KANCHAN'S AID STATION 4~感情的マラソン論

マラソンを愛する皆様、こんにちは。
2022年は積極的に更新していく心算です。

愛媛マラソン新コースガイド

2010年01月24日 | 愛媛マラソン
僕にとっては年間の最重要レースである愛媛マラソンまであと1週間に迫った。48回目の今回、大幅なリニューアルがなされた。一つは制限時間が4時間から6時間に緩和されたこと。そしてコースが大幅に変更されたこと。

スタート地点が30年前の高校総体のために作られた愛媛県総合運動公園陸上競技場から、松山市の中心部である愛媛県庁に変った。そして、市内を北上し、土佐礼子の故郷であり、僕が住んでいる町である旧北条市内がメインとなったのである。これまで、僕が休日の練習コースとなっていたロードがコースになった。更には、松山市内の中心部にある勤務先まで、「通勤ラン」を行なうのに、新コースを通って行けることが可能になったのだ。

そんなわけで、このコースについては、よく知っているつもりだ。今回、愛媛マラソンにチャレンジする方のために僕なりにコースのポイントを記してみようと思う。来年以降の参加も検討している方の参考にもなれば幸いだ。

愛媛マラソン公式サイトより
http://ehimemarathon.jp/course/index.html

松山市の中心部にある城山公園、かつては「野球王国愛媛」の歴史に残る選手たちが高校時代に熱戦を繰り広げた松山市営球場や、土佐礼子も高校時代に練習していた陸上競技場があった場所だが今は取り壊され、広場になっている。そこがランナーたちの集合場所となっていて、昨年末に矢沢永吉のコンサートも行なわれた松山市民会館が更衣室となっている。その公園の東出口に愛媛県庁がある。ロッテルダムマラソンの発着点は市庁舎前であるし、ボストンマラソンのゴールは市立図書館の前だ。日本の公認マラソンは陸上競技場のトラックが発着点であることが多いが、この辺りは新宿の都庁前からスタートする東京マラソンを思わせる。

スタートラインは路面電車の県庁前の停留所の横。路面電車が通る片道2車線の道路が初めてランナーたちに埋め尽くされることになる。スタートしてすぐ右手には三越が、その向かい側には今、最も全国から注目されているスポットである「坂の上の雲ミュージアム」への入り口がある。かつては、某局の報道番組において、「ムダなハコモノ」として槍玉に挙がったこともあったのだ。そして、今は閉店してしまったあの「ラフォーレ原宿・松山店」が右手に、左手には銀座の服部時計店によく似た伊予鉄会館が見える。さらにそこから巨大な蟹の看板で知られる「かに道楽」の松山店。大阪から松山に来た人のほとんどが、
「まっちゃまにもあるんやねえ。」
と驚くという。そこから左折し、やや狭い道を行く。ゆるやかな上り坂になっている。

松山城を頂上に置く城山へのロープウエイ乗り場を左手に見て、左折すると片道2車線の平和通りに入る。中央分離帯には銀杏が立ち並び、もし、この大会が11月に開催されたら落ち葉が舞う中を走ることになるだろうなと思わせる。そこから本町3丁目交差点を右折。ここもまた路面電車の線路の横を通ることになる。ちなみに、今回、伊予鉄道はレースの時間帯は路面電車を運休させることになっている。そのため、本町六丁目で踏み切りを横切るがランナーが止められることはない。

片道2車線の道が狭くなると5km地点を過ぎる。環状線バイパスとの合流点ほ過ぎると道幅が片道2車線に変る。そこから北へと進めば国道196号線バイパスに入る。8km地点から急激な上り坂が出現するが、そこを過ぎればなだらかな下り坂になる。右手には堀江小学校がある。マラソンコースの沿道にある学校の生徒たちは、マラソン当日ともなると応援に駆り出されるのだろう。子供たちの目にランナーはどう映るのか。あるいはその中からマラソンに憧れる子供が出現するだろうか?

ここでトンネルを2つ通過する。最初のトンネルを過ぎると左手に瀬戸内海が見える。僕には見飽きた光景だが、他県から来たランナーには新鮮な光景だろう。旧コースでは海が見えるところは走らなかったから。2つ目のトンネルを過ぎると10km地点を通過する。

田園の中を伸びる国道。4年前の東京マラソンをきっかけに走り始めた人が急増したという。そんな人たちに僕はぜひ、お勧めしたいのは、

「地方(田舎)のマラソン大会に出場すること。」
である。
ビルが立ち並ぶ都市を多くのランナーたちと走るのもいいが、やはりマラソンは本来は「田舎のイベント」だ。イヤホンは外しなさい。沿道の人たちの声援が聞こえないよ。

この辺りは僕が休日にはジョグをしているコースであり、土佐礼子が高校時代から練習のために走っていたコースだ。もちろん、歩道の方だが。妊娠中の彼女は今回、このレースを走ることはない。しかし、いつかはここに戻ってくるだろう。ぜひ、戻ってきて欲しい。あなたのおかげで、この道が日本中からランナーの集まるコースとなったに違いないのだから。

正面には少し形の変った山が見えてくる。腰折山という名の通り、腰の曲がった老人のように見える。天然記念物のエヒメアヤメの群生地であるこの山、古い民話によると、隣の山と背比べをして勝ったのを逆恨みされて、思い切り蹴り飛ばされて頭のてっぺんを吹き飛ばされ、腰も痛めてしまい、今のような形になったのだという。同様の話は他の地域にもあると思う。どうして、昔の「山の神様」はかくも大人げないのだろう?

15km過ぎて、立岩川に差し掛かる橋の手前でコースは国道から外れて、狭い県道に入る。立岩川沿いの道を北へと進む。少しなだらかな上り坂。中間点を過ぎて井口橋を折り返して、坂を下る。県道17号線に入ると目の前に広がる風景、これが素晴らしい。瀬戸内海に浮かぶ鹿島が見える。この鹿島は先述の腰折山の吹き飛ばされた頭なのだという。無理を承知で言えば、スタート時間を午後3時過ぎにすればここで実に美しい夕日が見られるのだけれど。

県道17号線から339号線を左折すると右手にに見えてくるのは文化の森公園。ここには土佐礼子の五輪出場記念碑が建てられているのだが、ランナーには見えないだろう。その先に第2の折り返しがあり、先に左折した交差点を左折して再び国道196号線へ。

後は来た道を戻っていくだけだ。しかし、30km過ぎて、トンネルを2つ越えると坂道が待っている。ここが最大の難関だろう。そこさえ過ぎれば、あとは平坦に道だ。

本町3丁目交差点を直進すると西堀端通り。ゴールまでは後1kmだ。城山公園の西入り口を左折すればそこがゴールである。

来週の日曜日、松山の街は今までなかった光景が出現する。そして、ランナーたちの目に我が故郷松山は、どんな風に映るのだろう。


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