かながわ平和運動推進委員会

神奈川県高等学校教職員組合の平和について考えるブログです。

「マスコミ信じられますか?」

2006-12-17 16:37:02 | 平和通信vol149(2006/10)


              神奈川高教組第49次教育研究集会・平和分科報告
    
     「マスコミ信じられますか?」

 10月28日、神奈川高教組教研集会が横浜平沼高校で開催され、午後の平和教育分科会に参加した。この分科会では「マスメディア、信じられますか?」をテーマにパネルディスカッションが行われた。参加者は、組合員以外の2名を含んで11名。パネリストは商工高校の小島浩介氏、元執行委員の吉村博氏、そして元神奈川新聞記者でフリージャーナリストの池添徳明氏。
 小島氏は「マインドコントロール by TV」というテーマで、テレビは新聞と比べると桁外れに影響力があると分析した。また、最近のイラク報道・朝鮮人民共和国問題・市民運動弾圧事件などでの、テレビ報道の偏りへの言及があった。
 吉村氏は、「マスメディアをどうとらえるか」がテーマであった。まずマスメディアには、『民主主義』達成の道具と、大衆支配の道具であるという二面性を持つことが示された。新聞報道については全国紙を比較し、警察のリークをそのまま掲載している新聞が多いことが分析された。
吉村氏が注目するのは新聞・テレビの二大マスメディア以上の影響力を持つに至ったインターネットと携帯電話である。インターネットは10億人が使用し、携帯電話に至っては20億人になろうとしているという。携帯+ウエッブで同時性の情報が手に入れられる。ブログが急速に増え、さまざまな情報が発信されている。例えば、靖国問題で検索すれば390万件の情報がヒットする。しかし、90%の人は上位の30件ぐらいまでしか見ない。そこに大衆操作の仕掛けをつくる事が可能になる。我々も、こちら側から積極的に情報を発信することが必要になっている。
 池添氏は「ジャーナリズムの現場から」というテーマで、記者時代に手がけた事例をあげながら、新聞社を退職してフリージャーナリストになった経緯を話された。話の中で、若手の記者が社を辞めるのは、やりたいことができない、上司が記事を受け入れてくれないなどの理由があるとのことだった。また、ジャーナリストとしての「志」を持ち続けられる記者は二割ぐらいで、後は感覚が麻痺し保身に走る記者が多いという。がんばっている記者を支えるのは応援の葉書、というお願いもあった。氏は最近、新採用教員の死亡・自殺問題などを取材している。
 質疑応答では、NHKの問題が話された。企画物はよいのだが、人気のあるニュースに問題があり、政府の宣伝的なものが多く、政府の決定したものしか流さないとの指摘があった。また、インターネットの信憑性についての討論があり、すべての情報は“眉唾物”との認識から始める必要がある。地方紙については、県などの圧力に弱いなどの問題点が挙げられた。
 我々は、マスコミを通じて情報を得ると同時に情報操作を受けている。インターネットの情報も手軽で便利である。しかし、操作されているという危険性は常にあり、情報源を複数にするなど、冷静に判断する必要がある。さらに、これからは受身ではなく、積極的に情報をこちらからも発信するべきであると考えさせられた。
        (T.S)