感泣亭別会のお知らせ
感泣亭別会は、年間3回、例会の行われる秋を除き、春、夏、冬に行われています。
今回の夏会は、7月16日(土)に行われますが、今回のテーマは、「小山正孝と立原道造」です。
近藤晴彦さんに中心に語っていただくことになっています。
興味のある方であれば、誰でも参加できるので連絡して下さい。
日時 7月16日(土)午後2時~5時
場所 感泣亭(東急東横線元住吉下車)
連絡先 moyama@nifty.com
感泣亭別会のお知らせ
感泣亭別会は、年間3回、例会の行われる秋を除き、春、夏、冬に行われています。
今回の夏会は、7月16日(土)に行われますが、今回のテーマは、「小山正孝と立原道造」です。
近藤晴彦さんに中心に語っていただくことになっています。
興味のある方であれば、誰でも参加できるので連絡して下さい。
日時 7月16日(土)午後2時~5時
場所 感泣亭(東急東横線元住吉下車)
連絡先 moyama@nifty.com
きびしい目をしてはいけない
向ふに流れて行くけむりは
二人には関係のないものなのだから
あれは あきらめのやうなはかないものだから
立つてゐるお前の肩にもたれかかる
私の重さをわすれないでおくれ
私の目の中の お前の姿 が
私の心にやきつけられてゐることのやうに
木陰をさがして坐つた時に
私は お前の からだの動きを知るだらう
愛の はげしさ を傾けて
夕暮の中で 信じはじめるだらう
二人の目に とびこむ すべてのものが
二人の 生を支へてゐることを
ノートD2
聖徳大学の近藤圭一氏から「年報福永武彦の世界」をいただていた。実は、早くにいただいていたのだが、なかなか中身をちゃんと見ていなかった。
これは、科研費補助事業による「昭和文学の結節点としての福永武彦-古事記からヌーヴォロマンまで」と題する研究の報告書である。
これには、昨年行われた公開シンポジウム「詩人たちが読む福永武彦」の全体が収められていて興味深いが、この報告書で何より面白いのが、「座談会 福永武彦から池澤夏樹ー」である。
こんな面白い話が、ここに載っていて良いのかと思うくらいだ。
他の本では読むことの出来ない「物語」がここにある。
つまり、池澤夏樹の語る福永武彦と池澤夏樹 だ。
はずかしさうにうつむいて
起きあがつた お前のえりに
私は朝のくちづけをしよう
戸のすきまから銀色の光が
線のやうに ゆれてさしこんでゐる
胸のはだけた白い肌の所にも
強く 打ちつけるやうに
光はさしこんでゐる
小さい ごみが いつぱい 舞つてゐる
行き 交ひ ぶつかり
もう 雀の鳴いてゐるのも聞える
私の目にも まぶしい光がさしこんだ
お前の指が 私の肩にかかり
支へようとするお前を押したふす時に
ノートD より
片隅に坐つて
語り合つてゐる男と女
立ち上つて
階段を下りて行つた
日傘をひらいて
裾のひらいたスカートを
ひらめかして
男はあとから歩いて行つた
私の前のガラスコツプには
なまぬるい水が半分
耳におどりこむ音樂
男と女が居たあとには
椅子が二つとテーブルが一つと殘つてゐる
私はだまつて指をふるはせてゐる