メイキング・オブ・マイマイ新子

映画「マイマイ新子と千年の魔法」の監督・片渕須直が語る作品の裏側。

「日本版赤毛のアン」ってどういうの

2009年09月16日 07時22分20秒 | mai-mai-making
●「ガーリー」をテーマに。

 つい最近試写をご覧になった皆さんから、たてつづけに「百合アニメ」という評をいただいてしまいました。
 実は、こちらとしてそれほど意外に思わないところがあってしまいます。表紙の上にかかる帯に「日本版赤毛のアン」とうたわれた本を原作にとった我々が目指したのは、まず「ガーリー」であることでしたので。
 我々としては「昭和30年もの」というジャンルにすっぽりはまって、ただその時代の懐かしさを追求するだけで終わりたくなかったのです。

 白い雲と緑の麦畑が広がる防府の風景は、まさにそれにうってつけでした。
 辻繁人さんの端正で清潔感あるキャラクター・デザインが必要だったのも、mookiさんの歌声のハーモニーを求めたのも、すべては同じところからです。

 そこで鍵になってくる貴伊子のたたずまいをどう設計していこうか、と考証協力・前野秀俊さんにはかってみました。前野さんは戦前から戦後にかけての通俗的な世情をテーマに、ときどきコラムニストのような仕事をされています。
「あいだに戦争が挟まっているとはいえ、戦前から戦後の高度経済成長前まで一貫した気分が流れてたように思うんですが。戦前の中流階級のお嬢様をそのまま連れてくる、というのでどうでしょうか?」
 あ、それはいけるかも。
 そういえば、貴伊子の家も戦前からの建築でしたし。
 では、そんな方向性に従って、次回以降、防府以外の場所にもロケハンの足をのばしてみることにしましょうか。
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