ひあたり良好

今日もいい天気。外へ行こう

ナイキ創業者の自伝「靴にすべてを。」を読みました。これは。。いいぞ!

2017-12-22 22:44:36 | 読書日記
管理人です。
先日読売新聞の日曜日版に、フィル・ナイト「SHOE DOG 靴にすべてを。」の書評が掲載されていました。
ナイキは私の好きなブランドなので、がぜん興味を持ち、すぐにアマゾンで検索。

本の表紙・装丁が美しいので、書籍を購入してしまいました。ええ、電子書籍ではありません。
たまには買うんです、紙の本を^^;

到着するなり、パラパラと読み始めましたが、、

面白い。


一瞬で惹き込まれてしまいました。

ナイキという世界的に有名なブランドを作り上げた創業者の半生とはどのようなものだったのか、
そんな思いをもって読み進めていくと、華麗なる物語の片りんなどこれっぽっちもなく、
挫折と壁と危機に彩られたハラハラドキドキの連続に時間が経つのを忘れしまいます。

そして日本とのつながりの深さにも驚きました。
禅と関係があるんですね。そしてナイキ(前進のブルーリボン)は、日本の靴メーカーの一代理店から始まったんですね。
知りませんでした。

この本、ナイキが好きな人はぜひ読むべきです
ナイキにはさほど興味がなくても、大ブランドを立ち上げた男たちの生きざまに興味を持つ人はぜひ読むべきです
読み進めていくうちに、ナイキのファンができあがります。もとからのファンはより熱狂的なファンへと変貌します。

社会の中で生き残るためには勝ち続けるためにはどうすればよいか、
フィル・ナイトとその仲間たちの人生をかけた勝負の連続が醍醐味の本です。

通勤時に読んでいましたが、毎日が楽しくなりました。
二回目、読み直します。

一橋文哉「三億円事件」を読む

2011-01-17 20:34:30 | 読書日記

一橋文哉「三億円事件」を読む

年末にグリコ森永事件の本とともに購入した「三億円事件」を、
先ほど読み終えた。

えー、一言。
面白い^^

私の生まれる遙か以前の事件だけど、社会に与えたインパクトの大きさはハンパじゃない。
もっとも印象的な昭和の未解決事件は?と尋ねれば、三億円事件という回答が一番多いんじゃないだろうか。

三億円事件といえば、モンタージュの男が有名だが、あのモンタージュ写真は正確ではないことは知っていた。

犯人については、よくいわれる事件直後に自殺した19歳の少年(父親が警察官)や、
はたまた2年ほどまえにテレビの特番で放映された、不動産業を営む仕手戦の男性(ハワイ在住)などがよく知られているが、今回の本では、全く別の展開をみせる。
まさにハラハラ・ドキドキの連続だった。

事件のあらましや、遺留品や現場の調査、上記二名は「犯人ではない」ことについての分析は圧巻。

しかし結論については、ネット上でも賛否両論あるように、決め手がないまま終わってしまう。ちょっと残念。でもよく書かれています。

三億円事件に知りたい方には、オススメの本です。


グリコ・森永事件の本を読む

2010-12-26 00:11:42 | 読書日記

グリコ・森永事件の本を読む

先日近所の古書店に立ち寄った際、朝日新聞社会部編「グリコ・森永事件」(朝日文庫)を購入した。

グリコ・森永事件は私が小学生の頃に発生した。有名な「狐目の男」、防犯ビデオの映像など、当時の生々しい記憶は、いまでも残っている。結局犯人は捕まらずに時効を迎え、今では昭和の未解決事件として歴史に名を残してしまった。

今回読んだ本の内容は、真相究明というよりは、事件のあらましや経緯について詳細に描かれたものだった。「それ以上の情報が欲しい!」私は、amazonで関連本を物色し、下記を注文。ついでに三億円事件(こちらは私が生まれる前)の本も買ってしまった。

下山事件といい、私はどうも、この手のノンフィクション・ミステリーが好きだ。
年末年始は、これらを読んですごそう。

1 "グリコ・森永事件「最終報告」 真犯人 (朝日文庫)" 森下 香枝

1 "三億円事件 (新潮文庫)" 一橋 文哉

1 "グリコ・森永事件?最重要参考人M (幻冬舎アウトロー文庫)" 宮崎 学


馳星周「ブルー・ローズ」を読んだ

2009-11-05 19:30:48 | 読書日記
馳星周「ブルー・ローズ」を読んだ

先日本屋に行ったところ、馳星周の文庫新刊「ブルー・ローズ」が置いてあった。
迷わず購入^^; 相変わらずの馳好きである。

ブルー・ローズの花言葉は、「不可能・有り得ない」。そんな魅惑で官能的なタイトルの本作は、タイトルに負けずやっぱり怪しげで魅力的な内容だった。

主人公は元刑事の探偵。
探偵といっても、刑事時代に借金づけになって刑事をやめ、今は背負った負債を返すべく、とある法律事務所から仕事を受けているしがない身。

警察官僚のエリートから、娘が失踪したので探してほしいという依頼を受ける。
主人公は当初乗り気ではなかったが、金に困っていたのでやむなく承諾する。

娘の趣味はバラの栽培。娘の交友関係を調べて、バラ仲間のセレブ婦人たちと出会う。
失踪人・依頼者たちの豪華絢爛なきらびやかな世界と、みじめで汚濁にまみれた主人公との対比が生々しい。

後はネタバレになるので、これ以上書かないが、
警察内部の権力闘争、公安と警察の確執、裏切りと出し抜け、出世欲と権勢欲にまみれた汚れた世界を描ききっている。その描写は、この世の中は救いがないのではないかと錯覚を覚えてしまうほどだ。

そして「ブルー・ローズ」とはいったい何か? それは読んでみてからのお楽しみ。

馳の作品といえば、マフィア、ヤクザ、腐れ警官、薬物が主要な役割を果たすのだが、
今回の作品はは過去のものとは違って、主に警察の世界が描かれている。このあたりは新鮮な感じがする。

いずれにせよ、お薦めできる本です。

夏なのでミステリー小説を読む

2009-06-26 20:34:27 | 読書日記
夏なのでミステリー小説を読む

いやー暑い。梅雨に入って暑い毎日が続く。なので、心の底からヒヤヒヤするようなミステリー小説を読みたくなった。

今回購入したのが、遠藤周作の『怪奇小説集』『第二怪奇小説集』、鈴木光司『仄暗い水の底から』の三冊。

まず怪奇小説集。短編だが、面白い^^; エッセイだったり、小説だったりするのだが、どれも趣のある話ばかり。純和風ホラーの感がある。
しかし大作家なのに、幽霊がでる旅館へ真面目に調査に行ったりするなんて、なんて素敵なのでしょう。ますます魅力を感じました。

しかも三浦朱門や阿川弘之、曾野綾子といったそうそうたる顔ぶれが登場して、しかもテーマが幽霊や怪奇現象(爆) いやあ一本とられました。
30年以上まえの作品なのに、ぜんぜん違和感を感じません。オススメです。

二作目の第二の方は、恐怖というよりは、どっちかというと不思議な話を集めた短編集。まじめな作品を味わうなら第二、楽しく恐怖を味わいたいなら第一かな。

さて最後は『仄暗い』。リングなみの恐怖を期待して読み進めた。
初めの章がおわり、次の話に移り、どこで交錯してどう展開するのだろうと心待ちにしながら読んでいたのだが、、、、なんと短編!じゃないか!

怒怒怒 と怒りを覚えた。だってどれもこれもつまらないんだもん。
なんでこんなのが映画化されたんだろうか。不思議だ。こちらの方がよっぽど不思議だ。

今まで読んだ中で、一番怖かったのが、『呪怨』。思い出しただけでもガクガクする。

次は『黒い家』『リング』『天使の囀り』かな。

怖い映画はいやなので、本を読むことにしました。

ちなみにPC-98のゲーム『怨霊戦記』(ソフトスタジオウイング制作)は最高傑作だと思います^^; もっと知名度あっぷしてもいいのに。だれか小説にしてくれないかな。

遠藤周作『ただいま浪人』を読んだ 人生って

2009-06-19 20:23:30 | 読書日記
遠藤周作『ただいま浪人』を読んだ 人生って

ここのところ遠藤周作の本を読んでいる。
4作目となるのが、『ただいま浪人』。700ページを超える長編作品だ。

この作品のジャンルは、青春小説に色分けられる。しかし「青春」と表現するにはあまりにも寂しく、読後、心細い気持ちに陥ってしまう。

若者たちの青春の苦悩。若く未熟なだけでなく、自由であるが故に、自分の人生をどう生きるか、どう生きるべきなのか、迷い・葛藤する人間の等身大の姿が、切なく描かれている。

東京大学合格を父親に嘱望され、一浪しながら予備校に通う信也。
新劇の役者である本多公介に恋心を抱く姉の真理子。
占領時代に関係を持った女性が生んだ自分の娘を捜しに、日本へと降り立つ元軍人のロバート・オノラ。

彼らが逡巡しながらも、人生を一歩一歩を前へ前へと踏み出していく。
そして、彼らの軌跡が交錯するの結末とは。。。

自分は齢33。自分のことを振り返りながら、読み進めた。
博士課程に進み、運だけを頼りに研究者生活を送るか、キレイさっぱり縁を切って就職する道を選ぶか、自分が本当にしたいことは何か、何だったのか、いろいろと悩んだ過去を思い出した。

研究者生活はあきらめ、就職を選んだ。しかも選択したのは、システムエンジニアの道だ。
自分が本当にしたいことと、実現できることとは別だ。

信也は、毎日単調な生活が続くサラリーマン生活など、到底堪えきれないと吐くが、
いや、単調じゃないよ^^; いろいろと変化があって新鮮なこともあるよと伝えたい気分になった。

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人生とは小石をなげた池の波紋に似ていると信也は思った。一つの波紋はそのまわりに次の波紋をうみ、第二の波紋は第三の波紋へと拡がっていく。ロバートがその寂しさから抱いた女との関係がこの娘をつくり、娘の孤独をつくり、娘の憎しみをつくったのだ。
。。。

みんな、苦しんでいる。人生をどう生きていいのか苦しんでいる。人生に合格した奴は一人もいない。ロバートもこの娘も、俺も・・・浪人なんだ。人生の浪人なんだ。

遠藤周作『ただいま浪人』「交差点」の章
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世間の評価は分かりませんが、私にとってこの著作は、名作です。
三島由紀夫の『潮騒』と対照的な『ただいま浪人』でした。

初めての遠藤周作

2009-04-22 20:15:16 | 読書日記
初めての遠藤周作

先日、中古書店にふらっと立ち寄った際、なにげなく本棚を眺めていたら、遠藤周作の列に目がとまった。
そういえば遠藤周作の本って読んだこと無いなあと思い、手を伸ばした。

購入したのは、『悪霊の午後』上下。普通、『沈黙』や『海と毒薬』だろうという声が聞こえてきそうだが、メジャーどころは後に回すことにした。
ちなみにこの作品は、遠藤周作の著作の中でも「異色作」なんだそうだ。うーむ^^;

今日の朝、電車の中で読み終わった。
感想はというと、、大変、良かった。

難しい文体なのかなあと思っていて敬遠していた私がバカだった。

ちなみにこの『悪霊の午後』が「異色作」と評されるのが分かる気がする。
平易な言葉で言ってしまうと、現代を舞台にした和風エクソシストみたいなものかしら。

主人公は作家で、一人の女性に出会ったことによって、彼の周りの日常が狂っていく様が恐ろしい。ホラーと言うより、戦慄を覚えるストーリー展開。
でもさすが大御所なだけあって、おどろおどろしさを与えずに、淡々とした描写で恐怖を演出するのは流石です。

遠藤周作自身がキリスト教徒だから、この「悪魔払い」に興味があって書いたのかしら。

松本清張は文体がなじめず、正直好きではないのだが(作品は面白いが)、
遠藤周作は大丈夫だ。なのでこのあといろいろ読んでいこう。

「イキガミ」を手にとって

2009-03-13 20:32:42 | 読書日記
「イキガミ」を手にとって

先日、以前から気になっていたコミック『イキガミ』を購入した。
読後、衝撃を受けた。何だろうこのマンガ。初めて味わうテイストだ。

舞台は現代の日本。小学校入学時に全児童は注射を打たれる。成長して20歳前後になると、一定の確率で、その注射のせいで彼らは死に至る。
人々に生命の大切さを教えるために制定された国家繁栄維持法に則って-。

そしていつ誰が死に至るかは巨大なデータベースで管理されていて、死に至る24時間前に、お役所の公務員が、そのことを本人または家族に通知しに行く。そのとき手渡される紙が「イキガミ(逝キ紙)」。
主人公は、そのイキガミを通知する若者だ。

自分の死を悟った若者は、恨みある者に復讐したりするだろうな、という予想通りの展開もあれば、残された時間を精一杯生きる。自分自身はやり残したことがあり、悔いもあるが、誰かの幸せのために生きようとしたりする姿もあったりと、いろいろと考えさせられる話が多い。

まだ4巻までしか読んでいないのだが、2巻の「出征前夜」や3巻の「最愛の嘘」は本当に泣ける。嫁も泣いてた。

なので、興味のない人も、一度は読んで欲しいエピソードだ。

昭和のミステリー「下山事件」

2007-04-04 23:13:43 | 読書日記
昭和のミステリー「下山事件」

最近気になって調べて始めた事件がある。それは「下山事件」。
昭和24年、国鉄総裁である下山定則が轢死体で発見される。
事件は「自殺」ということで一応の決着を見たが、今なお他殺された
疑いの濃い事件である。

もともとは秦郁彦著『昭和史の謎を追う』を読んで興味を覚え、
松本清張の『日本の黒い霧』で火がつき、そして今回、森達也『下山事件』を読み終えて、のめりこんでしまった。

もうとどまるところを知らず、このたび、
諸永裕司『葬られた夏』
矢田喜美雄『謀殺下山事件』
柴田哲孝『下山事件 最後の証言』

をまとめてアマゾンで購入した。

感想は後ほど書くとして、森の本を読み進めていくうちに、背筋に冷たいものが走るのを感じた。戦後の混乱、GHQの占領政策、東西冷戦、事件の背後には、複雑に絡み合った様々な政治的問題があった。恐怖というか戦慄というか、事件の深い闇・巨大な組織の存在に、発生から60年近く経過した今でも、恐ろしさを覚える。

ひさしぶりに好奇心に火がついた。これが俗に言う「下山病」かしら。
とにかくいろいろ調べていきたいな。

文芸春秋の「小倉庫次侍従日記」

2007-03-14 23:12:34 | 読書日記
先日『文芸春秋』を購入したとブログに書いた。
目当ては、新聞でも報道されていた、「小倉庫次侍従日記」である。

昭和14年から終戦にかけての昭和天皇と宮中の様子が記述されている。
昭和天皇の発言や生の感情が記されていて、よみものとして読んでも十分面白い。
ぱっと読んでみて、「歴史的な新発見」はなかったが、
他の資料や日記などに記録された出来事の肉付け・裏づけの部分は少なからずあった。

敗色濃厚な昭和18年後半あたりになると、如何に戦争を収拾すべきかの影がすこしづつ見え始めてくる。高松宮様との口論などは、なかなかに興味深い。天皇陛下に、「精神的な師をつけるべきではないか」と発言する高松宮様もさすがだ。

詳細は半藤一利氏の解説に譲るとして、個人的に興味深かったのが、「ワニ肉たべたかった」という発言だ。

ワニ肉を料理に使っていいかどうかを侍従武官が、総務局に尋ねたら、ダメだしされ、結局使われなかった。ワニ肉を食べたかったにと、昭和天皇は残念がられた。
訪欧中にはトカゲの肉を食べたいと言ったのに、これも食べられなかった。
アンコウは好物であるという話をしたら、侍従は、「御上は悪もの食ひにあらせらる旨、申し上げたるところ、御微笑あらせられたり」と。
なんとも微笑ましい。

日本の昭和戦前史が政治問題と切り離され、歴史の研究対象となれば、きっともっと多くの史料が公開されていくんだろうな。