kamacci映画日記 VB-III

広島の映画館で観た映画ブログです。傾向としてイジワル型。美術展も観ています。

G.I.ジョー

2009年08月27日 | ★☆☆☆☆
日時:8月26日
映画館:TOHOシネマズ
パンフレット:A4版700円。

この映画、20年~25年ほど前にあったハスブロ社のおもちゃ「G.I.ジョー」が原作になっている。「G.I.ジョー」といっても着せかえ可能な1/6フィギュアではなく、多国籍特殊部隊GIジョーとコブラ軍の戦いを描いたオリジナル・ストーリーの3.75インチフィギュアの方。

フィギュアは日本でも販売され、TVアニメにもなりました。なんでこんなこと知っているかというと、当時、フィギュアを購入したり、TVアニメを観ていたんですなあ。(多分、大学生のころ・・・)

そのTVアニメはもちろんアメリカ産で、「トランスフォーマー」同様、善悪の組織が戦いながら、犠牲者ひとり出ないというなまっちょろさに、内容はほとんど覚えておらず、その実写版の予告編といっても、CGだらけで触手が動かなかったのだが、製作・監督がスティーブン・ソマーズ!
「ガンメン」「ザ・グリード」「ハムナプトラ」といずれの作品でも「続・夕陽のガンマン」の三つ巴テイストを盛り込んで、話を面白くする監督とあっては気になるじゃないですか。(前作「ヘルシング」でちょっと肩透かしをくらったことは、この際目をつむろう。)

で、作品の方といえば、話はGIジョーVSコブラ軍(正確にはコブラ予備軍なのだが)の善悪対決だけで、肝心の三つ巴テイストが全然ない!ストーリーがちっとも面白くないぞ。無理無理に続編に持っていくオチもどうなんだか。

さらに画面のほとんどが、予想どおりライブ感のないデジタル紙芝居。GIジョーの「基地セット」とかリカちゃんハウスとかって、現実にはないバラバラのスケール感でいろいろなものが詰め込まれているけど、映画もオモチャみたいなプロダクション・デザインにしたらダメだろう。

全体に失望感が漂う中で、オリジナルのキャラを踏襲したザルタン役のアーノルド・ヴォズローや、「ハムナプトラ」つながりのブレイダン・フレイザー(ノンクレジット)、ソマーズ映画常連のケビン・オコナーといった脇役陣にはニヤリ。「トロピック・サンダー」のクソガキ、ブランドン・スーフーもいいぞ。

コブラ軍の戦闘機「ナイト・レイブン」がMIG31こと「ファイヤー・フォックス」にそっくりで、雪原から離陸した上、母国語による音声認識操作なんて仕掛け(←ストーリー上全く意味がない。)があるんだから、大いに楽しくなってしまう。

おまけに、海底要塞や水中戦なんか「007サンダーボール作戦」や「私を愛したスパイ」を彷彿させると思ったら、監督本人もそれをやりたかったとのこと。監督のそういったセンスが大好きなんだよなあ・・・。

ビッグバジェットで老若男女受けを狙った作品じゃなくて、低予算でもいいからマニアックに走って大喜びさせてくれる作品を作って欲しいよ。






題名:G.I.ジョー
原題:G.I.Joe The rise of cobra
監督:スティーブン・ソマーズ
出演:チャニング・テイタム、シエナ・ミラー、クリストファー・エクルストン、イ・ビョンホン、デニス・クエイド

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