感泣亭

愛の詩人 小山正孝を紹介すると共に、感泣亭に集う方々についての情報を提供するブログです。

詩・愛しあふ男女7

2010年10月27日 | 日記

     


   愛しあふ男女 7




すぎ去つた風景はとりもどすことは出来ない


お前はふりむいてはいけない


お前の目の上をすぎ去るものを私の見るにまかせて


二人の人生が崩れるのを待つばかりだ


 


二人の人生がもし崩れないでいつまでもつづくのならば


風は たえず お前の髪をなぜてゐるだらう


青い空の下で並木と建物の窓とが


私たちをむかへさうして私たちを見送つてゐるのであらう


 


お前のほほゑみのうしろにかくされた深いもの


つかれたやりきれないさびしさとそのほかのものがすぎ去り


何も二人のうしろには残らないのではないか


 


遠い空の方から色のついたテープがからまりあひながら


長く落ちてくる 確実なものはないのだから


その中をすぎても 二人は抱きあふだけであらう