法制史学会から依頼を受け寄稿していた標記の《書評》が『法制史研究』第68号(2019年3月)216~219頁に掲載されました。
標記の糸川氏論文とは、水本邦彦氏による公儀浦触の通達ネットワーク論に問題関心を導かれながら、江戸時代紀州藩領で「奥熊野」地域にあたる紀伊国牟婁郡の尾鷲(現三重県尾鷲市)を主な定点観測地と定めつつ、その触の取り扱い方を検討したものです。こうして、幕藩関係をめぐる議論に新たな一石を投じようとしました。その成果を、瀬戸内海を主なフィールドにしつつ情報ネットワークを解析していく立場から、簡潔に批評してみたのです。
※なお、日本史学界では、書籍刊行物を批評する《書評》と学術誌掲載論文を批評する《論文評》とを別の種別に取り扱うのが一般的ですけど『法制史研究』の場合は、両者を一括して《書評》と表記するとのことです。