我が国の100歳以上の長寿者(百寿者)は、2005年9月現在
で約2万5千人。その内、女性が8割を占め、男性を圧倒していま
す。
ところで、百歳以上まで長生きする百寿者には、体質面や性格面な
どでどのような傾向があるのか興味のあるところです。最近、慶應
義塾大学医学部老年内科の広瀬信義部長らが、東京23区内の百寿
者約1700人のうち302人を訪問調査、また211人をアンケー
ト調査し、その結果が大衆紙に出ていました。
百寿者の特徴を総括すると、男性は自分の体調の変化に神経質で、
依存心が少なく、一人マイペースでやっていくタイプが多い。また、
女性は活動的で社交性がある、依存心が少なく、家族や人の面倒見
が良いタイプが多いそうです。
そして、これを詳しく見ると、
(1)アディポネクチン濃度が高い・・・百寿者は血中にあるアディ
ポネクチン濃度が高い。アディポネクチンは、脂肪細胞から
分泌されるタンパク質で、抗糖尿病作用、抗炎症作用、抗動
脈硬化作用がある。
(2)糖尿病になりにくい・・・百寿者で糖尿病の人は、5%と少
ない。
(3)動脈硬化が進んでいない・・・百寿者の動脈硬化の罹患率は、
60%。一般には、80代で60%、90代で80%とされ
ているので、百寿者の罹患率は低い。
(4)認知症になりにくい・・・百寿者の男性の3分の1、女性の
5分の1は認知症がなかった。
(5)喫煙者もいる・・・百寿者の喫煙率は、男性で30%、女性
で10%。男性で30パーセントの喫煙者がいることから、
喫煙の影響の個人差は意外と大きい。長生きする喫煙者には
喫煙の害に対する防御因子があるのかもしれない。
(6)食品は乳製品や果物を多くとっている・・・百寿者は野菜、
果物、乳製品、穀類を多くとる人が目立つ。その中でも、乳
製品や果物を多くとっている人は、100歳からの生存期間
が長かった。
(7)血液型はB型の割合が多い・・・百寿者の血液型の割合は、
A型35%、O型28%、B型29%、AB型8%。
通常全体では、A型40%、O型30%、B型20%、AB型
10%ですから、B型の割合が多い。
百寿者で、血液型B型の割合だけ増えているのは面白い。でも、こ
れは他の血液型にはどうしようもないことです。
百寿者を目指すには、常識的ですが、やはり(6)の食習慣や生活
習慣の改善にできるだけ早くから取り組むのが正解のようですね。
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