kamacci映画日記 VB-III

広島の映画館で観た映画ブログです。傾向としてイジワル型。美術展も観ています。

孤狼の血LEVEL2

2021年08月28日 | 邦画
日時:8月27日
映画館:八丁座




ワタシの本業の隣のシマが関わっていたり、知り合いが組員役で出ていたこともあり、製作時から何かと耳に入ってきていた「孤狼の血LEVEL2」。ウチの職場では「もう観たか」「なかなかエグイな」が毎朝の挨拶となる牧歌的な環境にあって、早々に劇場へ。

とっても暴力的な広島県、広島市と呉原市(呉市)の組織が血みどろの抗争を繰り広げた前作「孤狼の血」から3年、呉原市東署の刑事日岡(松坂桃李)の影の仕切りの元、表面上の平静を保っていた。しかし、広島市側組織の上村(鈴木亮平)が出所してきたことで様相が一変してくる・・・

いつまでたっても映画に身を入れられなかった前作とは異なり、今回は完全に娯楽作品として観ることができる。とはいえ、かなり前作のエピソードを引きずっているので、前作が未見だとかなり分かりにくいのは確か。それでなくても双方(というか三方)の組織の関係とかしっかり観てないと混乱する。

とにかくキツイ、エグイという評判を耳にするが、まあ、映画的経験豊富な年寄りにしたら「今どきの若いもんはヤワじゃのう」レベル(笑)

しっかり広島ロケされているので、どこかで見たことのある景色が続出するのだが、割と実際の場所とリンクした場所で撮影されているので「100キロ離れた設定の場所が隣の土地でロケされているじゃん!」的な違和感はあまりない。まあ、「平成3年のあの建物はなかったで」とかはあるけど。

キャスティング的には鈴木亮平と中村梅雀が輝いているのだが、前者は人懐っこそうな笑顔と狂犬の顔のギャップが想像以上。他にも前作から引き続いて嫌味な監察官役の滝藤賢一とか呉原側組織の斎藤工なんかもいい雰囲気だしている。
逆に二又一成のナレーションが今回はひどくウソくさい。背景説明とストーリー説明をごっちゃにしている。

【以下ネタばれあり】

以下、カマチョフ的見解なのだが、本作は「用心棒」(と「荒野の用心棒」)の変形バージョン、もしくはリブートではないのだろうか。
2つの組織を手玉に取ろうとする裏表のある主人公、その思惑に感づいて事態を最悪にする悪側No.2の存在。裏工作がばれてリンチにあう主人公と一大殺戮、そして対決。
そう思うとボコボコにされて血まみれで地面を這う松坂桃李なんてまんま三船敏郎かイーストウッドだし、最後のカチコミの展開なんて「荒野の用心棒」のそれにソックリだ。
一方の親分が口ばっかりで頼りなく姐さんの発言力が大きいところや、主人公を支える年寄りがいるところもの似ている。(中村梅雀=東野英治郎)
詰めた指を犬が咥えて走ろうとするし、鈴木亮平が逃げようとする手下を撃つシーンは「夕陽のガンマン」に構図的にも似ている。目つぶし拷問は「続・夕陽のガンマン」でも重要なシーンだった。
何といっても目元アップがやたら多いしね(笑)

原作の第2作につながるラストは落ち着きが悪いのだが、今度筒賀駐在所に行ってみよう。

ところで今、ウチの職場にはガチな県警機動隊OBが在籍していて、背中を警戒する呉越同舟な毎日(なんでや:笑)






題名:孤狼の血LEVEL2
監督:白石和彌
出演:松坂桃李、鈴木亮平

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