体奏家/新井英夫の予告報告 (DANCE-LABO KARADAKARA)

体奏家/ダンサー新井英夫の舞台活動とワークショップ活動の予告と報告。たまに日々の雑感あれこれなども。

8/8~13 日々撮影気分はロードMovie

2009-08-15 04:34:00 | 09夏カナダダンス滞在制作プロジェクト
カナダ日記、ここしばらくダンスドキュメンタリーの連日撮影が続き更新できずにいましたが、まとめて続きです。
写真はダンスドキュメント映画共演のエイドリアンさん。クイ族民族衣裳でばっちり決めてますがふだんは、Tシャツにジーンズで、いつも携帯でメールしているエドモントン市内在住人です。(誤解のないように)

8/8(土)
ひさびさのオフ。といってもミーティングやらなにやらはあって落ち着かず。午後から気分を切り替えてGerryのご家族とプールに行く。Gerry作のローストチキンで晩ご飯。炒めるとか煮るとかより家庭料理でオーブンを使う頻度が多い。こういう時間が日本ではなかなかとれないので気分転換にもってこいだった。

8/9(日)
朝から撮影。市街地ど真ん中の図書館横で「Tree pattern 」という振付けの撮影。その後路上で「E&M」の撮影2回目。
昼食は、屋台のジャマイカ料理。辛くて美味い!! いっしょにオーダーしたジンジャーエールのような飲み物が本当のしょうが味でまた格別。そのまま明日からの撮影旅行に向けての買い出しとパッキングと打ち合わせ。Gerry作のサーモン焼き(やはりオーブン使用)で晩ご飯。その後打ち合わせで深夜までGerryと話込む。

8/10(月)
昼からドラムハラー(Badlandsという化石がたくさん出る大渓谷がある街)に移動、車で4時間ドライブ。今日から13日まで大自然の中で撮影。ドキュメンタリー映画の筋立ては、ダンスによる「自然と人間」「都市と田舎と自然」「過去と現在と未来」「異なる文化コミュニティどうし」の交感がテーマだ。そこで連日の交渉調整を経てネィティブカナディアンのクイ族の男性ダンサー・エイドリアンさんの出演が決まった。初顔合わせで彼の出自をきくと、素直に感涙しまった。生活保護が先住民には無条件で与えられるので、働かなくてもいい。しかしこれは同時にヒトの尊厳を失います。彼は多くの若者がそうであれるようにグレた。ドラックに暴力、そして刑務所に。その後、いくつかの出会いの糸が奇蹟的につながり、現在は伝統的ダンスと芸能の継承とともに、ヒップホップもとりいれたダンスグループもプロデュース。「よりよく生きる手段としてのダンス」をネイティブの若者に教えているとのこと。先住民によるコミュニティダンス的展開をされているという感じです。「踊ること」が「ヒトとして生きること」にまっすぐつながっている。そんな出会いのもと、「ぼくはどうして踊っているのか???」と自分に問いかけている旅になっている。この日撮影は、二カ所。最後に夕日の中で行った撮影が風と光とカラダがともに踊ってすばらしかった。このドラムハラーなんと21時には町中のレストランがすべてClose。しかたなくピザのTakeOutでビールの夕食兼反省会。明日から晩飯の心配をしなくては、これはぼくにとって重要なことなのです!!


8/11(火)
午前中、キノコのような形をした奇石群のならぶ渓谷で撮影。映画とダンスの違いにとまどうも、何カットか終了。のちタイ料理で昼食。日没(ちなみに21時ですが)に合わせて撮影。エイドリアンさんとのデュオをする。打ち合わせなしのガチンコ真剣勝負。足場も悪いし緊張する。終わってから「You are SAMURAI」と言われる(笑)。ダンスには、1シーン1カットの長回しShootが適していることを体感する。勉強になる。夕食はHiway沿いまで歩いてイギリスパブでビールと夕食。

8/12(水)
場所を変えて朝から撮影。ロケーションは渓谷全体を見渡せる大風景でのダンス。エイドリアンのインタビューと唄やダンスも収録。お昼は中華系レストランを見つけて入る。アジア飯は腹にすっと収まるのだった。午後は「E&M」と「360」というシーンの撮影。エレンとジニー女性二人が赤い衣裳で山の頂上でポツン踊っている風景に、遠景の渓谷と家々、地平線までの空が重なる贅沢なシーンが撮れた。夜は西部劇にでてきそうなLast Chance saloonというカフェに。こっから先は荒野で「店も何もないよ」という意味らしく開拓時代から営業しているそうな。帰りに外をみたら流星群が夜空を横切る。

8/13(木)
午前中、ダンサー四人の大渓谷シーンを撮ってドラムハラー(Badlands)での撮影は終了。車で一行は一路エドモントンに。途中の小さな街でギリシャ料理(風)を食す。牛のメンチカツのようなやつ。メガサイズにかかわらず完食。4時間のドライブのちまた市内で最後の撮影。夏エドモントンではシアターフリンジが開催中。このにぎやかなパレードが夕刻あるのでそこをねらって何か撮ろうというDavid さんの提案。
ヒトが全然いないところから、人波の中でのダンスという対比がおもしろいだろう考えて、ダンサーとあえて踊らないことに。人波の中4人のダンサーが超スローで歩く背景に夕日がゆっくり沈んでいくというシーン。映像監督Davidさん、撮影の技師のお二人、スチル撮影のトレーシーさん、特別共演のネイティブダンサー・エイドリアン、そしてGerryとエレンとジニーみんなお疲れさまでした。深謝。夕食はインドカレーのテイクアウト。外食で野菜不足だったのでベジタリアンなものを食す。


■Badlandsでの撮影の模様は以下のサイトで。スチル写真担当のTracyさんのHPより。いい写真たくさん!!です。
スライドショーがオススメです。 
http://www.pbase.com/tracyk/badlands

slideshow at: http://www.pbase.com/tracyk/badlands&view=slideshow

http://www.pbase.com/tracyk/badlandsslideshow at: http://www.pbase.com/tracyk/badlands&view=slideshow