酔いどれ烏の夢物語

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陽光

2023-07-09 11:04:14 | ポエム

     

雨上がりの昼下がりのオフィス街

暗く立ち込めた雲の隙間から

幾筋かの陽光が差し込む

その白く美しい光は 雲を少しずつ遠ざけ

澄んだ青空をのぞかせた

幻想的なその眺めは まるでその部分だけ

神の恩恵を受けているかの様だった

これで教会の鐘の音でも聞こえたら

天使の姿さえも見えるかも知れない

 

最近はすっかり外に出る事もなく

狭い部屋の中で過ごしていた

誰かと会う事もなく

偶然見つけた光景 空は少しずつ晴れ

オフィス街を明るくした

雲を押しのけた太陽は まるで今の僕に

このままで良いのかと問いかける様だった

まるで長い夢から覚めたみたいに

久しぶりに背筋を伸ばせたような気がした


夏の音

2023-07-06 15:19:52 | ポエム

    

カランコロンと君の歩く下駄の音

振り返ると昔のままの君が居た

嬉しそうに僕の後をついてくる

とても懐かしい思い出の中の君

蚊取り線香の匂い

どこかで鳴ってる風鈴の音

僕は君に言う やあ久しぶりと

君は笑って答える 僕はここに居るよと

ああ、なんて懐かしい夏の思い出

 

パシャパシャと川を跳ねる小魚の音

楽しそうにはしゃぐ君が居た

川を流れる草船のように

いつ沈むのか解らない旅路

現代社会のルール

抗う術のない今の僕ら

僕は君に問う まだ大丈夫?と

君は笑って答える 僕の心は変わらない

ああ、君は本当に強い人だ

 

キラキラと空に輝く花火の音

二人で見た最後の花火

いつの間にか消え去っていた

僕は僕に嘘をついて

君を深く傷つけた 僕の後悔

今一度君に訊きたい 僕は間違っていた?

きっと君は笑って 僕は平気だよと答える

僕は君を失って 僕の心は壊れた

ああ、もう一度君に逢いたい