酔いどれ烏の夢物語

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夕闇

2023-08-06 17:38:16 | 日記

    

                      夕闇

夕凪の海の上を まるで滑るように

数羽のカモメが飛んでいく

遠くの波打ち際にはしゃぐ子供たち

その少し後ろにいるのは両親だろうか

僕はただじっと まだ沈みきってはいない

オレンジ色の夕日を眺めていた

僕のほほをつたう涙が 足元に落ちる

解っていた事なのに 覚悟はしていた筈なのに

それでもどうしようもなく 涙があふれる

僕を受け止めてくれた ただ一人の理解者

ほかの人とは違う僕を そのままで良いと

大丈夫だよと 抱きしめてくれた人

 

時間がない事は 最初に聞いていた

それでも良いとそう思えた

短い時間でも一緒に居られることが

ただ嬉しくて ただ幸せで夢のようだった

僕はただ彼の 優しさに甘えていたかった

神様は僕の大切な人を取り上げた

口惜しさと悲しみと切なさとが

胸の中でぐちゃぐちゃに混ざり合って

今は悲しくて どうすることも出来なくて

今だけは 泣いても許されるよね 

心の中で彼に訊いた きっと許してくれる

泣いている僕の姿が夕闇に消える時まで


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