酔いどれ烏の夢物語

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酔いどれ烏の夢物語 憧れ

2022-12-07 20:03:58 | ポエム

                        『 憧れ 』

憧れていた 貴方の綺麗な長い髪も 流れるようなその身のこなしも

僕には似合わない 僕には真似できない

貴方の周りにはたくさんの笑顔がある だから僕は近づくことも出来ない

 

憧れていた 誰からも頼られる貴方の姿に ステージに立てば誰よりも輝く

貴方が剣を振るえば 悲鳴にも似た歓声があがり

お姫様はウットリと見つめる 僕は貴方の切られ役にさえなれない

 

何時からだろう 貴方を目で追うようになったのは

あの日偶然に出会い声をかけられた 君も演劇に興味があるの?

言える筈もない貴方に憧れているなんて だから僕は遠くから見ているだけ

 

初めて貴方の芝居を観た日 そう桜の花びらが舞っていたあの日

僕は知った こんなにもミューズに愛されている人がいる事を

僕には何の輝きもない 今までの努力さえ無駄に思えた

 

芝居はもうやらないの? 振り向くと貴方がいた

本当は知ってたんだ 君が演劇をやっていた事を

去年、見てたんだ 君が主役をメチャクチャ引き立ててたあの芝居を

 

何時も稽古を見ていたから そのうち来てくれると思ってたんだけどな

僕も引き立てて欲しいんだけど それとももう引き立て役は嫌になった?

僕の憧れは その日から 恋心に変わったみたいだ

 

僕の憧れの人は 僕を舞台に引きずり出してからというもの

ますます輝きを放ち 多くの女性を魅了し続けている

おかげで僕は悪役という立ち位置を やっと手に入れられたようだ