神奈川シニア連合ブログ

神奈川シニア連合の日々の活動等を記載します。

「生まれ、学び、働き、家族をつくり、老いていく」こうした人生のステージを安心して送れる社会を創ろう!をメインスローガンに第28回神奈川シニア集会が開催されました

2018-03-29 11:56:32 | 日記

1990年から第28回目の神奈川シニア集会は、連合神奈川構成組織の各産別退職者会、中央労働金庫神奈川県本部に所属する「中央ろうきん友の会」会員、全労済そして各界の来賓等会場が一杯となる314名が参加し3月28日(水)13時30分から満開の桜と横浜公園のチューリップも咲く中を
横浜市・ワークピア横浜で開催されました。
シニア集会は2部構成で開催され、第1部が神奈川シニア集会となり、神奈川シニア連合高野幹事(自動車総連・女性)の元に進行が行われ挨拶は実行委員長として永井シニア連合会長(自治労)、

共催団体から連合神奈川・柏木会長、神奈川県労福協・市川事務局長から挨拶があり、その後来賓挨拶として日本退職者連合・菅井事務局長、神奈川県・松岡労政福祉課副課長、横浜市・奥津雇用労働課長、川崎市・太田労政担当課長、全労済神奈川推進本部・元重本部長、中央労働金庫神奈川県本部・高橋統括部長、労金友の会神奈川地区本部・鈴木会長から挨拶を受けた後、他に出席されていた神奈川県生活協同組合連合会・丸山会長付、エル・ビー・エーの山本代表取締役が紹介されました。その後、司会者より相模原市長、民進党、社民党からのメッセージが紹介されました。
基調報告は神奈川シニア連合・池田事務局長(電力総連)から次の内容の補足提案が口頭でありました。

○時間も限られておりますので、早速基調報告に入りたいと思います。資料として、集会資料の2から4ページに記載しておりますのでご参照いただきたいと思います。(PDFここをクリック下さい)
1,先ずはじめに
○東日本大震災発生から7年が経過致しました。
復興は順調に進んでいるといわれているようでありますが、現実には、まだ避難を余儀なくされている方が全国で7万3千人以上の方がいるという事であります。
神奈川県内にも約2500人の方が避難されています。
○時とともに人の記憶は薄れているものでありますが、避難者の方々の切実な願いとしては、災害のあったことを忘れないでほしいという事だそうであります。心の支えを必要としている事だと思います。熊本地震災害等などもそうでありますが、今私たちがなさねばならないのは起こった出来事を忘れないで、そしてその上に立った継続した粘り強い支援を続けることが必要だという事だと思います。
○まずこのことを皆さんとともに実行していくことを確認しあいたいと思います。

2.政治状況についてであります
○今年は明治150年ということですが、今、私たちは正に歴史的な瞬間に立ち会っているといえるのかもしれません。
国内外の政治状況、特に国内においては、会長はじめ皆様のご挨拶の中にもありましたように大きく揺れ動いています。

○国際的には米国の「アメリカファースト」を主張するトランプ政権の国際動向を無視した政策の遂行や、最近のイタリアの選挙結果に見られるようなヨーロッパでの超保守主義政党の台頭により政治的な右傾化の傾向が強まってきている状況にあります。
○また、米朝首脳会談が唐突に行われることになりした。対話が進むことは勿論歓迎すべき事ではありますが、反面、拙速に事が進むことによる、その失敗による武力行使の危険性が指摘されている事も御承知のとおりであります。
○そして日本は米国一辺倒の外交を進めてきました。確かにトランプ大統領と安倍総理の関係は良いのかもしれません。しかし先の米国の鉄鋼、アルミへの25%の課税はEUや韓国は課税が免除されたにもかかわらず、楽観視していた日本が中国と同様適用除外となってしまいました。また、来月安倍総理がトランプ大統領と会ってお願いをするのでしょうか。もう少し主体性を持った対応を願いたいものでありますが、今後の成り行きを注視したいとおもいます。

○一方国内では現在、国会で森友問題での決済文書改ざんや文部省の政治介入問題などで国会は大揺れに揺れています。
○昨年10月に行われた総選挙では、暴走する安倍政権を倒す絶好の機会であったにもかかわらず、希望の党の党首のいわゆる排除発言等をきっかけに 民進党は3分裂し政権交代を願っていた国民の期待を大きく裏切る結果となりました。 そして、自民党がわずか 33%強の得票で、過半数をはるかに超え、改憲が発議出来る3分の2を超える議席を与えることになりました。
○このような中で、政府・与党は今国会で、憲法改定を着々と進めています。9条に自衛隊を明記し、自衛隊員の名誉のために憲法上保障するとしていますが、単なる名誉保障だけのためなら、そのための方法はいくらでもあるはずであります。
そこには何らかの意図するものが隠されているように思えてなりませんし、北朝鮮問題等を口実に今のうちに、数を背景として、何としても改定を進めようとする意図が見え透いています。

○安倍政権は、困難な案件に対しては「謙虚に常に国民に対して丁寧に説明をする」と言ってきましたが、現在の国会の混乱ぶりを見ると単なるポーズでしかなかったことがはっきりします。 森友問題の決済文書改ざん問題などによって、安倍政権の支持率は急落して、先々予断を許さない状況になっていますが、何としてもこの改憲については阻止する活動を進めていかなければなれません。

○しかしそのためには、これに立ち向かう野党の結集した力が必要であります。   巨大与党に対し弱小野党が太刀向かっていくためには容易なことではありません。
○私たち、高齢者にとっての、年金、医療・介護など社会保障制度の改悪は絶対に許すわけにはいきません。野党は一致協力し対応することを強く求めたいと思います。
○そして、私たちも現退一致の行動を大原則に、支援する行動を積極的に取り組んでいく必要があります。

3.次に現国会で論議されている「働き方改革」法案に触れたいと思います。
○現役の皆さん方の労働条件が、結果して、社会保障制度維持のためには欠かすことのできない条件であることは言うまでもありません。今国会で論議されている、いわゆる「働き方改革」法案でありますが、本来の目的は残業時間に上限を設け長時間労働を是正し、働きやすい労働環境を作り更なる生産性の向上に結び付けることに目的があるはずであります。
○しかるに、今回、提起され論議されているのは、無給の長時間労働につながりかねない「裁量労働制」や「高度プロフェッショナル制度」いわゆる「残業代ゼロ法案」など、いずれも本人の意思によらない働き方によっては死に至りかねないという労働条件の悪化につながるものであります。
○幸い「裁量労働制」の拡大については、でたらめな数値に基づく労働時間の算定根拠が暴露し撤回することになりましたが、専門職で高年収の人を規制の外に置き、深夜・休日の割り増し賃金もなく裁量労働以上に長時間労働につながる懸念が大きい「高度プロフェッショナル制度」は制度化されようとしています。
○いずれも3年前に廃案になったものですが、政府の「残業規制」などと抱き合わせで実現しよぅとするやり方は、経済界の強い要請に応じたもので労働者の意思を全く無視するものであり何としても撤廃させなければなりません。

4,次に高齢者の問題であります。
○先ず高齢者の実態についてであります。どのように状況にあるかですが
○総人口に占める高齢者(65歳以上)の割合は全国で3,459万人、27.3%、であります。 神奈川県、2,158千人、23.9%,で、平均よりは現在は低いが、今後急速に進むことが想定されています。

○平均寿命2016年 男性80.98歳 女性87.14歳 です。
 神奈川県 男性81.37歳(全国5位)女性87.54歳(全国17位)
 (男女とも平均より上)
ちなみに平均寿命の全国の第1位男性・滋賀県81.77歳 女性・長野県87.87歳 、
 
さらに、神奈川県58地域の市区町村では2010年実績で一寸古い数字ですが
  第1位  男性・川崎市宮前区82.1歳 女性・開成町88.1歳
  第53位 男性・横浜市中区77.1歳 女性・松田町85.6歳

○健康寿命は 男性72.14歳 女性74.79歳です。
神奈川県 男72.30歳 女74.63歳です。(男性若干高い、女性若干低い)
ちなみに健康寿命の全国の第1位男性・山梨県73.21歳 女性・愛知県76.32歳 、

○平均寿命と健康寿命の差  男8.84年 女12.35年 であります。
女性の方が、約4年ほど健康で無い状態での生活が続くという事になります。

○さらに100歳以上の高齢者も67,800人となっており、内訳は女性が59,627人男性8,197人で、圧倒的に女性が多いわけです。その結果記念品も銀杯から銀メッキ性に代わっています。 原因 喫煙率の低下・生活習慣病の改善 社会参加の増加などと言われています。 
○さらに、平成27年では:現役世代2.3人で1人の高齢者を支えているのが平成77年には1.3人に1人を支える社会が、いわゆる一人で一人の面倒を見る社会が到来すると言われています。
※このような高齢者の実態にあるということ事を理解しておく必要があります。
○しかしながら、そもそも高齢者とはという事であるが
○高齢者の定義についてでありますが
1956年に国連の年次報告書に記載されたのがはじまりだそうです。
その当時の平均寿命は1955年男性63,6歳、女性67,8歳ですので、現在の平均寿命と比較しますと、男性は17,38歳、女性で19,34歳延びています。男性で1,27倍、女性で1,29倍となっている。
○平均して1、28倍となっていますので、当時の65歳というのは現在に直しますと、いわゆる現代の高齢者の年齢は83.2歳ということになります。すなわち、078倍、約0,8倍した年齢が現在の自分の年齢とすることが出来ると思う。この計算で行きますと、現在70歳の方は約08掛けで約56歳だと思えばよいということになる。

○このようなことを考えると高齢者の実態も大きく変わってくることになります。
但し年金支給等に影響を与えることになっても困りますが、我々高齢者も健康問題など何らかの意識改革が必要なのかも知れません。

※とは言え、高齢者にとっての社会保障制度は重要である。

4.社会保障制度について(予算等から見た実態)
○2015年度の社会保障給付費(税金・社会保険料で国民の自己負担を除く) 
は114.8兆円で、そのうち 年金 54.9兆円 医療37.7兆円となっており、両者で8割を占めています。 また介護は9.4兆円となっており、全体で1人当たりの給付費は、90万3千700円だった。 対GDP比では3年連続下落となった。

○2018年度予算が97,7兆円で年度内に成立の予定であります。

○政府は2015年、閣議決定された「骨太方針2015」で、高齢化により増え続ける社会保障関連費の伸びを2018年度まで毎年5,000億円以内に抑えることとし、生活保護費の削減、健康保険、介護保険など利用者負担増が鮮明となっています。
○特に団塊の世代が全て後期高齢者となる2025年までに、医療、介護などについては在宅を中心としたものに変えつつあります。

○具体的な項目は3ページ以降に記載しており、参照いただきたいとおもいます。

○政府は将来、在宅で医療を受ける人が、2016年で約67万人であった数字が2025年には100万人と推定しています。また、死亡者は希望者の増加により2016年の約130万人が2025年には150万人になる多死社会を推定しています。


○このため、自宅での「看取り」を、訪問診療を手厚くし質の高い医療の担い手を育成するとしていますが、医療費の抑制という事もあり、政府は入院患者を在宅医療に移す流れを進めていますし病院のベット数も10万床以上減らし119万床とする予定だということであります。
○しかし、2014年時点で2万1千個所の診療所のうち看取りまでする診療所は、
4.7%しかありません。また、自宅での死亡希望者が多いといいますが2016年度で自宅で亡くなった人は13%に留まります。さらには、自宅で在宅医療を受ける場合、公的な在宅介護サービスを使っても患者を支える家族の負担は大きくなりがちである事は確かだと思います。
このようなことを考えると入院患者用のベット数を減らすような姑息な政策だけでは果たしてどうなのか疑問だといわざるを得ません。

○また厚生年金についても昨年の国会で、現役世代の年金水準の確保ということで「マクロ経済スライド」の取り扱いを必ず反映させることが出来るような仕組みに取り扱いを決めました。2018年度の改定については資料として添付してある通り昨年と変わりありませんが、今後年金は確実に減っていく仕組みとなったわけであります。

○以上のように、高齢者取り巻く環境は誠に厳しいものですが、よりより社会保障制度の充実に向け取り組んでいかなければなりません。

5.最後になりますが
○来年2019年度は統一地方選挙や参議院議員選挙があります。
政府・与党はすでにこのことを意識し、2018年度予算編成において、公約となっていた、ブライマリーバランス是正、いわゆる国の借金が、総額で1080兆円(2017年9月末時点)国民1人当たりにすると852万円となりますが、この財政再建という公約を、与党からの意見の強まりから「緊縮財政だけではデフレからの脱却が出来ない」とし公共事業費や防衛予算の上積みを図るなど歳出削減に慎重な姿勢を示しています。
○昨年末の衆議院総選挙では、野党側の失策から安倍政権の大勝を許す結果となってしまいました。しかし今、①GDP600兆円をめざす、②子育て支援を充実し、出生率1.8をめざす、③介護離職ゼロを目指すというアベノミクス「新三本の矢」は、解決不可能な課題に直面しています。そして、森友問題の決裁文書改ざん問題に端を発し支持率は急落しつつあります。
○今こそ、私たちは、目的を共有する幅広い市民層と力を合わせ、社会的共感の得られる運動の輪を広げながら、経済優先の政治から高齢者福祉の充実を目指し、国民生活最優先の政治に転換させる取組みを強めて行くことを確認したいと思います。
○以上基調報告とさせていただきます。

続いて労働福祉関係団体の報告と要請として中央労働金庫・栗澤調査役から労働金庫の友の会の活動、中央ろうきん金利上乗せ定期預金等の報告と要請。全労済・森担当から全労済から今年度に支払った台風、雪害の状況と共済制度サポートに等の報告と紹介があった後
スローガン(案)を司会者より集会アピール(案)(ここをクリック下さいPDF)を神奈川シニア連合・明珍幹事(情報労連・女性)から大きな声で提案があった後、司会者より各報告・提案について特段の意見は無いものと思いますので確認を求めて、全員の拍手で承認しました。
最後に閉会の挨拶を神奈川シニア連合・臼井副会長(退女教・女性)からあり、永井実行委員長の音頭により団結頑張ろうを三唱し15時20分に第1部の集会は終了しました。

第2部は15時30分から神奈川シニア連合・高橋副会長(自動車総連)の名司会により、シニア集会初めての試みとして「交流の広場」と銘打って先ずバイオリンの演奏を「自治労神奈川県本部・県退職者いちょう会」の弦楽アンサンブル「音楽の杜」11名により
復興支援ソング「花は咲く」等30分間の演奏が聴きました。2組目は「神奈川県退職女性教職員の会」の「県退女合唱団」14名による
歌声を聴き終盤には「青い山脈」「故郷」等を参加者全員で歌い16時30分に恙なく終了をしました。

バイオリンの演奏の一部をここでお聴き下さい