酔いどれ烏の夢物語

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告白

2023-12-31 23:59:05 | ポエム

      

好きです たったその一言で僕の人生は一転した

一つ年下の 華奢な身体に澄んだ瞳の少年

彼は僕の瞳をじっと見て 臆することなくそう言った

冬の始まり 放課後の美術室 既に陽は落ち始めていた

面食らった僕はただ 彼の顔を見ていた

細い首を少し傾げて 可笑しいですか?と言った

そもそも 今この美術室に二人で居るのは

珍しく彼が僕に絵のモデルを頼んできたからだった

 

好きです それはいったいどういう意味なのだろう?

僕の頭の中を 何かがぐるぐると回っていた

ずっとずるいなって 思っていたんです 彼は続けた

先輩には 僕に無いものが たくさんあるんですよ

人は自分には無いもの それに憧れる ですよね

先輩は 僕の憧れだけどそれだけじゃ嫌なんです

これは僕の我儘です でも、もっと傍にいて欲しい

 

好きです その言葉を言われるのは初めてではない

それなのに どうしてこんなにも動揺しているのだろう?

僕の心の中で 何かが弾けたような気がした

入部した時から 気にはなっていた 大人しそうで

それでいて自己主張は しっかりとしている

なんだ…僕は僕でこの後輩の事が気になっていたのか

彼の言う我儘は ちょっと嬉しいようなそんな気がした

 

 

 

 


ラブストーリー

2023-12-10 14:04:48 | ポエム

 

    

何が間違っていたのだろう?

どこで間違えたのだろう?

何度も何度もくり返し問いかける

けれども僕は知っている

どこにも答えなんて無いと

見上げた澄んだ青空は

じきに来る冬の寒さを思わせる

君は今 幸せなのかい?

僕の隣でうたた寝する君の

細くて柔らかな髪の毛を

起こさないように そっと撫でる

 

日が傾いて夕闇が近づく

高らかに響く烏の鳴き声

何度も何度も湧き上がる想い

この感情は何だろう?

本当は知っているのに

認めたくなくて 信じたくなくて

夕闇の空に 輝く一番星

指を指して笑う君の頬に

僕はそっとキスをする

照れくさそうに僕を見つめる

 

長い長い冬が来て

山に白い雪が降る頃

二人で一緒に生きると決めた

けれど僕は知っている

それはとても険しい道だと

それでっも良いと君が微笑む

どんなに寒い夜も二人なら

乗り超えられるから

二人で綴る ラブストーリーは

これから始まって行くのだ