kamacci映画日記 VB-III

広島の映画館で観た映画ブログです。傾向としてイジワル型。美術展も観ています。

トロピック・サンダー 史上最低(サイテー)の作戦

2008年12月10日 | 洋画(良かった、面白かった、気に入った)
日時:12月8日
映画館:広島スカラ座
パンフレット:A4版800円。エライ高いと思ったら、中とじにフェイク「トロピック・サンダー」のパンフレットがもう1冊入っているという凝った構成。こういうの大好き。

映画撮影のつもりが、実は本物の事件に巻き込まれているシチュエーションは「サボテン・ブラザーズ」などたくさんの映画があったように思う。この映画も「地獄の黙示録」+「プラトーン」なベトナム物を撮影中の俳優一行が麻薬組織の本拠地に紛れ込むというストーリー。

ここまでなら只のありがちなコメディに終わるところだが、この作品は映画作りという、インチキな金儲けの道具に対する憎悪と芸術の表現手段に対する愛情がないまぜになったミョーな映画なのだ。

DVDの特典映像やメイキング番組では分からない生々しい現場の雰囲気を垣間見ることができて、なかなか興味深い。(近年の映画は契約の関係か、映画製作時のネガティブ情報がなかなか出てこない。そういった規制が緩い一昔前の映画は、本編より裏話の方が数倍面白かったりする。)

この辺は監督・脚本・主演のベン・スティラーのハリウッドに対する屈折した思いが反映されているかのようだ。

登場人物はどいつもこいつも、クセ者か、ダメ人間か、イヤな奴。あと、犯罪者。(笑)

主役3人はともかく「ドッグ・ソルジャー」ことニック・ノルティなど、どのキャラもその無軌道ぶりが笑えるのだが、特筆すべきは、トム・クルーズ(もう言っても良いよね。)の豪腕映画プロデューサー。罵詈雑言を並べ立て、金のためなら文字通り何でもする最低のファックなヤツにして、最高のキャラクター。いいねえ。

○○役のブランドン・スー・フーは近所にいそうでかわいくて、(別に変な意味じゃないよ。)そのギャップがおかしい。

全編にわたって展開される残酷シーンや暴力シーン、爆破シーンも過激で笑える。ラストは「ワイルド・バンチ」か「ガンマン大連合」か?

あと、コメディ映画にしては、セリフの一言一言が意味深で、含蓄があると思ったら、脚本にイーサン・コーエンが入っていた。

観終わった後、映画と映画産業について、ちょっと考えさせられるね。

ところで、名前を覚えてもらえないメガネの兵隊役に「レイダー」って呼びかけるのはもしかして「M*A*S*H」ネタ??
題名:トロピック・サンダー 史上最低(サイテー)の作戦
原題:Tropic Thunder
監督:ベン・スティラー
出演:ベン・スティラー、ロバート・ダウニー・Jr、ジャック・ブラック

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