KANCHAN'S AID STATION 4~感情的マラソン論

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全日本実業団女子駅伝雑感 vol.2

2005年12月25日 | 駅伝時評
レースの最初の山場である3区は10km。2番目に長い区間である。最初にタスキを受け取ったのはホクレンの赤羽有紀子。35秒遅れて三井住友海上の渋井陽子。赤羽は3週間前の記録会で5000m15分11秒17の自己ベストを出したばかり。実は赤羽は渋井と同じ栃木県出身で、一学年下にあたる。

逃げる赤羽を渋井が捕らえることができるか?
と思ったら。後方から新たな刺客が迫ってきた。昨年、この区間で区間賞を獲得している日立のルース・ワンジルだ。渋井に追いつき、2位に浮上、さらには赤羽に迫る。中間点で10秒差まで迫ったワンジル。7秒差で食らいつく渋井。逃げる赤羽。実は今年、城西大時代のマネージャーと入籍していたという。もう1人、「強いミセス・ランナー」が誕生していた。

ラスト1kmでワンジルが並んだ。息遣いをマイクが拾う。赤羽も粘る。並走が続く。赤羽が引き離しにかかる。

長きに渡って駅伝を見続けてきた人にとっては、たまらないシーンだろう。ホクレンの監督は森田修一。日立の監督は笠間三四郎。学生時代から箱根駅伝で競ったライバルであり、'89年のニューイヤー駅伝で優勝した日産自動車のチームメイト同士である。ワンジルが赤羽に並んだ瞬間、カメラは監督室の森田監督の表情を映し出したが、笠間監督も映して欲しかった。

激しいスパート合戦の末、ほぼ同じにタスキほつなぐ。19秒差で三井。トップの両チームの関係者には悪いが、この差なら三井が勝てる、と確信した。三井の4区、石山しおりも5000m15分34秒52のタイムを持つ。ちなみに、6人以上15分台の選手を抱えているチームは、三井に資生堂、第一生命、積水化学、京セラ、ワコール、天満屋である。

2.7kmでトップに立った三井。エース区間の5区にタスキが渡った時点で2位ホクレンとの差は11秒。ライバルと思われた資生堂には1分以上の差をつけた。むしろ、3位の天満屋が29秒差までつめている。

去年は土佐礼子が走ったエース区間を初めて、土佐の高校の後輩、大平美樹が走る。

(つづく)



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