KANCHAN'S AID STATION 4~感情的マラソン論

マラソンを愛する皆様、こんにちは。
2022年は積極的に更新していく心算です。

年末恒例!日本マラソン大賞2010

2010年12月30日 | 日本マラソン大賞
最近読んだ本で面白かったのは、「ウェブはバカと暇人のもの」という新書である。今年になって、このサイトの更新が滞りがちで、月に1度だけということもあったが、僕は(バカかもしれないけど)暇人ではないのだからこれでいいのだ、と更新できないことをストレスに感じる事はないのだと思って気が楽になった。更新を心待ちにしている方には申し訳ないことだが。

しかし、毎年恒例の「日本マラソン大賞」、これだけはやらない訳にはいかないだろう。これをやらないと正月が来ないぞと、大晦日の朝、大掃除も年賀状書きもほったらかしでPCに向かっているところ。(昨夜まで、出勤だったのである。)例年は第1部と第2部に分けているが、今回は一気に発表することにする。

☆新人賞
井川重史(大塚製薬) 別大4位 福岡DNF
サイラス・ジュイ(日立電線) 北海道優勝
木良子(ダイハツ) 大阪6位

☆功労賞
国近友昭(エスビー食品)
小島忠幸(旭化成)
小幡佳代子(アコム)

☆ベスト市民ランナー賞
藤野浩一(広島市陸協) 鳥取1位 下関1位 福岡12位
城武 雅(YONDENクラブ) 愛媛4位 とくしま1位 新潟1位 河口湖2位 福岡15位
稲見(河野)真己(AC.KITA) 東京4位 大田原優勝

☆優秀外国人賞
ジャウアド・ガリブ ロンドン3位 福岡優勝
アマネ・ゴベナ(エチオピア) 大阪優勝 ソウル優勝

☆外国人特別賞
セルオド・バトオチル(モンゴル) 香港3位 開封6位 ブライトン優勝 ベルリン10位 防府優勝
トリアニングシ(インドネシア) 広州アジア大会4位

☆カムバック賞
原裕美子(ユニバーサル・エンターテイメント) 北海道優勝
早川英里(アミノバイタルAC) 長野3位 アテネ4位 ホノルル2位

☆努力賞
下重正樹(コニカミノルタ) 延岡優勝 北海道6位
吉田香織(アミノバイタルAC) 東京DNF ゴールドコースト優勝 シカゴ8位 ホノルル3位 
吉冨博子(佐賀陸協) 北海道10位 防府優勝

☆殊勲賞
藤原正和(Honda) 東京優勝 ベルリン9位
加納由理(セカンドウインドAC) 名古屋優勝 広州アジア大会7位
小まり(ノーリツ) 大阪3位 ロンドン9位
森本 友(天満屋) ベルリン3位

☆敢闘賞
佐藤智之(旭化成) びわ湖2位 広州アジア大会7位
松宮隆行(コニカミノルタ) ロンドン25位 福岡3位
嶋原清子(セカンドウインドAC) 長野4位 広州アジア大会5位
赤羽有紀子(ホクレン) 大阪DNF ロンドン6位

☆優秀選手賞
北岡幸浩(NTN) びわ湖4位 広州アジア大会2位
藤原 新(JR東日本~レモシステムAC) 東京2位 オタワ優勝 ニューヨークDNF

☆最優秀選手賞(マラソン大賞)

該当なし



2000年に某サイトの掲示板で発表して、翌年自分のサイトを設立してから毎年、「マラソン大賞」を選出してきた。あくまでも、僕個人の、独断と偏見に基づく「お遊び」に過ぎないものであるが、日本のマラソン界の現状を、それなりに反映したものを選んできたと自負してきた。

まさか、最優秀選手の「該当なし」となろうとは。2年前も、日本人選手の「該当なし」となるところを、日本の高校を卒業して、実業団にも所属歴のある北京五輪金メダリスト、サムエル・ワンジルを選ぶことで乗り切った。

今年はその年よりも低迷の1年だった。

各賞について、まず、新人賞だが、井川は福岡での途中棄権に目をつぶっての選出。来春のうちに、再チャレンジして欲しい。木のような、大学女子駅伝の強豪校(佛教大)出身者が卒業後にマラソンで活躍することが、この大会の価値を上げると大いに期待している。北海道マラソンで初マラソン初優勝したケニア人といえば、五輪のメダルを2個獲得したエリック・ワイナイナ、彼の道をたどりそうなのがサイラス・ジュイ。今度は冬の高速マラソンで記録を狙うレースを見たい。

去年のカムバック賞の国近を、引退を表明した選手が対象の「功労賞」を与えるのは寂しいが、あの、第一回ひろしま男子駅伝のMVPとも言うべき走りを見せた国近賀、五輪代表になった時は正に感慨深かった。小島は陸上部退部後も市民マラソンを走ったり、九州一周駅伝の代表に選ばれたりと大活躍。いずれは兄ともども、指導者として「現場」に復帰してきて欲しい。小幡も息の長いランナーだった。一応、五輪と世界選手権の代表歴のあるランナーから選んだが、梅木蔵雄、小椋誠といったベテランもそれぞれの所属陸上部から去った。

ベスト市民ランナー賞に、愛媛のランナーを選べて嬉しい。東大大学院出身で、愛媛マラソンの中継では「IQランナー」と呼ばれている城武。愛媛マラソンの「顔」といってもいい存在かもしれない。

トップランナーが、低体温症でバタバタと失速していく中、都内のクラブチームに所属する河野が自己ベストに近いタイムでゴールしたのも「快挙」と思った。「市民ランナー」という言葉もすっかり定着したが、その定義はやや曖昧だ。防府マラソンの女子の部優勝の吉冨は実業団OGということで、男子の東京4位の公務員、川内優輝は学生時代に箱根駅伝を走って間もないということで対象から外した。

優秀外国人賞はも国内の大会で優勝したランナーから選ぶが、これで北京五輪のメダリストは全員福岡で優勝したことになる。今回は特別に、日本国内のマラソンで初優勝したモンゴル人、バトオチルと、アジア大会で嶋原の粘りの走りをかわしたインドネシアのトリアニングシを表彰した。二人とも、次回は国内のメジャー大会で走る姿を見たい。トリアニングシは北海道マラソンがいいかもしれない。

外国人ランナーでは、優勝は逃したものの、別大3位のジェフリー・ハント、福岡2位のドミトリー・サロフノフの走りも印象的だった。アフリカ勢が上位を独占する世界のマラソン界、その一角にいかにして食い込んでいくかを考える中で、日本もお手本になるような走りだったと思う。

所属企業を離れ、「小出門下生」となって、北海道マラソンで復活、と千葉真子と同じ道を歩むこととなった原裕美子。次のレースが楽しみだ。クラブチーム所属のランナーの元祖というべき、早川。実は一時は全く走ることを離れて、所属クラブ主宰のホノルル・マラソンツアー等の事務の仕事に専念していたという。クラブといえば、セカンドウインドACの活躍がめざましいが、アミノも吉田香織ともども、日本代表を目指して欲しいところだ。

今回、大賞のみならず、女子の優秀選手賞も空白になってしまった。嶋原、加納がメダルを獲得していれば、選出していただろう。今年は、APECの影響で横浜国際女子マラソンが順延になったことも多少影響しているのかもしれないが、それならば、秋の海外マラソンも来年の世界選手権の代表選考の対象にするとか出来なかったのだろうか。今年の女子の日本ランキング1位がロンドンでの赤羽の記録だったとは。男子のサブテンが藤原新のみだったのと同様に、女子のサブ25も赤羽のみだったのだ。

北岡が金メダルなら、マラソン大賞に選んでいたかもしれない。

「たかがアジア大会ごときで。」

と言うなかれ。アジア大会での日本男子の金メダルは'86年の中山竹通以来途絶えたままなのだ。

現時点では、福岡3位の松宮も、来年の世界選手権代表の有力候補である。松宮が代表に選ばれてもおかしくはないとは思うが、来春の選考レースで、彼の記録を破るランナーが4人以上出て欲しいという気持ちもある。

世界選手権開催年である2011年。今や陸上界の「顔」というべきスターは女子短距離の福島千里であり、やり投げの村上幸史である。彼らと並ぶ存在がマラソンからも現われて欲しい。'99年以後続いている連続メダル獲得の伝統を守り続けて欲しい。それを担うのは誰か?





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