酔いどれ烏の夢物語

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酔いどれ烏の夢物語 笑顔のままで

2022-12-26 18:18:33 | ポエム

 

      

      笑顔のままで

 

色んな事があったけど

僕は君に伝えたい よく頑張ったねと伝えたい

君のひたむきさはいつも僕に勇気をくれる

だから僕も頑張れる 僕の努力も誰かの力になれるかな

一人一人が頑張って それがみんな繋がったら

いつか大きな木にも花が咲く

たとえ今日 上手くいかなくても 思い通りにならなくても

そんな悲しい顔をしないで

いつか必ずそれは君に新しい出会いをくれる

だから君は笑顔でいてね きっと僕が守るから

 

苦しい時もあったけれど

君が僕に言ってくれた 絶対頑張れると言ってくれた

君の優しさは 僕に元気をくれる

だけど辛くなったなら 泣いてもいい 君ならきっと乗り越えられる

君と僕とで頑張って それが上手くいったなら

君の心に小さな花が咲く

たとえ明日が不安になっても 好きな人と喧嘩しても

そんな寂しい顔をしないで

君の未来は無限に君の前に広がっている

だから君は笑顔のままで 必ず僕が守るから

 

もしも今日 上手くいかなくても 思い通りにならなくても

たとえ明日が不安になっても 好きな人と喧嘩しても

そんなに悲しい顔をしないで

いつか君にも訪れる 奇跡のような瞬間が

だから君は笑顔でいてね きっと上手くいく日が来る

だから君は笑顔のままで 僕がずっと見守るから

 

 

 


酔いどれ烏の夢物語

2022-12-25 15:50:31 | ポエム

         

          笑顔

俺は入学して二年目で初めて飲み会に顔を出した

彼は周りにいる友人たちとすごく楽しそうに話をしていた

俺も親しい先輩たちとくだらない話を楽しんでいた

彼はふいに俺の顔を見て 君初めて会うねと言った

そういえば自己紹介がまだだったね

そこから突然みんなの自己紹介が始まった

何、今更?などと言いつつ 皆自分の事を話し出した 

大抵が上級生だった 学部はそれぞれ違うらしい

彼は飯田京介と名乗った 俺より一つ上の三年生

京ちゃんはねえ、料理が得意なんだよ と隣の女性が言った

家でいつもやらされてるからだよ と彼が照れながら答えた

 

俺は大学に入ってから一人暮らしを始めた

だがキッチンに立つのはコーヒーを淹れる時と洗い物する時だけ

料理できるって凄いですよ、俺なんかコンビニ弁当ばっかりです

何、一人暮らしなの?じゃあ今度作りに行ってあげる

でた!京ちゃんの今度! 京ちゃんの今度っていつなん?

うるさいなあ、今度って言ったら今度だよ

あてにしない方が良いよ 春にはカンケー無いだろ?

彼は誰とでも話していたが、特にその春香という女生とは仲がいい

君、名前何だっけ? 仁科悟ですと答えると

悟君は二次会行くよね と言った あー二次会?もうそんな時間?

俺、この後バイトだからパス!俺も!私も!

 

結局、半分ほどに人数は減った うーん、この人数ならカラオケ行く?

良いね!行こう!行こう! 俺は誘われるがままついて行った

あれ?あんま飲んで無いね いつの間にか隣に座っていた彼が言った

俺、これ以上飲んだら正体なくすから いいじゃん!いいじゃん!

潰れたら俺が優しく介抱してあげるからと笑った

京ちゃんには無理、無理! だって悟君タッパあるし

悟君、何センチ? 俺、183センチです ほらね、10センチも違う

それがまさか、本当に介抱される事になるなんて

どうやって帰ったのか記憶に無い だが起きてびっくり

ソファーに先輩が眠っていたのだ 先輩が言うには

俺はよろけながらも自分で歩いたという 二回転んだけどな

 

その日から飲み会のある度、先輩は俺の家に来て泊まって行く

時には二人でスーパーで買い物して 晩御飯を作ってくれた

最近じゃ、すっかり入り浸ってる 家の方は良いんですか?

と聞くと 大丈夫!最近じゃ妹が飯の支度をしてるらしくって

妹に言われたよ、可愛い彼女でも出来たの?って、だから

デカくてカッコいい彼氏が出来たって言っといた ???

どこまで本心なんだろう? 時々妙に距離が近かったりするけど

春香先輩にも訊かれた あんたたち付き合ってるの?

そう訊かれると いや、一緒に暮らしてると平然と答える

何だか振り回されている気もするが、まあ良いや楽しいから

本当にこの人の笑った顔を見ていると幸せな気分になるから

 

 

 

 

 

 

 

 


酔いどれ烏の夢物語 さよなら

2022-12-25 13:58:05 | ポエム

         

          さよなら

雪が降る季節になると 心まで冷たく凍えそうになる

どうしてあの時 君の手を放してしまったのだろうと

どんなに後悔してもしきれない もう遅いのは解っている

雪の降る中 俯いたままの君を置き去りにした

お互いのためなどと おざなりな事を言って俺は逃げた

君はちゃんと将来を考えていたのに 俺はガキだった

もしも、たら、ればを言い出したらきりが無い

それでも もしもあの日に戻れたなら…後悔ばかりが浮かぶ

雪の季節になると 生きている実感がしない 

ただ毛布に包まって ウトウトとしては夢を見る

楽しかった頃の夢 君を遠ざけた卑怯な自分の夢

 

あれからもう五年が経つのに 心から笑えたことは無い

君の事を想えば当然の結果だ 君は居なくなった

この世界の何処にも居ない 俺がそうさせた

  迷惑をかけたみたいだ ごめんね さよなら

君からの最後のメールは 今も消せずにいる

消息を絶った君が見つかったのは 雪解けの頃

そこは二人で行く筈だった 山のコテージの近く

ニュースで聞くまで何も知らずにいた 情けない自分

遺品の中にあった 彼の携帯電話には

俺に届いたメールを送った痕跡はなかったと聞いた

俺に迷惑をかけないよう そうしたのだろうか

 

その年の初冬 彼の見つかった場所に行ってみた

まだ雪は無かったが酷く寒かった 周りには何も無く

不気味なほど静かだった こんな寂しい場所で一人

君はどんな事を考えていたのか 死の直前まで

もう少し話をすれば良かった もっと彼の事を知るべきだった

簡単に死んでいい人間じゃなかった 誰からも慕われ

笑顔の似合う優しい人だった 優しすぎたのだ

五年が経って 年齢だけは君を追い越した

今度は俺が世界から取り残された気分だった

後を追うことも考えたが それはダメだと思った

そんな事をすれば きっと君は怒るだろう

 

悩んだ末に 一生懸命に生きることを選んだ

いつか君のような誰からも慕われる 優しい人に

胸を張って生きていける人になる努力をしよう

君がそうしてくれたように 手を差し伸べて

大丈夫だよ 僕が助けになるよと言ってくれたように

いつか俺が向こうで君に再会できたら 言いたい

辛い思いをさせてごめん 君の分まで生きてきたよと

そして許されたい 身勝手だった自分を

そんな俺を やっぱり許してしまうんだろうな

何時もと変わらぬ 優しい笑顔で

いつの日か再会できる時までは さよなら

 

 


酔いどれ烏の夢物語 奏(kanade )

2022-12-22 18:31:53 | ポエム

   こんばんは! このブログを見に来て下さった皆様、いいねや応援

 など、ありがとうございます。本当に嬉しいです!今年も残り少ないで

 すが、これからもよろしくお願いします。<m(__)m> 今回の作品は少々

 長めですが、飽きずに最後まで読んで頂けたら嬉しいです! 読み終えて

 少しでも目頭が熱くなって頂けたら、それは私の思うツボです!

  ぜひ、ツボにはまってください‼ それではまた近いうちに私の声明文

 を書きたいと思ってます。            karasu  

                     

                                 

                               奏 kanade

数日ぶりによく晴れた 穏やかな初冬のある日

花なら牡丹の花が好きだな  唐突に彼が言った 何で牡丹? 

うーん、結構豪華に見えるのに薔薇みたいな自己主張もないし

今にも花の重さに耐えられずにポロっと落ちそうな不安定さとか⁈

初めて彼に出逢ったのは近所の総合病院の中庭

怪我で入院した友人の見舞いに来た帰りだった

車椅子に座り花壇の前で 楽しそうにスケッチしていた

花が好きなんだね 話かけるつもりは無かったのだが

つい気になって声を掛けてしまった

端正な横顔 まだ少年の様なその体つき

俺を見上げてにっこり笑って だって綺麗でしょ、と笑った

 

彼はスケッチを終えると 僕はそろそろ病室に戻るねと言った

病室まで送ろうか?と聞くと 大丈夫!慣れてるからと答えた

また会いに来てもいいかな? そう聞くと彼は驚いた顔をした

誰より驚いたのは 俺自身だった もちろん良いよ!

明日も天気が良かったらさっきの中庭にいるから

じゃあ、また!  帰り道、たぶん俺は顔がにやけていただろう

久しぶりの高揚感だった 友人と遊ぶ約束をした時とは違う何か

翌日も彼は花のスケッチをしていた 俺はすぐ傍にあるベンチに座った

彼は手を動かしながら色々な事を話してくれた

車椅子を使っているけれど足が不自由では無い事

両親は共に数年前に病気で他界している事などを普通の事の様に

 

どうしてそんなに平然と言えるのだろう? 答えは簡単だった

彼はすでに余命半年を宣告されていたからだった 退院は出来ないの?

うーん、どうかな? ここで最後の時を迎えたくは無いけど

行く当ても無いしね 仕方ないんじゃ無いかな?

正直、腹が立った どうしてもっと足掻こうとしないのか

どうしてそんなに簡単に何もかもあきらめてしまうのか

だったら俺の家に来れば良い! 一人だし、じきに大学も冬休みだ

彼を交えて担当医と話をした 当然の事ながら医者は反対した

それでもしつこく食い下がる俺に 医者は根負けしたらしく

何かあればすぐに連絡する事 決して一人にはしない事

その条件を飲む事で 退院を許可してくれた

 

それから俺たち二人の生活が始まった 時々寝込む時はあったが

思っていたよりも自分の事は自分で出来たし 何より楽しそうだった

一緒に暮らし始めて彼が俺より年上だった事、結構、意地っ張りな事

色々な事が分かった 結婚したらこんな感じかな? 彼の言葉にドキッとした

医者の言っていた半年も過ぎ、季節は初夏を迎えようとしていた

俺は大学を一年休学した 彼は反対したが 俺がそうしたかった

色々な所へ連れて行ってやりたかったが、流石に長距離の移動は難しかった

それでも毎日が楽しくて、新鮮だった このまま過ごせたらと俺は願った

けれど 確実にその日は近づいていた 一緒に暮らし始めて一年半

秋の訪れが感じられる頃 ベットで過ごす時間が日増しに増えてきた

病院に行こうと言う俺の言葉を 彼はひどく嫌がる様になった

 

ねえ、僕の我儘を聴いてくれる? ふいに彼が言った

どんな? 最後まで傍に居て欲しい 最後の瞬間まで

もちろん、約束しただろ? 一人にはしないよ 最後まで

その代わり 俺の願いも聴いてくれる? どんな事?

お前が逝くときには お俺の心も一緒に連れて逝ってくれ

心を? うん、そうしたら俺も悲しまなくて済む

分かった君の心と一緒にだね、ありがとう 君に出逢えて良かった

まるで寝言の様に そう呟いて彼は眠った

俺は呼吸を確かめられずにはいられなかった

翌朝、俺が目覚めると彼はすでに起きていて

甘くてミルクたっぷりのコーヒーが飲みたいなと言った

 

コーヒーを淹れて寝室に戻ると既に彼は息をしていなかった

今ならまだ間に合う!と思ったが 医者の言葉を思い出した

もう医師として彼にしてあげられる事は何もありません

なのにどうして安らかな寝顔の彼をたたき起こす事など出来よう

暫くの間、俺はまだ体温の感じられる彼の身体を抱きしめていた

その後の事はあまり覚えていない 警察が来たり救急車が来たり

彼の葬儀は生前約束していた通り 俺一人で見送った

そして遺骨は樹木葬と言って灰にして山に撒く方法をとった

これも彼の望みだった だって海は冷たそうだから!

俺の心は彼と一緒に旅立ったはずなのに やはり寂しい

あの朝のミルクたっぷりの甘いコーヒーはまだ捨てられずにいる

 

後から担当医に聞かされた あれから二年近く

彼が生きられたのは奇跡にも近いと

俺は家に戻り彼が愛用していたパジャマを見た時、初めて

自分が大切にしていた人を、失ったのだと実感した

何となく机の引き出しを開けた そこには煙草の箱が入っていた

そうだった、彼と暮らす時 煙草をやめたんだった

約二年ぶりに煙草に火を付けた 吸い込んだ途端に胸が苦しくなった

煙が目に染みて涙が止まらなかった ああ、これが喪失感ってやつか!

 

葬儀の後 舞い落ちてきた白い破片はいずれ雪に変わるだろうと言われていたが

それはいつしか雨に変わり、一晩中降り続いた 

嘘つきだな、俺の心も連れて逝ってくれるって言ったのに

奏(かなで)それが彼の名前だった

その後、俺は大学に復学し 福祉の道を選んだ

牡丹が咲く季節に 彼の遺灰を撒いた山に行ってみた

そこは緑に覆われて 木々の間から陽が差し込んでいた

木の根元に牡丹の花を添えた 綺麗だな

たった二年足らずだったけど 楽しい日々だったよ

お前と暮らした日々が いつか良い思い出に思える頃には

俺も少しは 誰かの役に立てる人間になってられるかな?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


酔いどれ烏の夢物語 冬の空

2022-12-21 21:29:41 | ポエム

           

                    

               冬の空

 

冬の青空は優しい青 

夏の鮮やかな青空とは少し違う

僕は今、生まれ育った街で数日を過ごしている

何かある度 逃げる様にこの街に来る

前に来たのはいつだろう?

目指していた会社の最終面接に落ちた時?

三年付き合ってた彼女に振られた時?

どんな時でもこの街は僕に優しい

慰める訳でもなく窘める訳でもない

ただいつも通りの日常が変わらず過ぎて行く

だから悩みも不安な気持ちも馬鹿らしくなる

 

冬の夜空はとても綺麗だ

僕は丘の上に登り 冬の夜空を眺めている

空は高く 空気は澄んでいて

藍色の空に散りばめられた星々は

いっそう煌びやかに光輝く

僕は一体、何を悩んでいたんだろう?

さっさと荷物をまとめて家を出よう

楽しくない毎日だけど辛いこともあるけれど

前を見て歩いて行けば良いだけだ

明日の朝一番の列車に乗ろう

穏やかな丘を降りつつ僕はそう思った

 

翌日の早朝、僕は家を出た

駅まで二十分程の道のりをのんびりと歩いた

まだ開店前の商店街の店先

見知った顔もあった 懐かしいな

両親は何も聞かずに出迎えてくれ

家を出る時には笑顔で見送ってくれた

それがとても恥ずかしかった

今度帰る時には楽しい話でも聞かせよう

駅の階段を上がり プラットホームに立つと

空気がより一層冷たく感じられた 空を見上げると

白い雲が ふぅ と小さく溜息をついた気がした