鴨頭の掲示板

日本史学関係の個人的な備忘録として使用します。

【業績】 鴨頭俊宏《問題提起》「三重県域の自治体史誌編さん事業史をめぐる〝出入り〟―近世史用語『異国船』をキーワードとして―」『地方史研究』第418号(2022年8月)

2022年08月12日 15時38分23秒 | いち研究者としての日記

地方史研究協議会の今年度三重大会開催にあたり投稿していた標記の小論文を掲載する『地方史研究』第418号(第72巻4号)が、完成し東広島市の自宅へ配達されました。掲載は73~78ページです。

私の場合、専門のテーマについては過去の大会ですでに発表済みのため、今回は、趣味で取り組む研究の内容で執筆しました。偶然というか結果的にであるものの私は、地方史研究協議会の大会へ

2007年、第58回高松大会 自由論題《口頭発表》「近世瀬戸内海路をめぐる情報ネットワークの形成―山陽~四国間における交換・共有のあり方を中心に―」

     ※翌2008年、この成果論集『歴史に見る四国―その内と外と―』(雄山閣)に論文を収録される。

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2012年、第63回東京大会《問題提起》「江戸時代地方史の研究をめぐる二つのネットワーク―瀬戸内海域における異国船対応史の視座から―」『地方史研究』第359号

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2017年、第68回徳島大会《問題提起》「『鎖国』期異国船対応を通して見る徳島藩領の地力」『地方史研究』第388号

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2022年、第72回三重大会《問題提起》

と、ちょうど5年周期で貢献していることになります。

なお、今回の小論文を読むにあたっては、山口県県史編さん室『山口県史研究』第30号(2022年3月)で発表した《修史研究》「関東近世史研究会に学ぶ自治体史論のあり方」にあらかじめ目を通していただければ、研究の背景から位置づけかたまでわかりやすくなると思います。

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【受贈】 下向井龍彦著『平将門と藤原純友―天慶の乱、草創期武士の悲痛な叫び―(日本史リブレット017)』(山川出版社、2022年8月)

2022年08月10日 09時31分06秒 | いち研究者としての日記

昨年古希を迎えられた下向井龍彦先生より標記の新刊を1冊、私にも贈ってくださりました。ありがとうございます。

草創期武士の英雄的な存在である平将門・藤原純友が、なぜ天慶2年(939)冬に反乱を起こしたのか。その真相に政治史・軍事史の両面から、随所に図・表・写真を挿入しつつ平易な文章で論説されています。

偶然なのか何なのか存じあげませんけど……後者の人物につき、つい1ヶ月前に

寺内浩著『藤原純友―南海賊徒の首、伊予国日振島に屯聚す―』(ミネルヴァ書房)

藤原純友:南海賊徒の首、伊予国日振島に屯聚す (ミネルヴァ日本評伝選234) | 寺内 浩 |本 | 通販 | Amazon

が出版されているので、時間を見つけ双方の書を読み比べてみたいです。

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【業績】 鴨頭俊宏《書評》「岩崎清美・吉岡孝編『幕末期の八王子千人同心と長州征討』」『芸備地方史研究』第320・321合併号(査読あり)

2022年08月05日 12時07分25秒 | いち研究者としての日記

芸備地方史研究会へ投稿していた標記の書評を掲載する『芸備地方史研究』第320・321合併号が、完成し東広島市の自宅に届けられました。発行の日付は投稿から約1年後の2022年7月11日で、掲載は56~63ページです。

今回批評を試みた編著

幕末期の八王子千人同心と長州征討

(岩田書院、2019年11月)は、八王子千人同心につき、慶応2年(1866)のいわゆる「第2次長州征討」(「幕長戦争」などともよぶ)に従軍した日記を分析しながら再評価を促そうとするものです。書評を投稿しようと考えた理由は、当時、中国路(山陽道)を西進し、九州に抜け出てからは瀬戸内海路を通り伊予国松山藩領経由で大坂(大阪)へ戻った点より、私自身の研究テーマ〝江戸時代の公用通行を支えた情報ネットワーク〟にも関係するゆえです。日本史学界における書評は普通、研究の方向性や論証の説得力を問うことに終始するものなのですが、今回は珍しく、史料の解釈に重点を置きました。解釈によって描く歴史像が正反対となりうるからです。ならば、そもそも史料の原文を正しく翻刻できているか?から検証する必要があるわけですけど、新型コロナウイルスの感染状況を鑑み上京を延期……。いたずらに時間が経つのも良くないので、今回は、無念ですけど本書に翻刻されたものについて批評することとしました。おそらく、本書のなかで割愛した部分に、私自身の研究テーマで重要な記録がありそうなので、コロナ禍が落ち着いたらぜひ原史料を閲覧したいと思います。

執筆メンバーからすれば目的外の批評を含むでしょうけど、私自身の研究テーマにとれば、今後に向け重要なヒントを得られました。

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