カメノ日記

僕カメノ(通称カメ)の遊び、学び、それから日々のでき事をつづる日記です。カメには前進あるのみ。カメも歩けば奇石にあたる。

街並みと景観

2006年08月11日 | その他

現在の佃島(2006.8.3撮影)



  東京都心は、ヨーロッパの都市
  などに比べ活気はあっても、建
  物の形状や高低などもさざまで、
雑然としていて街並みの景観という点では著しく見劣りがする。

1997年末になって、ようやく都の景観条例が公布・施行され、景
観問題に取り組み始めた。それでも、経済界や産業界の意向もあり、
まだまだ開発に軸足が置かれ、景観はおろそかにされてきた。この1
0年ほどの間の高層ビルや高層マンションのすごい増え方をみればわ
かる。

最近になり、都は「東京のしゃれた街並みづくり推進条例」なるもの
を制定し、個性豊かで魅力のあるしゃれた街並みづくりを進めている
が、これは大いに歓迎できる。そして、この条例に基づき、現在10
ヶ所ほどの「街並み景観重点地区」を指定している。

ところで、僕は、現在指定されている約10ヶ所がどういう条件で選
ばれたかわからないが、柴又帝釈天周辺地区などを除いて依然として
開発重視の臭いが強いと思う。それが残念である。

もっと古い街並みを、保全、整備する観点が必要ではないか。古い街
並みとは、例えば、浅草や根津神社周辺(柴又が入っているのだから
)、神楽坂、神田神保町、巣鴨、谷中、両国などなどの周辺。そして、
僕の個人的な好みでいえば、佃島なども。

また一方、景観に悪影響を与える要素は色々あるが、最大のじゃまも
のは高層マンションだと思う。平成5年に、僕が撮った佃島の写真と
今の風景では、様相が一変している。その犯人は高層マンションであ
る。

かつての古い街並み(佃島の場合ちょっと入り組んではいるが)を、
こんなに簡単に破壊していいものだろうか。
すでに遅い。土門拳の写真(昭和20年代後半から30年代前半)の
風景はもちろん、荒木経惟の写真(平成元年頃)にある風景を、もう
再び見ることはない。

<参考>
   「街並み景観重点地区の名称と景観づくりの方向」
                     (東京都都市整備局)

<平成16年3月3日指定>
(1)赤坂九丁目地区(約10ha)
「良好なオープンスペースを備えた新たな複合市街地景観の形成」

(2)豊洲二・三丁目地区(約53 ha)
「運河や産業遺産などを活用した魅力あるウォーターフロント景観の
形成」

(3)豊洲五丁目地区(約13 ha)
「水辺や緑のうるおいのある歩行者空間を確保した複合市街地景観の
形成」

(4)豊洲六丁目地区(約110 ha)
「東京の海の玄関に相応しい多彩なウォーターフロント景観の形成」

(5)常盤台一・二丁目地区(約39ha)
「緑豊かで落着きのある住環境を整備・保全し、住環境と調和した
魅力ある駅前商業施設等を誘導するうるおいにあふれた景観づくり」

(6)柴又帝釈天周辺地区(約9ha)
「帝釈天を中心に歴史的景観資源をネットワーク化した景観づくり」

<平成16年5月14日指定>
(7)大手町・丸の内・有楽町地区(約119ha)
「首都東京の顔として都心にふさわしい風格のある新しい都市景観の
形成」

<平成17年3月25日指定>
(8)汐留西地区(約5.5ha)
「西欧の香りが漂う魅力的な街並み景観の形成」

<平成18年2月8日指定>
(9)大橋一丁目周辺地区(約11.3ha)
「目黒川とR246を軸に、人にやさしく歩く楽しみのあるしゃれた
街並み景観づくり」
コメント (14)
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高層ビルによるプライバシー問題

2006年08月09日 | ニュース

東京駅周辺で進むビルの超高層化に宮内庁が気をもんでいる。

今回、宮内庁は東京駅から約600メートル離れた大手町合同庁舎跡地
に建設が計画されている地上37階建てのビジネスビル(高さ約18
0メートル)について配慮を要請した。このビルは、三菱地所などが出
資して設立した「大手町開発」が建設するもので、来年4月の着工
予定となっている(読売新聞、2006.8.7夕)。

宮内庁がパソコンでシミュレーションしたところによると、御所ま
での距離は約1400メートルあるものの、窓などが見える可能性があ
るという。このため、合同庁舎跡地のビルについて三菱地所と協議
の場をもち、「お住まいの御所が見える場所では、不特定多数の人
が集まるレストランなどの設置は避けてもらえれば」と求めた。

いわれてみると、宮内庁の心配ももっともである。ビルの上層から
天皇・皇后様のお住まいの窓が見えるということは、ひょっとする
と天皇・皇后様が建物の外へ出ると、タイミング次第では見えると
いうこと。上から見られていては、ちょっと住まいの周りを散歩す
るにも落ち着かないのでは。

さて、こういう問題が起こる背景ですが、現在、皇居外郭一帯は「美
観地区」に指定されている(昭和8年(1933)に指定)。この指定
が効力を発揮し、丸の内などは長らく建物の高さとして最大31メー
トル(100尺)のルールが守られてきた。ところが、戦後「美観地
区」から適用除外となり、さらに「美観地区」には運用条例が別途
必要になった。

現在、皇居周辺では地権者らでつくる「大手町・丸の内・有楽町地
区まちづくり懇談会」がガイドラインを作成し、その中で高さ制限
を設けている。が、これが、次のように相当いい加減なものである。

「現況では、高さの制限は航空法以外は法的に定められていないが、
・・・既に、当地区において定着しつつある概ね100メートル程度の
高さも尊重しながら、・・・概ね150メートル程度の高さまでを可能
とする。
・・・大手町、丸の内、八重洲、有楽町の各拠点においては、その
拠点性や街並みの多様性の表象として、当地区全体のスカイライン
との調和に配慮しながら、概ね200メートル程度の高さまでを可能と
する」

100~200メートルと最高制限の幅が大きく、できるだけ高くした
いという経済界、産業界の本音がすけてみえるようなルールである。

すでに、02年にオープンした丸ビル(高さ約180メートル)の建設
時も、最上階レストランから皇居・宮殿が見えることが着工前後に
わかった。そこで、宮内庁は皇居内の石垣の土手に高さ20メートル近
い木を2本植えて見えないようにした。

戦前と違って宮内庁の力が弱いから、どうやら今回も同じように皇
居側で自衛することになるのでは。

ただ、この問題は今後も十分起こりえることである。個人的には皇
居周辺を「美観地区」に再指定し、運用条例で明確な高さ規制を盛
り込んだらどうか、と思う。
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屋上庭園が増えている

2006年08月06日 | 自然・環境
新宿伊勢丹の屋上庭園(2006.7.26 撮影)
新宿伊勢丹の屋上庭園(2006.7.26 撮影)



  最近の都内の大型ビルは、都の
  条例もあって屋上庭園を備える
  ものが増えています(例えば、
六本木ヒルズ)。もちろん、既存のビルでも新たに屋上を緑化した
り庭園化するところが多い。先日たち寄った伊勢丹デパート(新宿)
もその一つ。

屋上に植物を植栽することによる効果は、まず第1に近年問題にな
っているヒートアイランド現象の緩和です。土などの基盤層が太陽
熱の吸収を弱める一方、植えられた植物が葉の表面から水分を蒸発
させることでビル表面(特に屋上)の空気を冷やします。

第2に、地球温暖化や大気汚染の緩和。植物が光合成する際、温暖
化の原因となる2酸化炭素を吸収し、かわりに酸素を放出します。
また、屋上に置かれた土は大気中の有毒ガスであるノックスや2酸
化硫黄などを吸着します。

そして、第3に癒し効果。緑は人の心を大いに癒します。そのため
には、ある程度植栽面積が広くとれる大型ビルはうってつけ。特に、
都心では緑が少ないから、貴重なオアシス的空間になります。

ところで、伊勢丹デパートの場合、各種の雑木や草花が植えられた
洋風庭園と芝生広場からなっています(今年6月にオープン)。そ
して、今はめったに聞けなくなったキリギリスの鳴き声が。音声だ
けのようですが、なかなか芸が細かい。欲を言えば、さらに水辺が
あるといい。小川などが配置されていればベストです。

そして、雑木林の向こうの芝生広場はビアガーデンになっています。
僕がこの庭園をのぞいたのは7月末。日中でもまだ気温が30度そ
こそこで、写真のようになかなか涼しげでした。でも、昨日(8月
5日)のように都心で35度を超えると、いくらオアシスとはいえ、
日中の炎天下は暑さがきびしすぎる。

夕方からが無難でしょう。ただ、そうなると、庭よりビールとなり
そうですが。間違いなく。
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もし、ガンになったら

2006年08月03日 | 健康

昨日(8月2日)、胃ガンのため緊急入院し、胃の全摘手術を受け
た福岡ソフトバンクホークスの王貞治監督が慶応義塾大病院を退院
しました。

記者会見では、「気が滅入ったこともあったが、ファンのみなさん
の熱い思いが私を支えてくれた」、「みなさんに支えられて地上に
帰還した。生還した気持ち」などと感想をのべ、また、「私には野
球しかない。どういう形であれ、野球とともに生きていくというの
が私の喜び」と現場復帰への強い思いを語りました。

プロ野球の監督ほど、長期間にわたり大きなストレスのかかる職業
はあまりない。
特に、王監督の場合、その几帳面な人柄もありますが、昨年の半年
以上にわたる通常リーグを終え、すぐ今年初めからの「2006ワ
ールド・ベースボール・クラシック(WBC)」の監督をつとめた
ことがキツかったのでは、と想像します。特に、WBCのチームは
国を背負っているだけに、監督の緊張やストレスはハンパではない
でしょう。そして、例年のオフなら取れたであろうストレス解消の
休養が、ほとんど取れなかったのが大きかったのでは。

ところで、ここに、ストレスによりガンになり、ストレス追放によ
り自力でガンから生還した人がいます。発病の時、従業員100人
のアパレル会社を経営していた伊藤勇さん(現在75歳)がその人
です。

伊藤さんは、9年前に前立腺ガンの発見が遅れ、すでに他の部位に
も転移していて「余命3ヶ月」と宣告されました。伊藤さんが言う。
「仕事の忙しさや、妻を難病で失ったことなどで、精神的ストレス
が大きかったのが原因だったのでしょう」

伊藤さんは、「残された3ヶ月」で身辺整理をすることを決心。従
業員にガンを公表し話し合い、会社を売却することにしました。
また、寺で法名をもらい、写真館で遺影を撮影、葬儀屋に葬式も申
し込みました。

そして、会社の整理など一とおり終えたころ、「告知の3ヶ月」が
近づいてきました。
ところがです、「3ヶ月を過ぎても、お迎えが来なかったのです。
じゃあ、これからはオマケの人生だ。思う存分楽しもうと、と思い
ました」(伊藤さん)

告知後に入会した「がん患者の会」や「日本笑い学会」などで、人
生を楽しむすべを覚えて行きました。ただ仲間と笑って毎日を明る
く過ごしたそうです。

そのうち変化が現れてきました。定期的に病院で受ける腫瘍マーカ
ーの値が下がっていったのです。4年前のことですが、とうとう腫
瘍マーカーが正常値になり、医師から”自然退縮治癒”の判定がお
りたそうです。

胃ガンもそうですが、ガンにはやはり精神的ストレスの影響が大き
い。僕は、この話には、ガンにならないための、そしてもし不幸に
してガンになった場合参考になる、大事なヒントが隠されていると
思います。(後段の話は、日刊ゲンダイ(2005.6.9)を参考にしま
した)
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青いハチ

2006年08月01日 | 自然・環境

青いハチ「ルリモンハナバチ」




  今日から8月。いよいよ夏本番
  ですが、熊本県南阿蘇村では青
い鳥ならぬ青いハチが飛び始めたという(asahi.com(06.8.1)によ
る)。

このハチはルリモンハナバチといい、熊本市出身の絵本作家、葉祥
明(ようしょうめい)さん(60)の作品などを展示する阿蘇高原
絵本美術館の立っている草原で見ることができるそうです。

チョウには、きれいな種類がたくさんありますが、ハチの仲間にこ
んなきれいな種類があるとは知りませんでした。黒地に青色(瑠璃
色)で、上半身背中には斑紋、ウェスト(?)より下にはリング状の
模様。なかなかユニーク、そして美しい。

主に九州、四国、本州に分布し、体長1センチ余り。小さいため、
それなりに注意して探さないと気づかないそうです。その数は減少
しており、残念ながら、僕もまだお目にかかったことはありません。

02年に阿蘇高原絵本美術館ができたころ、葉さんの弟で館長の葉
山祥鼎(しょうてい)さん(57)が近くで見つけました。葉山さん
は、このきれいな青いハチにちなんで、主人公である「ブルー・ビー」
(タイトルも同じ)が登場する絵本も出しているとのこと。葉山さ
んによれば、「架空のハチと思っている人が多いんですよ」と。
(画像は、下記のホームページより)

 ◎「虫撮り散策記」
   http://www.fuji.sakura.ne.jp/~shin/index.html
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