てならないのは大学は名門でも、そこで学ぶ人が名門というわけではないという事。

つい先入観がわきますからね。一方、岡部は高校中退で補導歴があり、切れると

手が付けられないという情報があるようです。限りなく岡部を黒くしています。


岡部との接見は武田にとってはますます分が悪く見えます。状況説明をすると、

 「じゃあ、どうすればよかったんだよ。あのままやられていれば・・・」

このセリフに、くずの眉がピクッと反応しました。警察の調書を鵜呑みにする武田は

被害者に同情的で、岡部には示談をすすめ、減刑を求めた方が彼のためだと

主張しています。しかし、くずは普通のケンカではないことを見抜いていたのです。

杏理によるとやりすぎたかもしれないけれど先に絡んできたのは向こうだと言う事。

岡部は試用期間だったのが首になったということで、結婚を許してもらえるはずだっ

たのが先行きが暗くなったという杏理。くずは部屋の中の一点を見て、正当防衛で

無罪を主張してみるかと請け負いました。武田が制止するのを振り切って。


大学での被害者との面談。三人の包帯など傷の手当てが痛々しい。怪我のせいで

試合に出られなくなった。また顔の傷がひどいせいで就職活動もとい面接にいくこと

ができないと言います。ひたすら謝ろうとする武田に対してくずは当然の疑問をなげ

かけていました。就職活動で大事な時期になぜ部活をサボって夜景なんぞを見に

行ったの?だいたい、ああいうところには女の子と行くものでは?


通報した目撃者に聞いてみると初めはカップルが三人組に囲まれていたということ

をききだしました。しかし、すぐに立場は逆転し岡部が三人組を殴り倒していたという

証言になっています。くずはその後、鑑定と言って、いつものキャバクラで、須永に

教えをうけてるんですね。ケンカの達人として須永から聞いたそれは・・、

一人で三人相手!どうしても勝ちたいなら先制攻撃しかない。どんなやつでも先に

手を出すのはためらうもの、ガンを飛ばし、けんせいしながら気持ちを固めていくの

だと。もしも三人を相手にして勝つなら最初の一発とスピードが大事だと教授をうけ

ています。ハッスル、ハッスル!!


そして実況検分。安名場埠頭に武田は女装していきました。最高に笑える二人の

ショット。覗きのビデオを回す末木が罠にかかるまで、二人は演技しています

2年ぶりの連ドラだから女優との方が良かった。頬の赤くないトヨエツがいい。

まあ、本音はそれでしょう・・・爆・・。覗きの張本人からも当時の様子を聞きだし、

そのときの様子がすっかりわかりました。そして協力者琴美のメールによる情報。

準備は整い、いざ法廷です。


真実は確かにその安名場埠頭にありました。見晴らしもよく雰囲気も盛り上がるここ

はカップルに喜ばれる名所。しかし、そこには強盗強姦犯が出没するという噂があっ

たのです。岡部と杏理は海辺の夜景を楽しんでいたところにいきなりやってきた三人

組に驚愕します。二人を取り囲む三人は、岡部から頭突きをされたという証言によ

り、相当な至近距離にいたことが想像できます。そのときにケンカに長けている岡部

は何を思ったでしょう。カップルを狙い男をボコボコにし、女はレイプしていくという

噂の犯人はこの三人ではないかと瞬時に悟ったのではありませんか。そして須永に

よる教えでもありましたが、先手攻撃しかないことを過去の経験から知っていた。

あとは必死に戦うだけです。ただし、いくら一時的に気絶させても一本道を逃げては

車に追いつかれることは自明の理。車の鍵を出すように言っても無視された以上、

車を動かせないようにするしか逃げる道はありません。こうして岡部は杏理を守る

ために車も壊しました。さて、この法廷に詰めている聴衆は、なんとくずの集めた

女性エキストラ。強盗強姦犯がシルバーの車に乗っていたこと、そして実際に被害に

あった女性がいるという情報をくれた琴美。本当の被害者は一人であっても、たった

一人で法廷に来ることなどとうていできやしないデリケートな部分を知っているくずの

仕掛けでした。くずはこうして言質をとりました。

    「うそだ!こんなにしてない!」

語るに落ちた犯人たち。こうして、連続強盗強姦犯は厳しい取調べへと置かれた立

場は逆の位置に移ることになりました。



このくずの裁判と並行して、加藤は同じようなレイプ犯を扱いますが逆に犯人を弁護

する仕事でした。

  被告人が行った強姦という犯罪は卑劣で許されないもの。

  しかし、被告人は深く反省し、長い公判の間、本人はもとより、親族に至るまで

  社会的制裁をうけています。

  弁護人は適正な判決がなされるよう希望する次第です。

これを聞いていた、被害者の父親にとって、犯人に直接どうすることもできず、感情

の向かう先がありません。加藤を見かけたときに思わず詰め寄り、後ずさった加藤

が階段から落ちてしまうという事故になってしまいました。入院する加藤のもとにわび

ながら、しかし守られるべきは自分達被害者なのにと訴えています。加藤としても

そこは一番心苦しいところでした。

  お気持ちを察します。しかし、弁護士は第一に依頼人を考えなくてはならないと

  思っています。やみくもに減刑を求めるのが弁護士の仕事だと思ってはいません

  罪は罪として被告人が罪に合った刑に処せられるように力をつくしたと

  自信を持っています。その自信を持てるように弁護するのが弁護士として

  被告人が犯した罪に向き合うことだと思っています。

この言葉で被害者の父親はいくらか救われたでしょうか?

許すことなど到底できそうにないけれど、決して犯人を諸手を挙げてかばっているの

ではないという加藤の姿勢を読み取ってくれたら、明日は一歩外にでる勇気をと

思うのですが。

 

こうして、裁判は終わり、岡部と杏理はくずのもとに挨拶にきました。

くずは、杏里の部屋にあった出産の本を発見したことで、岡部のために骨折ろうと

思ったようです。自身もすでに可愛い子供の父親ですもの。

岡部のこのあとを容易に想像することができたのですね。

さすが、日頃から美月に教えを受けてるだけあります・・・

*****************************
今週は私はストーリーが良かったと思います。

お笑いの部分も武田の女装でだいぶ笑いました。

しかし、武田ってば、ごつごつして似合わないね~~爆!

六法全書を読む美月にはのけぞります。

とうとう加藤先生のように弁護士を目指すと言いましたね。

美月の弁護士・・楽しみです。

加藤が退院した時のお見合い写真の山に笑いました。

今週の掛け軸は原点回帰。

加藤の仕事がまさに原点なのだと示してくれたような今回。

あと二回です・・ああ・・寂しくなります・・・



8 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
こんばんは (ikasama4)
2006-06-16 18:14:35
あれって間違いなくアドリブなんでしょうねぇ。

その度合いが段々エスカレートしてきてますねぇ。

しっかり笑わせてくれますが、

ストーリーはしっかり練られているのがいいですね。

ちょっと「時効警察」を感じさせるようなストーリーの練り方ですね。



大分、武田くんも九頭の指導の下、成長してきましたねぇ。

法定の方も。

夜の方も。(笑)



しかし、加藤先生からみればまだまだお子チャマの様ですね。(苦笑)
返信する
こんばんは。 (いのきち)
2006-06-16 19:32:59
武田先生の女装姿はキモ面白かったですね

美月とゲームをやる時のシーンも良かったし。

今回は凶悪犯罪なので、珍しく重い雰囲気かと思ったら、いたるところに面白ネタが満載で楽しめました

あと2回ですか。弁護士という堅いドラマでこんなに楽しめるドラマってなかったように思います。

ほんと寂しいですよね。
返信する
Unknown (mari)
2006-06-17 04:14:09
かりんさん、こんばんは。



>だいたい、ああいうところには女の子と行くものでは?

くず先生の本領発揮!普通ならこう言う感じで、事件を見ていくと違う物が見える。それが全貌なんですね。
返信する
ハッスルしてコメント連投っす! (まりりん)
2006-06-17 18:30:59
かりんさ~ん、このドラマで少し離れてしまった私たちの心だけれど、でもクロサギでまたぴったんことくっついてるのよ~ん



美月ちゃんはほんとにいいキャラにしてるし、いい絡ませ方だし、素晴らしよね~!

私は今回はメインのストーリーが好みではなかったんだけど(てか、そもそもメインのゲストって誰だったの?(苦笑))、美月ちゃんをはじめとするサブのエピとかは良かったと思います。



まあ、スタッフの人たちもみんなが楽しんでやってる感じも伝わってくるし、だから毎回ぼーっと見るにはちょうどいいかなとは思ってるんですけどね。



では、またね~!
返信する
ikasama4さま♪ (かりん)
2006-06-17 23:45:55
こんばんは!



>あれって間違いなくアドリブなんでしょうねぇ。

くずと武田の女装シーンのことですね。

女優が良かった、ほおが赤くないほうがいい・・

ドラマなのに現実が入ってるから笑えます。



>「時効警察」を感じさせるようなストーリーの練り方ですね。

時効警察ってこの前のオダジョの?小ネタが効いてるのがいいのよね。序盤で前ふりを出して、最後にオダジョが締める部分を、くずが行ってますね。

だんだん雰囲気が似てきました・・。(笑)



>法定の方も。夜の方も。(笑)しかし、加藤先生からみればまだまだお子チャマの様ですね。(苦笑)

武田はやっぱりお子チャマキャラですね。

そこが面白いともいえますが。

今週は加藤がすごく良かったのでほとんど加藤にもって行かれた気もしないでもないですね。

あと二回でどれだけ成長できるでしょうか?

返信する
いのきちさん♪ (かりん)
2006-06-17 23:53:30
こんばんは!



今週はストーリーの中心があまり好みではないネタでしたから気分が重かったけれど、終わってみればなかなか良い脚本だったと思いました。

美月とくずのゲームシーンも良かったですよね。



こんなシリアスな設定なのに、くずたちのお笑いネタもばっちり溶け込んでいるのが最高です。



>武田先生の女装姿はキモ面白かったですね

さすがにこれは引きますね(笑)

どう見ても女性にみえないです。



あと2回だなんてもったいない。

本当に惜しいですよね。
返信する
mariさん♪ (かりん)
2006-06-18 00:00:31
こんばんは!



>くず先生の本領発揮!普通ならこう言う感じで、事件を見ていくと違う物が見える。それが全貌なんですね。

本当ね、見るべきところが違うのがくず。調書を鵜呑みにするのが武田。このパターン、定着してますね。



そしていつもくずの視点は大当たりして、真相は最初の予想とは違うところに着地すると言うパターン。



なかなか良かったです。

終わるのが惜しいですね。
返信する
まりりんさん♪ (かりん)
2006-06-18 00:10:13
こんばちは!

私たちの週末ですね~~~☆☆

楽しんでますかぁ~~?



このドラマはちょっとね、テーマが女性としては触りたくないものだから、重く感じたのですが、終わってみると脚本が良かったと思ってるんですよ。

多少、見解の相違があっても、大丈夫!

アタシたちの間には何の障害もないわ!



今週のゲストは塩谷瞬かな?それと酒井彩菜。

最初誰かわからなかったのですけど、白夜行で綾瀬さんと結婚する役でしたよね。あの時は地味でしたけど、今回はかっこよかったと思いましたよ。



美月ちゃん、加藤、全部よかったですよね。

お笑い要素は少なかったけれど、私的には十分とも。



>まあ、スタッフの人たちもみんなが楽しんでやってる感じも伝わってくるし、



本当にそうですね。楽しんでやってるから私も楽しめるんだわ。やっぱりそれが一番ですよね。

あと二回で武田がどれだけ成長するかがポイントのような気がします。

じゃ、またね♪
返信する

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。