B4ファイルサイズの大判の詩集だ。
限定百五十部。中に駒井哲郎の版画「樹木 ルドンの素描による」が挿入されている。この作品は、駒井の新たな出発点となる貴重な作品だ。
そんなこともあって、詩集「愛しあふ男女」の実物に出会った人は、ほんの一握りでしかない。
古本屋で見かける「愛しあふ男女」も相当高価であり、なかなか手が出ない。
しかし、この詩集は、詩集そのものに仕掛けがある。
「愛しあふ男女」は、13編の小節より成るが、ページ数が打たれてない13枚。表紙と版画を含めて15枚のページが挟み込まれているという形式なのだ。
順番を違えたら分からなくなってしまうほどだ。
思潮社版の小山正孝詩集では、詩の順番は確定されるが、作者にとってそれが本意だったかどうか。
どうにか、この詩集、その雰囲気を復刻することはできないかと考えている。