感泣亭

愛の詩人 小山正孝を紹介すると共に、感泣亭に集う方々についての情報を提供するブログです。

 詩 「道には新しく」

2010年07月15日 | 

道には新しく


道には新しく砂利がしかれてゐた

白く光つて月の光がつめたかつた

ためらふやうな私の心が

足の運びをおそくした

曲り角ではなほさらだつた

少し暗くなつたやうな窓からは

ランプにてらされた花だけが赤く見えた

私の影法師が壁にうつつ た

つめたかつたお前の指先

やさしかつたお前の言葉

なんといふ戀しさだら

空氣が流れるやうに

誰も居ない室からかすかに

はげしい音樂が聞えてきた


詩集「逃げ水」より

明平さんの回顧展 -田原市にて-

2010年07月13日 | お知らせ


愛知県の田原市で、明平さんの展覧会が行われる。
杉浦明平は、渥美に生まれた優れた小説家であり、「明平さん」と呼ばれ愛された。
「小説渡辺崋山」では、毎日出版文化賞を受賞した。
その政治的立場などから、地元と必ずしも折り合いがよかったわけではない。
そんなことから、没後十年を迎える今、地元でこのような回顧展が行われるのは、とても意義あることと思う。
明平さんは、正孝との交流も深く親交を深めていた。
この展覧会には、明平さんと小山正孝との往復書簡も展示される。

併せて18日(日)には、明平さんを偲ぶ集いも行われる。




風の音 第14号

2010年07月10日 | お知らせ
杉浦民平の研究家である若杉美智子さんから「風の音」14号をいただいた。
「もう14号になるのか」
時間がたつのは早いが、積み重ねの力というのは大きなものだと感じる。





いつものように「ご挨拶」から始まって、 

ぶんがく逍遥 -「未成年」とその同人たち14-

食 鰻(南千住・尾花)

旅 縄文杉に逢う(屋久島)

図書館の話 図書館海援隊

あとがき

今号を読んで若杉さんの関心の広さと行動力にいたく感心した。
屋久島までとんでいき、千住の尾花の鰻と足も口もナカナカだが、それ以上に 政治の話から戦前の文学の研究
(極めて発行部数の少ない未成年7号について)そして、あとがきに示された心の有り様の問題まで、表紙を含めてわずか16ページの小冊子なのに自分の体の中のあらゆる箇所が突き動かされる感じがする。

読んでみたい方は、小山まで moyama@nifty.com までご連絡ください。

富士原桃子さんの墨絵展

2010年07月08日 | お知らせ
富士原桃子さんの墨絵展に出かけた。
長谷川画廊は、広い画廊ではないが、平日の午後というのにいっぱいの人だった。



温かく迎えていただいた。

先日京都に行ってきたばかりだったので、テーマの枯山水は大変興味があった。



親しくお話をいだたき、楽しい時間になった。




それにしても、富士原さんは若い。エネルギッシュである。

墨絵展は、11日 日曜日まで。銀座の長谷川画廊 銀座七丁目 電話3571-1462

冨士原さんは、東京、京都、横浜で墨絵教室も開催されている。






菊田守さんの詩

2010年07月07日 | 
菊田守さんから最近の作品や氏の活動を様子が送られてきた。
菊田さんは、地元の中野区立鷺宮小学校で長年「白鷺音読の会」を続けておられる。
特筆に値する活動である。

詩の最近作もいただいた。氏の作品は、生活感とペーソスに満ちていると私は感じる。


あんこ

口から

あんこのとび出た

たいやきをたべた。

おいしかったのに

なんだかかなしくなった。

ゆうべテレビで見た

舟にひきあげられた

深海の魚たちは

どれもこれも

みんな

口から

内ぞうがとび出して

死んでいたので。