酔いどれ烏の夢物語

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酔いどれ烏の夢物語 パステル

2023-04-30 15:13:27 | ポエム

   

   パステル

パステルの色鉛筆を買った

今の僕の気分みたいな

パステルの色鉛筆で何を描こう

綺麗な羽をした鳥も良い

色とりどりの猫も面白い

それとも童話に出てくるような

お菓子で出来た家を描こうか

そこに僕は住んでいて

君の帰りを待っている

 

パステル色の風船を買った

今の僕の心みたいな

淡くてすぐに汚れてしまいそう

だから全部膨らませて

いっそ空に浮かべようか

それなら屋根に紐で括って

家ごと空に浮かべようか

そして君と二人で

何処か遠くへ飛んでいこう


酔いどれ烏の夢物語 君に僕は恋をする

2023-04-30 14:22:31 | ポエム

     

   君に僕は恋をする

 

あけ放った窓から 暖かな風が

初夏の訪れの匂いを運んでくる

桜並木が薄いピンクの絨毯に覆われ

花壇に色とりどりの花たちが咲き乱れる

そして僕はまた 君に恋をする

 

柔らかな生地の 少し大きめのシャツ

長身の君によく似あっている

すれ違う女性たちが思わず振り向く

花たちが噂話でもするように風に揺れる

窓辺に立つ僕は 君に恋をする

 

大きくて指の長い 君の掌

笑いながら僕の髪をくしゃくしゃにする

もうすぐ君の好きな夏がやって来る

そうしたらまた二人で海に行こう

濡れた髪をかき上げる君に 僕は恋をする

 

        

 


酔いどれ烏の夢物語 恋愛

2023-04-19 06:04:42 | ポエム

   

    恋愛

憧れは 憧れにあらず

優しさは 優しさにあらず

誰かが言った 恋なんて只の幻

けれど僕はそうは思わない

だって僕は恋をして少し変わった

例え叶わない恋だとしても

それは僕の日常に生きる力をくれた

 

恋愛は 愛情にあらず

そんなもの 一時の感情に過ぎず

確かにそれは 一方的な想い

けれど人生に花を与える

つまらない日常に光を与えてくれる

それが一時の感情だとしても

それは僕の人生に大きな変化をもたらす

 

感情は 刻々と変わる

相手次第で 毒にも薬にもなる

それがどうした 何が悪い

僕は僕らしく生きる

例え苦しみが待っていたとしても

そんな事は僕にとって関係ない

僕は僕に正直でありたいと思っている

 

人の心なんて 移ろうもの

変わるのは 当たり前の事

それは最初から 解っている

だから人は努力する

今よりもっと自分を高めようと

恋とはそういうもの違うだろうか

失恋も後悔もしたくないから僕は進む

 

   

 

 

 

 


酔いどれ烏の夢物語 春色

2023-04-18 16:50:48 | ポエム

     

       春色

まだ今日が始まったばかりの早朝

春コートを着た 青年を見た

彼は春風の中 コートの裾を翻して

颯爽と軽い足取りで歩いていた

僕はそれをカフェの二階の窓から眺めていた

彼は地下鉄の駅に向かって 階段を降りた

彼の髪と春コートは 一層はためいた

なんだか今日は良い日になりそうだ

 

うららかに春めいた日の昼休み

春コートを着た 青年が居た

彼は誰かを待っている様だった

彼は顔を上げると軽く微笑んで手を挙げた

もう一人春色のジャケットを着た青年が来た

彼の春色ともう一人 春色の青年

二人はにこやかに笑って消えた

 

まだ少し寒いけれど春の日の

清々しくて 心和む光景だ

爽やかな彼らが少しだけ羨ましい

僕はふと彼らの幸せを願う自分に気付いた

こんな風に誰かの幸せを願えるようになったのも

僕が少しだけ 大人になれたのかも

ある春の日の何気ない出来事

 


酔いどれ烏の夢物語 君の三歩と僕の五歩

2023-04-09 18:14:26 | ポエム

      

    君の三歩と僕の五歩

 

君はとても背が高い 僕は小柄な方なのに

だから僕が五歩で進む距離を 君は三歩で歩く

でも隣に並んで歩けるように 君はゆっくり歩く

そんな気遣いが嬉しくて 僕は君が大好きだ

いつも僕の話を 優しい笑顔で聴いてくれる

僕が落ち込むと 励ましてくれる

僕が笑うと君も笑う 陽だまりのような存在

 

君はとても頭が良い 僕の勉強を見てくれる

だから僕は君に憧れている つい甘えてしまう

だけど本当は頑張らなきゃって 解っている

君と同じ大学に入りたいから 僕も勉強した

晴れてこの春 同じ大学に通っている

全部君のおかげ ありがとう

いつも隣に居てくれる とても大切な人なんだ

 

君の声はとても落ち着く だから安心できる

どんなに緊張していても 君に会うと解ける

僕にとっては魔法使い 僕に勇気をくれる

本当に君はすごい人だね 何でも出来る

辛そうな顔は 絶対に見せない

僕より努力してるのに 悔しいな

流石に口には出せないけれど 感謝してるんだ

 

幼い頃から君の背を見て 追いかけていた

いつか隣に並べる様に それを君は知っていた

だから先を歩いていても 立ち止まり振り返る

早くおいでとばかりに 手を差し伸べる

本当に君は 優しい人だね

君が居てくれたから 今の僕が居る

そんな事を言ったらきっと 君は照れるかな