体奏家/新井英夫の予告報告 (DANCE-LABO KARADAKARA)

体奏家/ダンサー新井英夫の舞台活動とワークショップ活動の予告と報告。たまに日々の雑感あれこれなども。

ぼくのすきな先生→障がい者自立支援のラーメン店主に

2010-03-20 13:37:53 | 雑感
知的障がい児が通う特別支援学校元校長の牧野要二さんが、「教え子」たちの自立を支援するラーメン店を開業とのニュースを見つけました。http://saiyou.yomiuri.co.jp/news/2010/0215.html
この牧野先生、実は私の人生に多大な影響を与えた「恩師」なのです。牧野さんは80年代初めにぼくが通っていた中学の「特殊学級」の先生でした。出会いは「クラブ活動」という選択授業で、属していた「落語研究クラブ」。ぼくは放課後の部活動は「剣道」をやっていましたが、当時のカリキュラムで「クラブ活動(週一時間)」は部活動とは他に自由に選択できた。落語のほうの顧問が牧野先生でした。普通なら「通常学級」と「特殊学級」は同じ校舎にありながら、当時「交流」という発想すらなかったのですが、牧野先生のおかげで、同じ校舎でハンディキャップを持った生徒が学んでいる、ということに直に触れあえたのでした。これは貴重な体験でした。

で、この牧野先生、「障がいに関わる」ということを誤解を恐れずに表現すれば「楽しんで」おられた。ご自身もかつて身体障がいを持っていて、そこから障がい児教育に進まれたとのこと。でも牧野先生には悲壮感とか使命感とかおしつけがましさがまったくない。洒脱で余計な力が抜けていてともかく面白い。また牧野先生は「特殊学級」の授業ネタを生徒とともに独自に開発していて、「スパイスからカレーを作る授業」「セル画を描いてオリジナルアニメを作る授業」「給食であまった牛乳でヨーグルトを作る授業」…なんてのを展開されていました。今から思えばワークショップの先駆け!! まさに五感を刺激する学び。

「落語」についてもいろいろ教えてもらいました。中でも「与太郎について」の話しはぼくのその後の価値観に大きな影響を与えています。こんな話しです。

「与太郎ってのは、今でいえば『知的障がい者』なんだよね。でもね、与太郎を努力させて社会の基準に合わせようなんて了見は、落語の世界の住人にはない。与太郎は与太郎のままで、できることをやりながら、社会で何か仕事をして生きられてる(例:落語『孝行糖』)。時にオトナが言えない本音を代弁して、トリックスターとしてアタマのカタイやつらをやり込める(例:落語『大工調べ』)。与太郎が与太郎のままで生きられる世界が落語なんだよねぇ…」

「理想」を語られたのだとは思うけれど、十代前半でこういう先生に出会えたことは、幸せなことでした。ラーメン食べに行こうと思います。



川崎でのバリアフリーなダンス「ダンス・デ・コミュニケーション」のこと

2010-03-15 12:11:49 | 報告
この前の記事でご紹介した、川崎市でのバリアフリーなコミュニティダンスの市民活動「ダンス・デ・コミュニケーション」のライブ(ショウイング発表会)と体験ミニWSが3/14多摩市民館でありました。さとういくと新井英夫が指導でかかわっています。障がいのある人とそうでない人、異世代間の人どうしがお手本のない・自由形の「ダンス」で交流しています。

15分くらいの作品ショウイング「をどる木もち」のあと、お客さんを交えての「ダンス体験ミニWS」。そのあとみんなでトークセッションと、いい時間と空間を作れたと思います。

当日のレポートを、ながいみちさんがアップしてくださっています。

http://biwosiru.exblog.jp/10187887/

明日3/14 川崎でバリアフリーな市民参画ダンス「をどる木もち」のライブ

2010-03-13 16:13:24 | 予告
■障がいのあるなしに関わらず市民がおどり・交感するダンスのライブのお知らせ ーダンスライブ「をどる木もち」+バリアフリーダンス体験ミニWSー 
(転送・転載歓迎のお知らせです)

おしせまった告知となり申し訳ありません! (明日の催しです)

さとういく&新井英夫で指導している川崎市での、知的障がいのある人たちと一般の人たちとのノーマライゼーションを目的とした通年ダンスワークショップ「ダンス・デ・コミュニケーション」。計5回の5ヶ月間の活動を経て、その成果発表会(観覧無料)が明日あります。

障がいのあるなしというバリアを超えて、ダンスという地平からアートがなし得る新たなワクワクする潮流がここに生まれている! と実感できる現場です。イギリスなどではコミュニティ・アートとよばれる社会活動ですが、日本ではまだ始まったばかり。こういった活動が「特別」ではなく「普通」になることを願ってやみません。私新井としては、「なるほど!」と知っていただくだけでもうれしい!かぎり。そしてもし応援していただけたらもっとうれしい!!ということで転送転載大歓迎の「予告」情報です。

個性豊かな唯一無比の出演者たちが勢ぞろい。動きと音とが従来の「振付」や「作曲」という概念を越えて、ひとつの身体表現として舞台に生まれます。

そして今回の目玉は、発表後にお客様も交えて「ダンス・デ・コミュニケーションを体験してみよう!」という場を設けます。いっしょに「バリアフリーなダンス体験」もぜひ!!

名目上「指導者」という立場でいる私ですが、表現の原初のチカラとは何か?を参加のみなさんから毎回「教えられた」体験でした。どうぞどうぞお見届けください。

万障お繰り合わせの上でのご来場、心よりお待ちしています。 
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■バリアフリーコミュニティダンス「をどる木もち」+ダンス体験ミニWS

■日時 3/14(日) 午前10:30開演 (20分程度上演)
■場所 多摩市民館 大会議室 (小田急線向ヶ丘遊園駅北口下車徒歩3分)
■出演 「ダンス・デ・コミュニケーション」の通年参加メンバー
     +さとういく+新井英夫
■観覧無料(予約不要)
※当日は「たま学びのフェア2010」多摩市民館生涯学習交流集会が終日同施設で行われています。その成果発表会の中でのひとコマです。
■主催: 川崎市教育委員会
■電話お問い合せ 044-935-3333(多摩市民館)


※冒頭写真は08年3月の発表会「をどるカミガミ」より(撮影/落田伸哉)

2月の締めくくりは「栗東芸術文化会館さきら」でワークショップ!

2010-03-02 15:18:17 | 報告
2月は、高齢者施設・児童館・障がいのある子どもさんの施設など各所でワークショップをやらせていただきました。しめくくりが2/27.28栗東芸術文化会館さきらでの「ワークショップコーディネーター講座」。市民の方々にワークショップを体験していただいて、さらにはワークショップの企画づくりも学んでもらおう!という企画。ご一緒したのはワークショップコーディネーターとして国内外でご活躍の吉野さつきさん。カラダもアタマもほぐして、そしてぞんぶんに使った二日間でありました。

初日に参加してくださったTokuさんがこのワークショップのレポートをブログにアップしてくださっています。
http://www.sukimacafe.com/archives/4709