Soccer Watcher ~KKのサッカー観戦記~

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ヤマザキナビスコカップ・決勝 磐田 vs 広島 観戦記

2010-11-04 13:30:00 | Jリーグ
昨日は、国立競技場で開催された2010 Jリーグ ヤマザキナビスコカップ・決勝を観戦に行きました。
今年の決勝のカードは、サンフレッチェ広島 vs ジュビロ磐田でした。

今年の決勝は、対戦カードが決まった時から地味な組み合わせになったと言われていました。
しかし、決勝であるため、面白い試合が期待できそうだと思い、観に行くことにしました。
結果的に、その予想は見事に的中することになるのですが、まさか、あそこまで面白い試合になるとは思ってもいませんでした


両サイドバックを欠く磐田

ジュビロ磐田は、現在、両サイドバックのDF駒野友一とDFパク・チュホを共に負傷で欠いております。
しかし、DF山本康裕とDF山本脩斗がその穴をしっかり埋め、チーム力低下を防いでおります。

エースであり日本代表のFW前田遼一とブラジル人FWジウシーニョの2トップも好調で、この試合でもこの2人の得点が期待されていました。


新戦力が台頭しつつある広島

広島は、つい最近までエースであるFW佐藤寿人が負傷離脱していました。
しかし、今まで控えだったFW李忠成がリーグ戦で現在までに6得点を挙げ、しっかり結果を残しております。
10月31日(日)のJ1第28節・横浜F・マリノス戦で佐藤が復帰してからも先発の座を守っており、この日も先発出場しました。
そのため、この試合でも新たなエースストライカーの得点が期待されていました。

また、このように選手層が徐々に厚くなりつつある広島が、交代枠をどのように使うのかも注目点でした。


磐田が試合の均衡を破る先制点

試合は、序盤から広島がポゼッションで上回り、パスを回しながら攻撃を組み立てますが、なかなか決定的なチャンスを作ることができませんでした。
逆に、カウンターから磐田がチャンスを作る場面が何度かありました。

36分、試合の均衡が破れました。
広島・GK西川周作のパスミスを磐田が拾い、MF船谷圭祐から左サイドに展開していたFW前田遼一に繋ぎ、前田がゴール前にクロスを上げました。
これに船谷が頭で合わせ、磐田が先制しました。
ボールを支配していた広島にとっては、ミスからの痛い失点となってしまいました。


ミキッチの突破から広島が追い付く

先制された広島も、反撃しました。
43分、MFミキッチが右サイドを突破し、折り返したところをFW李忠成が合わせ、広島が同点に追い付きました。

前半は1-1で終了。
両チーム共に1点ずつを取り、ハーフタイムに入りました。


ロングボールから広島が逆転

後半開始直後、再び試合が動きました。
48分、広島・MF山岸智が後方からのロングボールを受けて左サイドを突破し、最後はGKとの1対1を落ち着いて決めました。
広島にとって良い時間帯に、逆転に成功しました。


後半終了間際に前田のゴールで磐田が追い付く

磐田は失点後、すぐにDFイ・ガンジンを下げてDF大井健太郎を投入します。
その後は、磐田ペースで試合は進みました。

このまま負ける訳には行かない磐田は、得点を奪うべく、60分に先制点を決めた船谷に代えてMF菅沼実を投入し、77分にはFWジウシーニョに代えてFW山崎亮平を投入します。

磐田は、何度か決定的なチャンスを作りましたが、広島の守備陣に阻まれ、なかなか得点することができませんでした。

このまま広島が逃げ切るかと思われた89分、磐田が左サイドからのコーナーキックを獲得しました。
これに菅沼が頭で合わせ、広島の西川がこぼした所を前田が押し込み、土壇場で磐田が同点に追い付きました。

終了間際の同点劇でしたが、これは、これから起こるドラマの幕開けにしか過ぎませんでした。

結局、2-2で後半が終了し、今年のヤマザキナビスコカップ・決勝は15分ハーフの延長戦に突入しました。


連続ゴールで磐田が突き放す

延長戦に入ると、後半は防戦一方だった広島に疲れが見え始めました。
その広島を、磐田が攻め立てました。

102分、磐田は右サイドからのコーナーキックを獲得しました。
これに菅沼が合わせ、磐田が再び逆転しました。

その2分後には、磐田は失点後切り替えができていなかった広島からボールを奪い、最後は山崎がドリブルで持ち込んでシュート。
これが見事に決まり、磐田が2点差としました。


槙野がFKを直接決め広島が詰め寄る

しかし、広島もまだ諦めていませんでした。
延長前半ロスタイム、磐田のゴール前でフリーキックを獲得しました。
これをDF槙野智章が直接決め、広島が1点差としました。
その直後に延長前半が終了。
陣地を代えて、すぐに延長後半がスタートしました。


前田のボレーシュートで磐田が優勝を大きく手繰り寄せる

ものすごい激戦となってしまった今年のヤマザキナビスコカップ・決勝。
延長後半にも、やはり試合は動きました。

109分、磐田は前田が左サイドをドリブルで突破し、最後はボレーシュートを決めて、再び2点差としました。
さすがとも言うべき前田の素晴らしいゴールにより、磐田が勝負を決定付けました。


終了間際に広島がPKを獲得するも…

もう攻めるしかない広島は、その後総攻撃を開始しました。
しかし、2点差となり多少余裕が出て来た磐田は守備の意識を高め、広島の攻撃を防ぎ続けました。
広島は、なかなか得点を奪うことができませんでした。

延長後半ロスタイム、広島の選手が相手ペナルティーエリア内で磐田の選手に倒され、広島がPKを獲得しました。
これを槙野が蹴りましたが、磐田・GK川口能活が見事に止めました。
その直後に、試合終了。
交代選手もしっかり結果を残した磐田が大激戦を制し、2010 Jリーグ ヤマザキナビスコカップ優勝を達成しました。


決勝MVPは前田!

試合終了後、すぐに表彰式が開始しました。
まず、準優勝の広島が表彰されました。

次に、優勝した磐田の選手達が表彰台に上がり、トロフィーとメダルを受け取りました。
続いて、決勝MVPの発表が行われ、受賞者は、前田に決まりました。
2ゴールを挙げて優勝に大きく貢献したエースが、納得の受賞を果たしました。


常勝軍団磐田復活に向けて

磐田は、ヤマザキナビスコカップは1998年以来、2度目の優勝となりました。
また、タイトル獲得は2003年シーズンの天皇杯以来、7シーズンぶりとなりました。

かつては常勝軍団と呼ばれ、毎年優勝争いに加わり、数多くのタイトルを獲得した磐田も、近年は低迷が続き、J2降格争いにも巻き込まれました。
一昨年は入れ替え戦で勝利し、何とかJ1残留を果たしたという苦い経験もしました。

その磐田が今回タイトル獲得に成功したのは、もちろんFW前田遼一の活躍が大きいです。
しかし、他の要因には、若手選手の成長があります。
この試合で得点を決めたMF船谷圭祐とFW山崎亮平をはじめ、DF山本康裕、DF山本脩斗、MF上田康太など、成長著しい若手選手が磐田には大勢います。

今後、磐田が再び常勝軍団となるためには、若手選手達の更なる成長が欠かせません。
磐田が、今回のタイトル獲得を足掛かりとして、再び黄金時代を築くことができるのか、注目したいです。


2010 Jリーグ ヤマザキナビスコカップ・決勝

2010年11月3日(水)14:09キックオフ 国立競技場

ジュビロ磐田 5-3(1-1、1-1、2-1、1-0) サンフレッチェ広島

【得点者】
36分 船谷圭祐(磐田)
43分 李忠成(広島)
48分 山岸智(広島)
89分 前田遼一(磐田)
102分 菅沼実(磐田)
104分 山崎亮平(磐田)
105+3分 槙野智章(広島)
109分 前田遼一(磐田)

入場者数:39,767人